しろうまだけ・ゆきくらだけ・あさひだけ
 白馬岳・雪倉岳・朝日岳(2〜3日目)
  登山日: 2011年7月16日(土)〜7月18日(月) 
  標高:2766m(小蓮華山) 2932m(白馬岳) 2768m(丸山) 2611m(雪倉岳) 2418m(朝日岳)    
  累積標高 約4200m(兵馬の平付近から白馬岳まで約1700m)


 7月16日(土)    栂池駅 7:25 → 天狗原 8:40 → 白馬大池山荘 10:15(〜40)
   小蓮華山 12:20(〜35) → 白馬岳 13:50(〜14:15)
   頂上宿舎 14:30 → 丸山付近散策
 
 7月17日(日)   頂上宿舎 4:00 → 白馬岳 4:25(〜5:25) → 三国境 5:50
   雪倉岳避難小屋 7:10 → 雪倉岳 7:50(〜8:00) → 水平道分岐 10:00 
   朝日岳 11:05(〜40) → 栂海新道分岐 12:05 → 花園三角点 14:05
   渡渉地点 15:00(〜40) → 蓮華温泉キャンプ場 17:40 → 蓮華温泉
 
 7月18日(月)    蓮華温泉キャンプ場 4:25 → 蓮華温泉 → 天狗の庭 6:10(〜25) 
   白馬大池山荘 7:20(〜35) → 栂池駅 10:10

 

 2日目の朝を迎えます。今回の山行については、3泊4日にするか2泊3日にするかで迷っていましたが、乗鞍岳からの雪渓と岩のごろごろした道を考えると、あまり天気が荒れた時には通りたくないということで、かなり厳しいですが2泊3日の行程とすることにしました。3泊4日であれば1日あたりの負担は比較的均等になるのですが、2泊3日の場合、朝日小屋から蓮華温泉間に小屋(もちろんテント場も)がないので、どこかの1日は2日分歩く必要があります。天気が悪化するかもしれない3日目に長い距離は厳しいので、この2日目が2日分歩く正念場となりました。蓮華温泉までの道が開通するのを待てば、普通に2泊3日で歩ける距離ですが、栂池を拠点とするとなかなか厳しいものがあります。
【白馬岳への道(前日夕方撮影)】
 
【夜明け前の地平線】
 朝は白馬岳で御来光が見られるように早い時間に出発します。そのまま白馬岳を越えて行きますのでテントも収納したわけですが、思ったより時間がかかってしまい結構ぎりぎりの時間に出発となってしまいました。丸山から眺めるのであれば、急ぐ必要もテントを収納する必要もないのですが、せっかくなので一番高いところからということと、そのまま縦走するために白馬岳で御来光を待つことにしました。なお、剱岳立山などの南方向の眺めであれば、丸山の方が近くていいかなと思います。

 4時にようやく出発です。やはり白馬岳に登る人は多かったですが、すれ違って丸山に向かう人も結構いました。朝から重いテントに喘ぎつつもなんとか夜明け前に白馬岳に到着できました。

【夜明け前の富士山】 

【夜明け前の剱岳立山】 

【御来光】 

【夜明けの杓子岳・鑓ヶ岳方面の眺め】 

【杓子岳・鑓ヶ岳と御来光を眺める人々】 

【夜明けの剱岳立山と月】 

【丸山と剱岳立山】 

【夜明けの太陽と雲海】 
 
【夜明けの太陽と山頂で御来光を眺める人々】

【槍穂の山並みもくっきりと】 

【南方の眺めと雲海】 

【小蓮華山への稜線 左奥に雪倉岳】 

【雪倉岳分岐】
 展望がクリアだったこともあり、夜明け前後の周囲の山々の眺め、御来光と本当に素晴らしい眺めでした。今回の山行で、展望としてはこの白馬岳からの早朝の眺めに期待していただけに、本当に満足の行く時間を過ごすことができました。御来光を眺めた人達が次々と出発して行った後も景色を眺め続けて、結局1時間も山頂にいたことになります。ちなみに山頂はやや肌寒い程度で、とても2900mを超える場所の朝とは思えない気温でした。それも長居させた要因だったと思います。ただし、この暖かさが後になって猛烈な暑さとなって返ってくることになります。

