のこぎりだけ
 鋸岳
登山日: 2011年10月2日(日)   標高:2685m(鋸岳) 
    標高差 : ゲート前から約1750m


 10月2日(日)    ゲート前 3:20 → 林道終点 6:15(〜25) → 横岳峠 7:30(〜40)
   三角点ピーク分岐 9:10 → 鋸岳 10:10(〜40)
   三角点ピーク分岐 11:25 → 横岳峠 12:35(〜45) 
   林道終点 13:30(〜40) → ゲート前 15:50

 

 本日は鋸岳に登ります。今年のどこかで登ろうとかねてより考えていた山です。この夏は思った以上にテント泊にはまったうえに、北海道遠征の日程も無事確保できたことからずっと後回しになっていました。この日は北より南の方がやや天気が良さそうだったことや、予定通り前日に有明山に登って時間を十分に確保できたことから、予定通り鋸岳に登ることにしました。

 鋸岳はガイドでは点線ルートしかないのですが、この釜無川沿いの林道を歩くルートは危険な箇所がほとんどなく、山頂直下だけやや気を付ける必要があるという程度です。第二高点からのルートはとても無理として、戸台の方からガレ場を登るルートも一般登山者には厳しいということで、自然とこのルートの選択になりました。ルートの難易度、わかりやすさを考慮すると十分実線ルートと考えていいと思います。

【ゲートより数百メートル前の路肩に駐車(下山時)】 
  
【通行止めゲート(下山時)】
 問題点は林道歩きが非常に長いために長時間を要するということと、普段は工事のために通行止めになっているということです。日曜日も通行止めが解除されているわけではないのですが、工事が休みであるためこの日を狙って登ることにしました。実際、ほとんどの登山記録は日曜日でした。この長いルートを日帰りでなければならないとすると、体力的には厳しいルートなのかもしれません。

 ただ、山中で前日テント泊した方に会ったのですが、ゲート前は通してくれなかったが、河原ならということで入っている方もいましたので、山中1泊も無理ではないのかもしれませんが、工事現場を通るのであまり望ましくないでしょう。自分も日曜日だからいいとは言えませんがね。

【0.5キロ毎にある看板(下山時)】 

【矢印通り左の巻き道へ 右も通行可能か(下山時)】

【左手の道へ(下山時)】 
 車はゲートより数百メートル手前にある広々とした道の路肩にとめます。もう少し先でも良さそうでしたが、休みとはいえ工事現場のようでしたので遠慮しました。なお、話しには聞いていたのですが、実際下山時には工事関係者が出入りしていたので、その邪魔にならないようにした方がいいでしょう。

 夜が明ける前から歩き始めます。夜明けの2時間半前で、林道終点までに夜が明ければという計算です。前日にあまり時間のかかる山に登りたくなかったのはこのためです。長いとはいえ歩きやすい道なのですが、体が起きていなかったのか本当に体が重く感じられ、なかなか前に進んでいないような感じでした。

【どんよりとした夜明け】 

【9キロを過ぎるともう一息】 

【林道終点 左手に下ると速いが気付かず正面の工事現場へ】 
 ゲートの脇を通過します。ゲートには歩行者も禁止ときちんと書いてありました。平日ここを通ろうとすると常駐しているガードマンに止められるということです。

 林道は舗装された道が続いています。自分にとっては舗装された道はかえって歩きにくいのですが、黙々と暗い中を歩いて行きます。0.5キロ毎に看板があっていい目印になるのですが、9キロを超える林道歩きは本当に長いです。体が重かったからなおさらでしょう。
 林道ですから当然道なりに歩けばいいのですが、道中2箇所程巻き道を通ることになります。どちらもコーンや看板などでわかるようになっていますので、その指示の通りに歩いて行きます。1つ目の方はそのまま歩いても行けそうな感じもありましたが、万一通れなくて戻ることになると面倒なので、少し遠回りになりますが、看板に従って歩いて行くことにしました。

