かみこうちだけ・ひじりだけ
 上河内岳・聖岳
     登山日: 2010年10月16日(土) 〜10月17日(日)
     標高:2803m(上河内岳) 3013m(聖岳)  累積標高差 : −m(便ヶ島から約2000m)


 10月16日(土)     便ヶ島 5:05 → 西沢渡 5:50 → 薊畑 9:15(〜30)
   →  聖平小屋 9:45(〜10:15) → 南岳 11:15(〜25)
   →  上河内岳 12:00(〜30) → 南岳 13:00 → 聖平小屋 14:05
   
10月17日(日)   聖平小屋 5:30 → 薊畑 5:50 → 小聖岳 6:30
   →  聖岳 7:20(〜35) → 奥聖岳 7:50(〜8:10) 
   →  聖岳 8:25 → 小聖岳 9:05 → 薊畑 9:30(〜40)
   →  西沢渡 11:50 → 便ヶ島 12:20

 

 この週末は上河内岳・聖岳に登ります。当初はお盆の頃に登る予定だったのですが、悪天候が続いたために日帰りできる山に切り替えた経緯があります。今回、日曜日は少し雲が多めになりそうではあったものの雨は降らなさそうであったため、この山行を決行することにしました。時期的にも今年最後のアルプス、そして3000m峰になりますね。

 さて久々のテント泊と言いたいところですが、この時期は小屋が閉まった後、きれいな冬期避難小屋が開放されているうえに、冬用シュラフ等を持っておらず防寒対策に懸念があったので、念のためにテント泊装備で向かうものの避難小屋泊予定としました。 

【左:一般駐車場 右:車中泊用駐車場 正面左に登山口】 
  
【一般駐車場(下山時)】
 水場については、凍っている可能性があるとのことでしたが、さすがにこの時期はまだ凍ってないだろうとは思ったものの、沢の水を直接使うようで勝手がわからなかったので、結局2日分の4.5リットルの水を担ぐことにしたのでした。この時期は寒い一方で、麓も涼しくなってきているので行動用の水が少なめで済むのはありがたいことですね。

 さて、登山口までは152号線を通って長野県境を越えて遠山郷に入ります。先週の塩見岳を始め、池口岳や奥茶臼山などに登る時にお世話になったルートですね。上島トンネルを過ぎたところを曲がるということで、看板もあったこともあり、林道に入る道は割とすんなりとわかりました。 

【登山口(下山時)】 

【トンネル(下山時)】 
 
【道中の滝(下山時)】
 問題はその後で、しばらくは舗装された道が続くのですが、やがて道が荒れていたりダートになったりで、便ヶ島手前では苦労しました。ちなみに舗装された道も合わせると152号線からは20キロ以上走る必要があります。結局思った以上に時間がかかってしまいました。

 光岳の登山口である易老渡を過ぎて間もなく林道の終点になります。ここには聖光小屋があるのですが、林道の突き当たりを左に曲がると一般駐車場、右に入ると車中泊用の駐車場があって1泊500円となっていますが、トイレなどの設備があるようです。自分は少し仮眠をとったら出発する予定でしたので、一般駐車場にとめました。なお、この林道の突き当たりに登山口があります。 
 結局駐車場に着いたのが午前3時半頃でしたので、1時間程しか仮眠をとれずに準備をして出発します。1日目も上河内岳に登る予定であったことから、暗いうちからの出発にしたのでした。

 ヘッドランプを付けて登山口から歩き始めます。遊歩道でもあるようで、道はよく整備されて歩きやすくなっています。途中トンネルをくぐって進んで行きます。行きは暗がりで気づきませんでしたが、道中滝を見たり渓谷の景色を楽しみながら歩いて行けるコースのようです。しばらく歩いて行くと西沢渡に到着です。
 
