ぽろしりだけ
 幌尻岳
登山日: 2010年9月12日(日)   標高:2053m(幌尻岳)
    累積標高差 : − m(第1ゲートから約1560m)


 9月12日(日)    第1ゲート 3:00 → 第2ゲート 3:40 → 取水施設 5:15
   →  渡渉開始地点 5:55 → 幌尻山荘 7:20(〜45)
   →  命の水 9:00 → 幌尻岳 10:25(〜55) → 命の水 12:15
   →  幌尻山荘 13:10(〜35) → 取水施設 15:15
   →  第2ゲート 16:35 → 第1ゲート 17:15

 


 北海道遠征初日は幌尻岳に登ります。最初に登る北海道の山が幌尻岳というのは少しハードな気もしましたが、前日まるまるフェリーで休養したことを逆手にとって初日の山としました。遠征の前半4日間はほぼ晴れになりそうでしたし、その前もしばらく晴れが続いていたので、渡渉が必要になる幌尻岳と神威岳・ペテガリ岳に登るのにはうってつけの条件となりました。

 苫小牧港からですと、北海道の山の中では比較的近いと思われる幌尻岳ですが、近づいてからの林道が長かったです。未舗装部分だけで20キロはあって、どの程度で到着するのかわからない行きでは、運転で思ったよりも疲れてしまったように思えます。

【第1ゲート前駐車場(下山時)】 

【第1ゲート(下山時)】 
 駐車場は第1ゲート前になります。ここには広々とした駐車場があります。昔は第2ゲートまで入れたようですが、現在は第1ゲートまでとなります。ちなみに、ここには簡易トイレや登山届ポストなどもあります。

 この日は日帰りで、なおかつ明日歩けなくなるほど消耗するわけには行かないので、とにかく早く出てのんびり歩いて行くことにしました。まだ真っ暗な午前3時には出発しました。熊鈴を鳴らしながら静かな林道をひたすら歩いて行きます。40分程歩くと第2ゲートに到着しました。
 
【第2ゲート前スペース(下山時)】

【第2ゲート(下山時)】 
  
【額平川沿いを歩く】 
 第2ゲート前にはスペースがありますが、路肩にとめるような感じで駐車できる台数はしれてそうです。このあたりも、第1ゲートまで下げられてしまった理由かもしれません。ここからもまだまだ林道歩きが続きます。

 5時前にはだんだんと夜が明けてきました。並行して流れている額平川も左手に見えています。後々何度も渡渉することになる川です。歩き始めてから2時間程たつと北海道電力取水施設に到着です。林道はここまででここからは登山道に入ります。しばらくは川の右岸を歩いて行きます。
 
【北海道電力取水施設】 
   
【右岸を歩く】

【岩場のトラバース】   
 右岸の道はルートもはっきりしていますし、比較的歩きやすいのですが、道中岩場をトラバースしたり、乗り越えたりする箇所は滑りやすいうえに、道幅が狭かったりするので要注意でしょう。川がすぐ下を流れているので高度感がないのが救いでしょうか。事前に情報を得ていたのでわかってはいましたが、正直渡渉よりも渡渉地点前までの道の方を注意した方がいいかもしれません。

 しばらく歩くと渡渉開始地点があります。特にそのような表示はありませんが、テープが川を渡った先についているので、すぐにその場所とわかりました。ここで沢靴に履き替えます。 
 
【渡渉開始地点】 
 
【渡渉開始地点を振り返る(下山時)】 

【左手の沢の合流点の滝】 
 今回本格的な沢登りではないということから、安い足袋を買ったのですが、これが失敗で、なかなか足が入らず苦労しました。サイズは問題ないのですが、幅広の足のせいかとにかく足首の部分がなかなか通りませんでした。ただし、ごつごつしたところでは足裏に圧迫感を覚える程度で、履き心地は問題ありませんでした。何度も履き替えるのでなければ問題なかったでしょう・・・。履き替えポイントでの時間は休憩時間というよりも、履き替えに手こずった時間といえるでしょう。

 ズボンはそのまままくり上げて歩きましたが、大半の人はショート(ハーフ)パンツ&スパッツという格好で、ズボンも履き替えていました。沢登り用スパッツを装着している人もいました。