【雪倉岳へ続く稜線】 

【ザレた道を歩く】
 すっかり夜が明けた頃、雪倉岳、朝日岳に向けて出発します。最初は昨日登って来た道を下って行きます。30分弱歩くと分岐がありますので、ここを雪倉岳方面に入って行きます。こちら方面はだいたいが小蓮華山から白馬大池に向かう人ですので、この分岐からは静かな山歩きとなります。蓮華温泉まで入れない状態なのも余計歩く人が少なくなる要因でしょう。それでも、やはり海の日3連休だけあってぼちぼち歩いている人はいました。

 分岐からなだらかな道を少し歩くと、ザレた下りになります。ここを慎重に下って行くと鉢ヶ岳との鞍部に出ます。

【歩いて来た道を振り返る 白馬岳は右奥】 

【鉢ヶ岳と雪倉岳】 

【雪倉岳】 

【雪渓を登る】
 鞍部からはそのまま鉢ヶ岳の手前を巻きながら進んで行きます。所々雪渓をトラバースする箇所もありますが、きちんとカットされており傾斜もそれほど急ではないので慎重に歩けば問題ないでしょう。雪渓を登る箇所もありました。

 鉢ヶ岳を巻いて進んで行くとやがて開けた場所に出て雪倉岳を正面に迎えるようになります。そして雪倉岳に向けて少し登ったあたりに雪倉岳避難小屋があります。この避難小屋はトイレもあって便利ですが、ガイドによると非常時のみ利用することとなっています。

【雪倉岳への道】 

【雪倉岳避難小屋】
 避難小屋で一休みしたら雪倉岳への最後の登りに取り掛かります。この登りは急登で一気に標高を稼いで行きます。九十九折れになっていて、歩きにくい道ではないのですが、気温も上がって来ておりなかなかしんどい登りとなりました。

 急登を終えて山頂に到着と思いきや、その後なだらかなアップダウンを経てようやく雪倉岳山頂に到着です。山頂からは見事なパノラマの景色が広がっていますが、手前になだらかな道が続くので、白馬岳方面を眺めるのなら、山頂手前当たりがいいかもしれません。なかなかの眺めですが、雪倉岳に到着した人達はすぐに出発して行く人が多かったです。それだけ長いルートを歩く人が多いのでしょう。

【雪倉岳への急登】 
 
【急登を登り終えたあたりから振り返って】

【山頂へのなだらかな稜線】 

【山頂手前より 左に白馬岳と旭岳 中央右に清水岳 山の間より立山と剱岳も】 

【白馬岳と右に旭岳】 

【山頂の様子】

【山頂碑】

【雪倉岳からの朝日岳】 

【剱岳】 

【白馬岳】 

【朝日岳に向けてザレた道を下る】 

【ミヤマムラサキ】
 雪倉岳からの展望も見事ですが、本日はまだまだ先が長いので適当に休憩を切り上げて出発です。雲で覆われつつある朝日岳に向けて、最初はザレた道を下って行きます。歩きやすい道ではありますが、背後から降り注ぐ日差しはだんだん強くなって来ました。正直、朝日岳への登りでは雲で覆われているくらいでちょうどいいかなと思っていたくらいです。

 雪倉岳直下にはあまり植生が見られないのですが、少し下ると徐々にさまざまな花を見ることができます。特にニッコウキスゲは随所にお花畑を作っていて見事でした。ニッコウキスゲは、朝日岳を通って蓮華温泉に向かう途中でもよく見かけました。 

【朝日岳と手前の赤男山】 

【ニッコウキスゲ】

【チシマギキョウ】

【タカネバラ】 
 下って行くと、立派な山容を持った朝日岳が徐々に赤男山の後ろに隠れるようになり、下りきったところでは赤男山の正面に出ます。ここからは、赤男山をトラバースして進んで行くことになります。