【よく整備された道(下山時)】
 
【渓谷の眺め(下山時)】 
 
【ワイヤーで引くロープウェイ】
 
【造林小屋跡】
 西沢渡にはロープウェイがあって、増水時にはこのロープウェイを使って渡っていいようです。この日は川にかけられた木の橋を普通に渡れましたので使いませんでした。かなり増水していなければ、普通に橋を渡ることができると思います。ちなみに西沢渡には標高1098mの看板がありました。1100mとしないところが実に細かいですね。

 渡渉後は徐々に本格的な登山道となってきます。歩いて間もなく造林小屋があって、この裏手の上りから徐々に高度を稼いで行きます。しばらく登って行くと1200mの標高を示す看板がありました。この看板は200mごとにあります。薊畑までずっと高度を稼いで行きますのでいい目安になりますね。

【本格的な登山道へ】 

【1200m地点 200mごとに看板有り】
 
【最後の標高看板】
 途中少し幅の狭いトラバース道を歩く場所もありますが、概ね歩きやすい樹林帯の道が続きます。標高も着実に稼いでくれますので、標高の看板と合わせると現在地の目安がついて、単調な上りの割にはモチベーションを維持しながら登ることができました。むしろ問題は水も余分に担いだテント泊装備で、久しぶりに担いだところ重くて重くて本当に大変でした。夏場に頻繁にテントを担いでいた頃は結構慣れてきたように思っていたのですが、まだまだ甘かったようです。聖平小屋まで担げばいいというのが救いでしたね。

 最後2200mの標高の看板が現れた後、さらに100m以上標高を稼ぎつつ歩いて行くとぱっと視界が開けます。その開けた先に薊畑の分岐があります。 

【視界が開けて】 

【薊畑分岐 奥が便ヶ島 右が聖岳 手前が聖平小屋方面】
 薊畑は聖岳方面と上河内岳・聖平小屋方面との分岐になっています。ここは、視界が開けているうえにベンチなどもあって休憩するにはうってつけの場所です。聖平小屋でも荷物整理などで休憩する予定だったのですが、ここでものんびりしてしまいました。

 今回登る上河内岳と聖岳をじっくり眺めたら聖平小屋へ向かいます。薊畑からは、緩やかに下って行きます。このあたりはかつてニッコウキスゲが見られたそうですが、現在は全滅してしまったとか。道中復元の実験地がありました。やがて聖平小屋分岐へ到着です。
 
【聖岳】 
 
【上河内岳】 

【聖平小屋への下り】
 分岐は、そのまままっすぐ行くと上河内岳、左に折れて木道を100m程歩くと聖平小屋へ到着します。まずは、サブザックに切り替えるために聖平小屋へ向かいました。

 聖平小屋前では、既にいい時間であるにも関わらずのんびり食事を取っている人がいました。よくよく見るとなんと知人でさすがに驚かされました。先方もこちらが登山をしていることを知らなかったので驚いていましたね。鹿の調査のためしばらく滞在しているとのこと、まさかまさかのサプライズでした。

【道中の紅葉した木】

【左が聖平小屋 奥が上河内岳方面】 

【小屋への木道から聖岳(奥)を眺める】  

【聖平冬期小屋】 

【小屋前テント場】 

【既に閉鎖している聖平小屋 この左に冬期小屋】  
 聖平小屋は既に今年の営業期間を9月20日で終えているのですが、冬期小屋は開放されていますのでこれを利用することにします。冬期小屋といっても、営業期間中は普通に使われている小屋ですので中はきれいなものですね。先ほどの知人達を除くと一番乗りで小屋に到着したようでしたので、好きな場所を確保することができました。サブザックの準備ができたら上河内岳に向かいます。

 先ほどの聖平小屋分岐まで戻って上河内岳方面に向かって歩いて行きます。 

【冬期小屋内部】  
 
【急登を進む】 

【聖岳の紅葉した斜面】 

【聖岳】 
 
【縁を歩く】
 上河内岳への分岐に入った後は、しばらくは樹林帯の緩やかな上りを歩いて行きます。やがて、ザレた道の急登になって高度を稼いで行きます。このあたりからは森林限界を超えますので、振り返るとどっしりとした聖岳を見ることができます。途中崩壊地の縁を歩くときは気をつけて登って行きました。