 舗装されたで道も合間合間に時々未舗装の道があるのですが、半分を過ぎた頃になるとほぼ未舗装の道になります。とはいえ、林道の最奥まで工事現場はありますので、それなりの道はずっと続いています。

【河原に下りてくると先に矢印が】 

【要所要所にペンキの矢印あり】
 8キロ地点を過ぎてかなり疲れた頃ようやく夜が明けてきました。空は雲に覆われており、この日は結構いい天気になるのではと思ったのが、ガスに覆われた登山になりそうで少し残念に思ったのでした。とはいえ、この日は回復して行く可能性もあるので、それに期待して進んで行きます。

 9キロの看板を見てしばらく歩くと林道終点で、ここも工事現場になっています。この工事現場で少し試行錯誤したのですが、左手の河原を下ったところに矢印が見えたのでそちらから進んで行きます。工事用の道などが、右手の山の方に続いていますが、そちらの方に行ってはいけないようです。

【河原を遡って行く】 

【欠けた富士川水源の看板】 
 河原を遡って行く道は思った以上にペンキマークがしっかりしており、順調に進んで行くことができました。河原を飛び石伝いに歩いたり、川岸の登山道は落ち葉や枯れ枝で一部覆われたりと、歩きやすい道とは言えませんが、目印がしっかりしているので安心して歩くことができます。

 しばらく歩いて行くと、一部が欠けた富士川の水源を示す看板があって、もう少し上がると小川があります。ここがその水源だと思っていたらもう少し上に分岐があったのでした。なお、ここが最終水場ですので、横岳峠で1泊したり、縦走したりする場合にはここで水を汲んでおく必要があるでしょう。

【ここが水場だと思っていました】 

【樹林帯の道へ】 

【左が富士川水源へ 本道は右奥から登る】  
 この付近からは鬱蒼とした樹林帯の中を歩いて行きます。しばらく登って行くと富士川水源を示した看板のある分岐がありますが、ここを過ぎると結構な急登になります。この急登の道ですが、踏み跡がいくつかあって惑わされてしまい、登りでは恐らく廃道となっていると思われる道を歩いてしまいました。方角はわかっていましたので、急登をよじ登って合流しましたが、下った時の様子では、本道もかなり急な道になっています。

 ある程度登った後は、比較的緩やかで歩きやすい道が続きます。落ち葉で登山道がやや埋もれ気味ですが、途中で方向が変わることもないので特に問題もなく進んで行きます。歩き始めて4時間、ようやく横岳峠に到着です。 

【樹林帯の登り】 
 
【横岳峠出合】 

【分岐右手にあったテント2張】
 横岳峠はテント場になっていて、この日も2張ありました。確かにあまり広くはなく、せいぜい5張くらいのスペースでしょうか。出合から横岳方面に多少のスペースがありました。ただし、現状下では埋まるほどテントを張る人がいるとも思えませんが。

 横岳峠は展望があると聞いていましたが、樹木に覆われていて、樹木の間からはなんとかそれなりに見えるという感じでしょうか。ただ、風は吹き抜けますのでじっとしていると肌寒かったです。この後もしばらく登りが続くので、歩いていればそれほど寒さを感じることもないでしょう。 

【横岳峠はあまり展望なし】

【樹林帯を登る】

【木々の合間より山頂】 
 横岳峠で一休みをしたら再び出発します。ここからもしばらくは樹林帯の登りが続きます。所々で倒木があるものの、横岳峠手前の道と同様比較的歩きやすい道が続いています。登るにつれて、右手の時々開けた場所からは見事な展望の一部が見えてきます。右手にはどっしとした仙丈ケ岳が聳えていました。

 やがて樹林帯を抜けると素晴らしい展望が広がっています。甲斐駒ケ岳は鋸岳の向こうで見えないようですが、鋸岳から北岳、間ノ岳、そして仙丈ケ岳をよく見ることができました。逆光気味なのと、少し靄がかかっていてすっきりとは見えませんでした。
 