 このトラバース道は、これまでの稜線の道と違って、ザレた道があったり、小刻みなアップダウン、木の根の道などやや歩きにくい道もあります。このトラバース道を抜けると木道があり、やや開けた場所を歩いて行きます。この木道沿いも湿地帯などがあって、あちらこちらでお花畑を形成していました。

【赤男山と重なるように朝日岳】

【岩がごろごろの道を越えて】 

【見えているのは清水岳あたりでしょうか】 
 
【木道歩き】

【ミズバショウ】 

【雪渓を越えて】 
 木道を中心とした道を抜けて行くと、ようやく眼前に朝日岳が迫って来ます。遠方からは結構ガスに覆われているように見えましたが、近くで見るとそれほどでもないようでした。さらに進むと、ようやく朝日岳への取付きに出ます。ここは朝日小屋へ向かう水平道と呼ばれる道との分岐になっています。ただし、水平道は残雪のため通行禁止になっており、小屋へ行く人も一度朝日岳に登らなければなりません。なお。水平道はまだまだ雪がありそうでしたが、海の日3連休が終わって間もなく通行止めが解除されました。ただし、雪が多く雪が溶けるまでにはもうしばらくかかるとのことでした。 

【一部ガスに覆われた朝日岳】

【通行止めの水平道 すぐ右に朝日岳へ登る道】

【急登が続く】
 朝日岳へ登る前に、取付き地点で休憩を取りました。ちょうど雪渓の脇になるので涼しくて気持ちが良かったです。持っている飲み物もついでに冷やそうかとも思ったのですが、さすがにそこまでの時間はありません。汗がある程度引いたら朝日岳への登りに取り掛かります。

 予想していたとはいえ、強烈な日差しを浴びながらの登りとなります。この登りは本当に厳しく、雲に覆われていることを期待していたのですが、見事な青空で太陽の光を遮るものはありませんでした。ところどころにある樹林帯や雪渓脇などでの休憩を挟みながら登って行きました。 

【雪渓があっても暑さは変わらず】
 
【山頂直下の木道】

【コバイケイソウ】 

【蓮華温泉分岐(右) 山頂は左】 

【朝日岳山頂】 
 山頂直下に近づくと木道になります。この緩やかな木道を登って行くと分岐があります。ここを右に折れると蓮華温泉及び栂海新道への道になります。山頂はここを左に入って間もなくです。こうして、暑さに耐えてようやく山頂に到着です。それでもコースタイムよりは結構早かったようです。

 山頂では、白馬岳付近からだいたい近くを歩いていた女性の方とおばあさんお二人も次々と到着して山談義に話が弾みました。これから栂海新道を歩くとか、不帰キレットを縦走してきたとかという頼もしい話ばかりで、ここまでの登りも、暑さでばてばてだった自分と違って、結構しっかり登って来られたようでした。

【広々とした山頂付近】

【白馬岳方面の眺めは雲の中】 

【尾根道を緩やかに下る】
 時間を忘れて話をしていたのですが、3人の方はこの日はそのまま朝日小屋に泊まるのに対して、自分はまだ1日分を歩かないといけませんので、名残惜しみつつも先に失礼させてもらうことにしました。

 まずは分岐まで戻った後、尾根道を緩やかに下って行きます。しばらく歩いて行くとちょっとしたスペースがあって栂海新道分岐となっています。ここにはベンチなどもあるのですが、4〜5人程の方がベンチで寝て休憩をしていました。自分は休憩後まだあまり歩いていなかったので、そのまま蓮華温泉方面に向かいました。

【栂海新道分岐 新道は左奥へ 蓮華温泉は右へ】

【分岐案内標識】 

【雪渓歩きが続く】 
 分岐を過ぎて間もなく雪渓のトラバースがあります。これは、栂海新道分岐手前当たりから見えていて、かなり気になっていたところでした。斜度はそれほどでもなく、赤ペンキでマーキングされており、雪面もカットされているので慎重に歩けば問題ないでしょう。ただし、自分は不慣れなこともあって、下って行くトラバース道には少し手こずってしまいました。