【渡渉を繰り返す】 
  
【合間の登山道歩き】

【最後の渡渉地点と正面に幌尻山荘】 
 水量は狙い通り最も少なかったのではないでしょうか。最初の渡渉の渡り切る寸前が一番深くて太ももあたりまでありましたけれど、それ以降はほとんど膝上までくることはありませんでした。ただし、流れはなかなか強いので摺り足でストックなどでバランスをとりつつ歩くのがいいと思います。登山者の多い山ですから、外れた箇所を歩かなければ、苔で滑ってということもあまりないと思います。最初は怖々という感じでしたが、慣れてくると結構楽しかったですね。この時期はもう涼しくなっていたのでそれほどではないですが、真夏ですと水の冷たさがちょうど気持ち良さそうな気がします。 
  
【幌尻山荘】 
  
【山荘前水場】 
  
【山荘奥から登山道へ】 
 ルートは、テープやペンキの目印がありますので特に迷う場所はないと思います。渡渉よりも、河岸を歩くときに少しわかりにくい場所もあるかもしれませんが、それほど広い場所を歩くわけではないので、どこかしらにルートが見えると思います。しばらく渡渉を繰り返した後、右岸を歩いて行きます。渡渉は終わったかなと思っていると、最後幌尻山荘が見えた手前に渡渉地点があります。ここを渡ると間もなく幌尻山荘です。

 幌尻山荘では登山靴に履き替えて、沢靴と一部の水をデポしました。一部の水というのは、ここに水場はあるのですが、エキノコックスが心配で念のために余分に運んで来たものです。バーナーを持っていれば問題ないですけどね。恐らく、ここの水は大丈夫だとは思いますが、涼しくなってきて必要な水が減ってきたこともあって、念のため持ってくることにしたのでした。 
 
【登山道の登り】

【ハイマツ帯を歩く】 

【左手に見えた北戸蔦別岳〜戸蔦別岳への稜線】 
 
【命の水分岐】
 幌尻山荘で靴の履き替えに手間取っている間に十分休憩できましたので、登山靴に履き替えたら山頂を目指します。山荘奥から続く登山道は、急登でしたが比較的歩きやすかったです。ここまで、ゆっくり歩いてきていたので思った程疲れることなく登って行くことができました。

 やがて、視界が開けて左手に戸蔦別岳の稜線が見えて来ます。この後ずっと見えている戸蔦別岳の美しい三角形は何度見ても見飽きませんでした。やがて、命の水分岐があります。分岐からやや下って行くと水場があるようですが、幌尻山荘同様水場はパスして進んで行きます。
 
【太陽を正面に眺めながらの登り】 

【木の根をよじ登るような場所も】  
 
【稜線手前付近】  
 命の水分岐からもハイマツ帯の登りが続きます。木の根をよじ登るような場所もあって、一気に高度を稼いで行くような感じでしょうか。徐々に登って行くと、正面に視界が開けて、幌尻岳と幌尻岳に連なる稜線が見えて来ます。やはり聞いていた通り幌尻岳手前のカールは圧巻でした。

 稜線の眺めは素晴らしく、幌尻岳へ連なる稜線、幌尻岳手前のカール、戸蔦別岳付近の山々の眺めが見事でした。この付近の稜線は緩やかなアップダウンとなります。道中エゾオコジョを見かけたのですが、残念ながら撮ることはできませんでした。実は帰路も含めて4回も出会ったのですが、カメラを構える時間も与えてくれませんでしたね。ちらっと見ただけですがかわいかったです。
  
【正面右に幌尻岳】
 
【幌尻岳への稜線】 
  
【正面に幌尻岳】
 
【稜線より戸蔦別岳】 
  
【カールと戸蔦別岳】
 
【左手前幌尻湖と中央のイドンナップ岳】 
 
【山頂への稜線】  
 
【新冠コース分岐 山頂は左奥へ】 
 稜線を歩いてさらに山頂に近づいて来た頃に新冠コース分岐があります。こちらのコースは渡渉などはありませんが、森林管理署で鍵を借りないとかなり手前のゲートまでしか入れません。どれだけ歩かれているか、コースの状況がどうかわからなかったので、一般的な今回のコースにしたのでした。

 分岐を過ぎるとやがて山頂に到着です。360度の大展望が広がっていました。山頂にいた方もやがて下って行きましたので、山頂を独り占めという感じで、のんびりとした時間を過ごせました。