 聖平小屋から1時間程度歩くと南岳山頂に到着です。この南岳から再び下って行くのですが、この鞍部が少し広々としていて紅葉がきれいでした。紅葉をバックにした上河内岳もまたいいものです。
 
【ザレた道の上り】
 
【南岳山頂】

【奥に富士山 左に笊ヶ岳と布引山】 

【上河内岳】  

【紅葉した木々】  
 
【上河内岳肩への上り】 
 鞍部からは上河内岳へ向けて再び登って行きます。この少しザレた道を登って行くとやがて上河内岳の肩と呼ばれる場所に出ます。上河内岳山頂は稜線から外れていて、この肩から登って行くことになります。

 肩からは20分弱登って行くと山頂に到着です。そこには遮るもののない360度のパノラマが待ち受けています。指先のきちんと覆った手袋を小屋に置いてきてしまったので、強風による寒さが少し応えましたが、素晴らしい展望がしばらく全てのことを忘れさせてくれました。

【肩付近からの南アルプス南部三山(聖岳・赤石岳・荒川岳)】  

【上河内岳肩】  
 
【肩から山頂へ】 

【山頂の様子】   

【山頂付近より肩を見下ろす】
 

【上河内岳山頂と聖岳】 

【茶臼岳〜光岳へ続く稜線】  

【中央に大無間山と右に大根沢山】  

【雲海の中の富士山】  
 
【笊ヶ岳と布引山】  

【正面に聖岳】   
 
【再び聖岳・赤石岳・荒川岳の三山】  

【ザレた道を下って】   
 南アルプスの展望台と呼ばれているだけあって、南は光岳や大無間山、東には富士山や笊ヶ岳・布引山、北には聖岳・赤石岳・荒川岳を望むことができました。さらには、この日は他にこの山に登る人がいなかったのか、本当に静かな一時を過ごすことができたのでした。本当に名残惜しかったのですが、30分程したら聖平小屋への下山を開始しました。

 下る途中はずっと聖岳を正面に眺めることができます。午後2時過ぎには小屋に到着です。休憩中の知人からも鹿の話が聞けて充実したのんびりとした時を過ごすことができました。
 
【下る道中から聖岳】  

【聖平小屋分岐より南岳と上河内岳】   
 

【薊畑付近からの聖岳と小聖岳】
 冬期小屋はあまり泊まる人がいないのかなと思いましたが、結局調査の人を含めて10人程になりました。2階もあるので、十分な余裕はありましたが。外ではテントが2張ありました。聖岳が百名山であることを考えれば、天気の良い土曜日でこのくらいですから静かなものかもしれません。なお、きちんとした水場はなく沢の水をそのまま使うようでしたので、結局持ち上げてきた水で済ませました。小屋の蛇口は、営業期間終了と同時にとめてしまうのでしょう。

 やはりこの時期のこの標高は結構冷え込むようで、明け方は0度近くまで下がっていました。3シーズン用の寝袋で寒かったのですが、着込めるだけ着込んで、靴下を二重に履いてなんとか凌ぎました。
 早い時間に寝ましたので、朝も暗いうちに出発と思ったのですが、誰も動き出す気配がないうちにだらだらしてしまって結局いい時間になってしまいました。5時前に起きて、まだ暗い時間だとはいえ前日よりも遅い5時半頃に出発しました。

 まずは薊畑分岐まで登り返します。小屋に荷物を置いてとも考えたのですが、小屋まで何度も上り下りするのもと思い薊畑に荷物をデポして聖岳を目指すことにします。薊畑に着いた頃には夜が明けてきました。ただし、この日は曇っていてずっと薄暗い状態のままでした。サブザックの準備ができたら、まずは小聖岳を目指して登って行きます。
 