 豊富な残雪が潤しているのでしょうか、随所にお花畑があって、分岐直後ですとハクサンイチゲやハクサンコザクラのお花畑がありました。時間があれば、じっくり眺めていたいお花畑ばかりでした。

【ハクサンイチゲのお花畑】

【雪渓の残った歩きにくい箇所】 

【ベンチ付休憩所】
 その後も随所に雪渓が出てきます。積雪量が多かったというよりも、北アルプス最北になりますから元々積雪量が多いのかもしれません。歩きにくい箇所こそありますが、急傾斜になっている箇所はなく危険なところはあまりないと思われます。

 やがて木道になり、ベンチの設置された休憩所があったので休憩を取ることにします。木道を設置した時に併せて作られたようです。

 休憩所を過ぎたあたりにガイドでは水場マークがあったのですが、無事に見つけることができました。水場の脇に木製構造物があるのが目印でしょうか。水はまだ持ちそうでしたが、散々暑さに悩まされていただけに冷たい水は本当に生き返らせてくれました。 

【生き返った水場】

【小川の上を歩く場所も】 

【ザレたトラバース道】
 ちなみに午前中体力を消耗させられた強い日差しは、蓮華温泉に向かうあたりからは雲やガスに覆われてほとんどなくなっていました。この時の自分には正直助かりました。テントを担いでの長丁場を凌げた最大の要因の1つだったと思います。

 水場を過ぎた後は、小川の上を歩くような場所があったり、崩れそうなザレた道をトラバースして行く場所などがありました。危険箇所こそありませんが、湿原付近の木道を除けば、 結構歩きにくい道も多いです。テント泊装備で疲れて来ていたこともあるでしょう。

【ダケカンバの森へ】

【ガスのかかったザレた尾根道】 

【湿原と木道 左下へ続く木道が水場へ】 

【貴重な湧き水の水場】
 やがて、ダケカンバの森の中に入って行きます。逆にこの付近までは森らしいところはほとんどありません。ただし、このダケカンバの森もしばらく歩くと開けた場所に再び出ます。ザレた尾根道をやや下って行くと木道と広々とした湿原が現れます。

 この湿原の入口にも湧き水の水場があって、冷たくておいしい水が出ています。先ほど水場を利用したばかりなので、ここではあまり水は取りませんでしたが、このルートを通る時どちらかの水場が使えれば結構助かるのではないでしょうか。

【ニッコウキスゲ】

【ワタスゲ】 

【木道は続く】
 湿原は入口付近こそあまり花が見られませんでしたが、少し歩くと随所に花が見られます。朝日岳を下るあたりからはデジイチをしまって歩くのに専念していましたが、この付近では少し余裕があったので、コンデジですが少し花を撮って行くことにしました。古いコンデジで、マクロ機能もとりあえずあるという程度なのですが、意外と撮れるものだなと妙なところに感心していました。

 この湿原の前後はさまざまな花が咲いていましたが、やっぱり数多く咲いていて印象深かったのはニッコウキスゲでしょう。この黄色い花はガスのかかった景色の中でもよく映えます。 

【ヒオウギアヤメ】

【キンコウカ】  

【オオバギボウシ(コバギボウシ?)】
 この湿原を抜けて行くと花園三角点と呼ばれる三角点があります。花園とはこの湿原を見立てているのでしょうか。この付近までは気持ちの良い木道歩きでしたが、やがて樹林帯に入って行きます。

 樹林帯に入ると一気に下って行きます。実は下調べ不足だったのですが、この日の目的地である蓮華温泉の標高が1470mであるのに対して、一旦1200m付近まで下って行くことになります。蓮華温泉よりは一旦低いところまで下ることはわかっていたのですが、この標高差を少し軽く見ていたために後で苦労することになりました。