【山頂の様子】    

【幌尻岳山頂】  

【北方の眺め 中央手前に戸蔦別岳 中央左奥北戸蔦別岳 中央右奥ピパイロ岳 右端に伏美岳】   

【左奥に夕張岳 右奥に芦別岳】   

【奥にうっすらと大雪山系の山々】 
 
【東カールを見下ろして】 

【左から中央左にかけて 十勝幌尻岳〜札内岳〜エサオマントッタベツ岳 右奥にカムイエクウチカウシ山】  

【カムイエクウチカウシ山】  
 
【エサオマントッタベツ岳】 

【中央奥のカムイエクウチカウシ山を中心に 中央右奥には1839峰も】 
 
【中央に幌尻湖 左奥にカムイエクウチカウシ山 右にイドンナップ岳】 

【下りの稜線】   
 山頂からは、北方に夕張岳芦別岳、うっすらとながら大雪山系を眺めることができました。また、南に目を凝らすと、十勝幌尻岳、札内岳、エサオマントッタベツ岳などがよく見えると同時に、カムイエクウチカウシ山もはっきりと見ることができました。今回幌尻岳に登った目的の1つが、日高山系の最高峰から300名山の中では最難関の山になると思われるカムイエクウチカウシ山を眺めるということがあったのでうれしかったですね。

 1時間程はのんびりしていたいところでしたが、下りも長い道のりとなりますので、30分程で切り上げて下山開始です。

【ミヤマアズマギク】  
 
【ミヤマギキョウ】 
 
【稜線を眺めて】 

【幌尻山荘へ】   
 既に9月も半ばになるという時期でしたが、花もちらほら見ることができました。確認できたのは、ミヤマアズマギクやミヤマギキョウでした。花に詳しい方ならもう少しいろいろな花を見つけられたかもしれません。

 幌尻岳との別れを惜しみながら稜線を下って行きます。稜線の景色がなくなって樹林帯に入ると一気に下って行き幌尻山荘へ到着です。ここで、デポした沢靴と水を拾って沢靴に履きかえると再び出発します。登りでだいたい要領がわかっていましたので、なかなか楽しかったです。いい時間になりつつはありましたが、取水施設まで行ってしまえば後は林道歩きですので、あまり焦ることはなかったです。

【再び渡渉を繰り返して】  
 
【長い長い道のりを終えて】
 沢靴から登山靴に履き替えて、登りで慎重に歩いた岩のトラバースを過ぎると取水施設に到着です。ここからは、長い林道歩きになります。歩きやすい道とはいえ、さすがに疲れて来たかなという感じでした。一気に下ってという思いもありましたが、翌日以降もありますのであえてペースを落として歩いて行きました。そして17時過ぎにようやく駐車場に到着です。

 結局体力を温存する余裕まではなかったにせよ、翌日以降にあまり響かない程度で歩けたのは良かったと思います。また、山頂からは日高の山々、特にカムイエクウチカウシ山を見ることができたのは、今後に向けていいモチベーションになったと思います。
 幌尻岳は、額平川の水位さえ低い時を選べば特別な難所というのはないと思います。本文中に書いたように、渡渉地点前の岩のトラバースは濡れている時は要注意だとは思いますが。そういう意味では思っていたよりは歩きやすかったです。渡渉についてもフル装備な人が多かったですが、水の中で滑りにくい靴を履いていれば、後の特別な装備はどうしても必要ということはないでしょう。今後沢登りをする可能性があるのであれば、この際そろえてしまった方がいいかもしれませんがね。自分の場合、翌日以降の神威岳・ペテガリ岳などの山々のことを考えると、せめて沢靴はもう少ししっかりしたものを買っておけばと思いました。

 一方で、行程が長いうえに幌尻山荘の予約が取りにくいこと、北海道在住の方以外は北海道に行くこと自体がなかなか大変であること、額平川の渡渉がある関係上かなり天候に左右されるという意味では登る条件が厳しい山かなと思います。ただし、この日は歩いている人も少なく(特に日帰りは自分だけだったかもしれません)、幌尻山荘は満員ではなかったと思われますので、可能であれば、9月の連休以外を狙えば予約は取りやすいかもしれませんね。

 今回は1週間前まで天気予報をにらみつつ、天候の良い前半に日高の山々を持ってきました。なんとか登って来られれば御の字だと思っていた山行が、これほど充実した山行になるとは思ってもいませんでした。疲労は残ったとは思いますが、幸先の良い北海道遠征スタートとなったのではないかと思います。


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