【小聖岳へのザレた道】

【小聖岳山頂】   

【小聖岳を過ぎたあたりからの聖岳】   

【やせ尾根を歩く】   

【小聖岳を振り返る】   
 まずは、樹林帯の道を登って行きます。やがて、徐々に視界が開けてきて森林限界を超えたと思われるあたりからはザレた上りとなります。この道を登って行くと小聖岳に到着です。聖岳前衛の山ということもあって、見事な聖岳を正面に眺めることができます。

 小聖岳からは、やせ尾根を進んで行った後、ザレた急登が待ち受けています。小聖岳との標高差は350m程ありますので、結構な上りが続きます。上りは上りで大変なのですが、このザレた道を下るのも大変だなと思ったのでした。なお、やせ尾根に入ったあたりからは、徐々に強風が吹き荒れてきて体感温度はかなり低かったように思えます。

【ザレた急登を振り返って】  
 
【山頂手前付近】  
 ザレた急登を登りきると聖岳山頂に到着です。山頂は思っていた以上にだだっ広くて、周囲には見事な展望が広がっています。曇ってはいましたがガスは出ていなかったので、雲のかかっていた上河内岳以南以外のだいたいの山は見えていたのではないでしょうか。上河内岳も後で見えるようになりました。

 登りでも結構な風が吹いていましたが、山頂は特に強烈で、あっという間にカメラのシャッターがきれなくなるほどに指の感覚がなくなってしまいました。指先以外は動いているうちは大丈夫でしたので、写真を撮りつつ奥聖岳に向かいました。

【山頂の様子】

【山頂の看板と赤石岳】

【山頂からの富士山】 

【北アルプス】   

【槍穂の山並み】  

【奥聖岳への道】  

【奥聖岳との間の鞍部】  

【奥聖岳山頂】  
 奥聖岳への道は、聖岳から下るあたりが岩がごろごろの道で歩きにくかったです。その後、少し広々とした鞍部を通って、最後僅かに登ると奥聖岳山頂に到着です。ぱっと見たところでは、三角点はありますが特に看板などはないようです。こちらも見事な展望で、赤石岳と冬期ルートの通る東聖岳が眼前に聳えていて迫力がありました。

 写真を一通り撮ったら、強風による寒さが半端なかったので、あまり風の当たらなかった鞍部に戻って休憩することにしました。チングルマのお花畑があるというのは恐らくこのあたりなのでしょう。

【東聖岳】   

【上河内岳】    

【赤石岳】    

【鞍部から聖岳を眺める】  
 
【薊畑分岐へ】  
 風の当たらない場所があったおかげで、エネルギーの補給と体の温め直しができたわけですが、やはり風が再び当たると寒いものです。後から聖岳に登ってきた人はすぐに下って行きました。自分も聖岳に戻った後はすぐに下り始めます。

 ザレた道ですのでゆっくり下って行きましたが、九十九折れに道ができているので、意外と順調に下って行けたように思えます。小聖岳付近まで下ってくると、風も弱まってきます。その後、さらに下って行くとむしろ暑く感じてしまうほどでした。風による体感温度の差は結構なものです。薊畑分岐まで戻った後は、荷物を整理し直して便ヶ島への長い下りに入ります。
 思ったよりも早く戻ってきましたので、標高を見ながら定期的に休みつつ下って行きます。薊畑からは1000m以上下ってくるわけですが、基本的には歩きやすい道が続いていますので順調に下って行きます。西沢渡からは景色を楽しみながら12時過ぎには駐車場に戻ってくることができました。

 1日目は誰もいない上河内岳からの大展望を楽しみ、2日目は曇ってはいたものの最南の3000m峰である聖岳に登ることができて充実の2日間を過ごすことができました。いつかこの2山もつなぐ縦走をしてみたいとの思いを強くしたのでした。

【登山口へ】  
 


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