【チングルマ】 

【花園三角点 右手に三角点あり】 

【樹林帯の下り】 
 樹林帯の道は、明瞭ではありますが、落ち葉や滑りやすい岩、えぐれた道となっており、やや歩きにくい道となっています。ちょっとした岩を越えたり、木の根を下ったりとなかなか飽きさせない道となっており、下りの割には苦労しました。

 樹林帯を抜けると沢沿いの岩のごろごろした道に出ます。岩の上を歩くため、ペンキマークを頼りに進んで行きます。少しわかりにくい箇所もありましたが、特に問題なく進んでいるだろうとこの時は思っていました。この道中で道を誤っていますが、恐らく少し勘で進んでいた場所があったのでそこかもしれません。この日というより今回の山行で最大のミスを犯すことになります。 

【えぐれた道】 

【沢沿いの岩のごろごろした道へ】 

【ペンキマークはあるがここまで来た時点で誤り】
 やがて、大岩の間をすり抜けるような場所があって、その下の砂地に足跡があったのでそこを歩いて行きます。しかし、その先は踏み跡かなと思う場所はあってもマークがありません。そこで振り返ってみると、大岩の上に橋をかける場所がありました。ここはガイドで季節限定の橋がかかることは把握していましたからここのことだと思いました。

 実際少し戻るとその橋の部分に誘導するペンキマークがあります。しかし、肝心の橋がありません。ここで、蓮華温泉への道が通じていないからまだ橋をかけてないに違いないと邪推したのが誤りでした。さらに、もしかしたら上流に渡れるルートがあるのかもしれないと、上流にばかり目を向けていたのも問題でした。少しでも下流に目を向けていたら展開は変わっていたでしょう。  

【一昨年くらいまで夏季のみ橋がかけられていた場所】 

【深くて断念した場所】
 再び大岩の間をくぐり抜けて渡れる場所を探しますが、水量が多く、少し遡った程度ではそのまま渡れそうな場所はありませんでした。最後にダメを押したのがGPSでした。余程の時でなければ使うことはないのですが、この時はさすがにGPSで確認することにしました。すると、ルートはやはりここになっています。古いルートをそのまま辿らせているわけですから当然の結果となります。

 ここに至っては、意を決して渡渉することにしました。先ほどの橋のかかってない岩の奥にペンキマークが見えていたので、渡渉してそこまで行ければ大丈夫だろうと思ったのでした。

【渡渉地点】 
 
【岩のごろごろした場所の向こうに(旧)本道】

【ペンキマークははっきりと】 
 最初は下流のやや川幅の狭い場所を取りましたが、腰よりも深いために断念して少し上流地点に向かいます。既に靴を脱いで裸足になっていて、裸足で岩場を歩いていたので危険だったと思います。結局、少し上流のやや川幅の広いところで、ストックで深さを測りながら渡ります。深さは太もも付近、流れは厳しそうに見えましたが、ほとんど水の圧力を感じることなく渡ることができました。ただし、水はかなり冷たくて、これ以上長い時間浸かっていたら痺れてしまいそうなくらいでした。

 渡渉後は足を拭いて乾かしつつ休憩をします。そして靴を履いて準備をしたら出発です。この歩き始めて下流を見た瞬間にほっとしたのも束の間、再び不安を感じてしまうものを見てしまいました。なんと立派な橋が下流にあったのです。

【崩壊した道】 

【崩壊した斜面を越えて】 

【新たに設置された永久橋】
 再渡渉も考えましたが、橋をきちんと設置して道を付け直しただけで、こちらもきちんとつながっているだろうと前向きに考えます。実際、少し藪っぽいところを抜けて登山道に合流すると、きちんとペンキマークが付いていました。

 しかし、しばらく歩くと登山道が途切れます。斜面が崩壊して、道が途切れていたのでした。崩壊したとはいえ、川沿いのルートは通れそうなのでそのまま進みます。途中、斜面の柔らかい砂地を踏み込んで1m程下に岩と転がりましたが、なんとか抜けることができました。その後も、左手に橋を眺めながら進みます。崩壊地点を過ぎた後は、特に問題なく本道に合流することができました。この橋は登山道の崩壊により設置されたのでしょう。

【木道を歩く】

【吊橋を渡る】

【ここは高さがあります】
 無事には抜けましたが、これほど猛省すべきこともないでしょう。渡渉はまだ慎重に見極めて渡ったから良かったとは思うものの、崩壊した斜面は勢いで通過しており大事故にもつながり兼ねませんでした。 この時は、そこまで深く考える時間もなかったので、樹林帯に入って少し休憩をした後さらに先に進みます。

 ここで皮肉だったのが、渡渉で足が冷やされてアイシング効果があったのか、疲労感がかなり抜けた感じがしたということです。実際は疲労が抜けたわけではないと思いますが、その後はしばらく快調に歩くことができました。その後さらに下って行き、最も標高が低くなるあたりで吊橋を渡ります。ここまで来ると悪い想像ばかりしていたのですが、当然橋はきちんとかかっています。この高さでは橋がなければ無理でしょうがね。 

【樹林帯を登り返して】 
 
【土砂降りと日光の中で】

【到着した時にほっとさせられたアヤメ平(兵馬ノ平) 蓮華温泉は左 シャクナゲ尾根・カモシカ展望台は右へ】 

【湿原の中を歩く】
 後は蓮華温泉まで順調にと言いたいところですが、ここで地獄の登り返しが待っています。蓮華温泉まで250m以上は標高を稼がないといけません。足が軽くなったとはいえ、さすがにこの登りで再び参ってしまいました。それでも1歩1歩登って行きます。余力があればひと登りという登りだと思います。

 徐々に高度を稼いでと思う頃、日が射して来ました。と同時に土砂降りの雨になります。すぐにやむだろうと思ったのですが、ひどくなるばかりでしたので、とりあえずザックカバーだけ付けます。木道に出ましたので、滑らないように進みます。本当に最後まで楽をさせてくれませんでした。

【クルマユリ】 

【僅かな登りも厳しく】

【最後の木道歩き】
 とにかく1歩1歩進んでいると、ついには視界が開けてアヤメ平に到着です。この時に感じた安堵感は表現のしようがないくらいです。しかも、数は多くありませんが湿原の花が元気付けてくれました。ただし湿原は平坦ですが、湿原を抜けた後は再び緩やかですが登りになります。

 野鳥の森と記された看板を過ぎて登って行くと木道になります。このへんまで来るとようやく登山口に近づいて来たことを実感できます。そして、ようやく朝日岳登山口に到着です。この少し行った先に蓮華温泉キャンプ場があります。テントは3張しかなく広々としています。ここには公衆トイレも水場もありますので便利ですが、問題は蓮華温泉のロッジが離れていることです。 

【朝日岳登山口へ】

【蓮華温泉キャンプ場】 

【ロッジは少し離れた場所に】 
 とりあえずテントの設営を済ませてからテントの受付とビールの購入のためロッジに向かいます。ここは芝生状になっていて快適ですが、岩らしいものはほとんどないのでペグが必要でしょう。 

 ロッジまでの道はさすがに遠かったですが、空身になっている分思った程大変ではありませんでした。テント代の300円を払いビールを2本購入す。橋の話もしたのですが、ここはもう永久橋ですよと笑われてしまいました。渡渉時の話などもして、キャンプ場に戻りました。本当は野天風呂に入りたいところでしたが、とても時間がないので断念しました。一応水着なども持ってきていたので残念です。
 キャンプ場に戻ったら夕食を取ります。疲れている割にはきちんと食べることができました。ひどい時は押し込むくらいでないと食べられないこともあるのですが、今回はそこまでではなかったようです。ビールを飲んで生き返ったのでしょうか。

 夕食を食べるとちょうど暗くなってきました。ロッジで翌日は晴れると聞いていましたし、何より半日程歩けば戻ることができますので、気持ちは晴れ晴れとしていました。ただし、標高差1000m程を登りますので決して楽ではないとは思いますが。こうして、長い長い2日目の夜は更けていきました。

【購入したビール】 
 

【夜明けの蓮華温泉ロッジ】
 3日目は栂池駅まで到着できればいいので急ぐ必要はありませんが、長い登りは早朝の涼しい時間帯に済ませたいので、夜が明けるくらいの時間に出発することにしました。やはり前日の疲労は残ってはいましたが、それほどひどくはないようでした。

 準備をしたらまずは蓮華温泉ロッジに向かいます。朝日岳登山口はキャンプ場のそばにありますが、白馬大池へ向かう道はロッジの裏手にあります。ちょうど空を見上げると赤みがかかっていてとてもきれいでした。3泊4日でのんびりできれば、これを朝日岳の山頂で見ていたのかもしれません。

【夜明けの赤く染まった空を眺めて】 

【白馬大池方面登山口(右へ)】
 登山口からは道が分かれていますが、看板に示されたように白馬大池へは右手に入って行きます。ここからは、いくつかの野天風呂につながる道が分岐しているようでした。時間があれば、いくつかの風呂をはしごするのも良さそうです。

 その後も分岐はありますが、白馬大池へ向かう方角を示す看板はしっかりありますので問題なく進みます。徐々に上りとなって行って、この後は樹林帯の登りがひたすら続くことになります。地形図を見た時は中腹に急登があるように見えましたが、実際は九十九折れになっていて、本当に緩やかな登りが続きます。

【白馬大池へ】 

【滑りやすい丸太橋を渡る】 

【ようやく昇ってきた太陽】 

【徐々に明るくなる登山道】 
 道中は山に囲まれているため、遅い時間になってようやく太陽が出てきます。道も徐々に明るくなってきますが、同時に気温も徐々に上がってきます。ちなみに、気温が高いのか早朝の蓮華温泉では涼しさすら感じませんでした。さすがに標高はありますので暑くはありませんが。

 しばらく登ると樹林帯に入って行きます。この登りは特に変化もなく淡々と登って行くことになります。テントを担いでいる身としては、ペースを維持しやすいので助かりますけどね。昨日の朝日岳から蓮華温泉までの道と対照的な感じです。

【樹林帯の道へ】 

【存在感を増す雪倉岳】 

【天狗の庭】 
 徐々に視界が開けて右手に雪倉岳が見えて来ます。これをさらに登って行くと天狗の庭と呼ばれる展望所に到着です。ここは、西側が開けていて、正面に迫力のある雪倉岳、その右手には朝日岳を眺めることができます。朝日岳からは、昨日下って来た尾根を一望することができました。本日のルートのうち、乗鞍岳付近まで登る途中ではここが唯一の展望所でしたので、昨日登った雪倉岳と朝日岳がよく見えたのは良かったです。

 しばし展望を楽しんだ後、再び出発します。すると、少し登ったところにも天狗の庭の看板があり、こちらの方が高所にある分少し見晴らしがいいようでした。

【雪倉岳】

【朝日岳】 

【雪倉岳と朝日岳】 

【左の朝日岳と右下に続く尾根道】 

【少し登ったところにも天狗の庭の看板が】

【再び樹林帯を抜けて】 

【視界が開けてなだらかな道へ】 

【白馬大池山荘】
 天狗の庭から登って行くと再び樹林帯に入って行きます。この道を登って行くと急に視界が開けてなだらかなほぼ平坦な道になります。見事な眺めでしたが、太陽が雲に隠れて少し薄暗くなっていたのが残念でした。この道を少し歩くと間もなく白馬大池山荘からの登山道と合流し山荘に到着です。

 山荘では、ちょうど片付けを済ませて出発をする人達が結構いました。ここから栂池までは3時間もかかりませんのでちょうどいい時間なのでしょう。ここで少しのんびりするつもりでしたが、グループが次々と出発しそうでしたので、先行することにしました。

【池に映し出された景色】

【広大なハイマツ帯を進む】 

【白馬大池を振り返って 奥には雪倉岳と朝日岳】 

【左に雪倉岳 中央右に朝日岳の眺め】 

【左は杓子岳・鑓ヶ岳 中央奥が白馬岳 右奥が小蓮華山あたりか】 

【乗鞍岳山頂】 
 初日とはうってかわりガスがなくなっていたので、池にはきれいに雪渓などの景色が映し出されていました。しかし、雲ってきていて青空でなかったのが残念なところです。岩のごろごろした道を進んで行くと間もなく乗鞍岳山頂に到着です。ここも初日はガスに覆われていましたが、この日はよく見渡すことができました。上半分だけとはいえ、一部だけですが白馬三山や雪倉岳、朝日岳、そして左に目を転じると唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳などを眺めることができました。一方で空はどんよりとしており、天気が下り坂であることを示しているようでした。

【どんよりとした空に】

【鹿島槍ヶ岳の双耳峰 右は五竜岳】
 
【雪渓下り アイゼンを装着した直後にストックを折る事態に】

【滑りやすい岩のごろごろした道】
 乗鞍岳を過ぎて少し下ってくると雪渓歩きになります。登りではアイゼンを装着しませんでしたが、下りでは装着することにしました。装着してザックを担いだ時に、岩場を踏ん張り損ねて転び、この時にストックを折ってしまったのでした。雪の上に出る前に転んで折ってしまうとは情けないものです。
 結局ストックの一番必要になる雪渓をストックなしで下ることになりました。左右のバランス取りなので、ないとどうしても困るものではないでしょうが、結局一回尻もちを着いて下まで下ることができました。正直4本爪は装着した意味があったかなという感じでしたね。自分も他の人のことは言えませんが、みなさんよく転んでました。

【天狗原付近の木道】

【ところどころで展望が】
 雪渓を下り終えると岩のごろごろした道になります。雪がかなり溶けてきているのと、大勢が歩いたせいで、岩が濡れてかなり滑りやすくなっていました。この岩のごろごろした道を抜けると木道になります。ここまで来れば、後は比較的歩きやすい道になります。

 3連休最終日ですので、下って行く人が多いのはもちろんですが、結構登って来ている人もいました。下るまでにかなりの人とすれ違ったような気がします。やはり白馬岳登頂の人気ルートなのでしょうか。

【鑓ヶ岳と杓子岳】 

【左から鹿島槍ヶ岳〜五竜岳〜唐松岳】 

【登山口へ】
 なお、登りではガスでほとんど何も見えませんでしたが、下りでは、途中鑓ヶ岳、杓子岳、唐松岳から鹿島槍ヶ岳付近の山が見えるポイントがいくつかありました。時々休憩がてら写真を撮りながら下って行きます。

 ストックなしでも結構快調に下っていたのがかなりばてて来たころようやく登山口に到着です。ビールが欲しいところでしたが、さすがにすぐに運転になるので我慢して、ジュースで一息入れました。ロープウェイ、ゴンドラを乗り継いで無事駐車場まで戻って来ることができました。天気予報では午後から雨、結局は降りませんでしたが、いいタイミングで戻って来られたのではないでしょうか。
 駐車場に戻った後は温泉に入って帰路に着きます。3日も山の中にいて散々汗をかきましたので、温泉は本当に気持ちが良かったです。結局無駄になってしまった3連休の翌日の休暇ですが、逆にいい休暇になったと思います。

  今回の山行は計画段階から天気予報に翻弄されて二転三転して当日を迎えることになりました。山中でも計画を変更したり、厳しい局面を迎えたり、失敗などもしてきたわけですが、天気に恵まれて本当に素晴らしい山行になったと思います。やっぱり展望の素晴らしい北アルプスに登ってしまうと、また来たいと思ってしまいますね。 

【満車の駐車場にて】 


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