【ひたすら三角点ピークに向かって登る】

【左に北岳〜間ノ岳と右にどっしりとした仙丈ケ岳】 

【樹林帯を抜けて】
 
【三角点ピーク分岐 右奥より進む】
 岩のごろごろしたような道を登って行くと、再び樹林帯の中に入って行きます。するとペンキマークのついた岩があります。ここが三角点ピークの分岐で、ペンキの矢印の通り進むと三角点ピークに着くようです。本道はこの右手の道を少し進み、さらに右に下って行きます。この岩の右手を進むことは事前に知っていましたが、この右に下る道を見落として、少し道を探してしまいました。少し藪っぽいので、方向感覚を失ってしまったようです。

 この藪っぽい道をかき分けると再びザレた道に出ます。この付近まで来ると、正面に堂々とした鋸岳を望むことができます。遠方から見るとぎざぎざしていてわかりにくいですが、近くで見るとなかなか立派な山です。 
 
【鋸岳への道】

【右手を見下ろして】 
 鋸岳までの稜線は右手が切れ落ちていて、藪っぽい道を抜けたり、崖沿いの道を歩きながら進んで行きます。確かに崖際に寄ると聞いていたような高度感がありますが、ゆっくりハイマツを押し込みながら進めばほとんど崖際は通らずに進んで行けます。結局のところあまり高度感を感じずに進むことができました。高所恐怖症の自分としては、高度感がなくてほっとした気持ちと、少し鍛えておきたかったなという両方の気持ちがありました。

 高度感をあまり感じずに済むとはいえ、急な上り下りが続きますし、ガレ場もありますので慎重に進んで行きます。

【岩場を巻いて】 

【右側が切れ落ちた道を巻きながら進む】 

【鋸岳第一高点が目前に 中腹に下っているグループが】

【鞍部より山頂方向を見上げて】
 角兵衛沢の頭からの急坂を下って鞍部に着くとようやく最後の登りとなります。なお、鞍部手前から眺めると山頂まではかなりの急登が続いているのがわかります。ちょうど、テント泊していた方達が下っていたのですが、壁を下っているように見えたのでした。鞍部でテント泊の方、5人の年配の方達のパーティでしたがすれ違いました。ここで、前日のことなどの話を聞いたのでした。なお、急な道だが岩場などはないという情報をここで聞くことができました。実際、パーティの方達はずっとストックを持ったまま下っていましたので、険しい岩場があまりないことを物語っていました。ちなみに自分は、三角点ピーク分岐を過ぎたあたりにストックをデポして来ました。

【急登が続く】 
 
【右手の崖】

【山頂看板】 
 最後の登りはやはり見た通りの急登でしたが、一気に高度を稼いで行くのであっという間でもありました。やや崖際に寄る箇所もありますが、意外と内側を通っているためにあまり高度感を感じずに登ることができました。長い林道歩きからようやく山頂に到着です。

 朝方はどんよりとした天気でしたが、山頂に着いた時は青空が広がっていました。逆光気味で靄がかかったようではありましたが、肉眼ではかなり素晴らしい景色を眺めることができました。特に写真ではちょっとぱっとしない感じもありますが、甲斐駒ケ岳はかなり格好が良かったです。 
 
【山頂の様子】
 
【甲斐駒ケ岳と第二高点】
 
【第二高点とやせ尾根の続く稜線】

【八ヶ岳連峰】

【三角点ピークを振り返って】 

【甲斐駒ケ岳】 

【仙丈ケ岳】 

【中央手前に第二高点 左に甲斐駒 右に仙丈ケ岳 中央奥に北岳〜間ノ岳】 

【急坂を下る】 
 展望を十分楽しんだら下山開始です。下りだけならともかく、帰路も当然長い林道歩きがありますので先はまだまだ長いです。ただ、林道ははっきりしていますので、明るいうちに林道終点まで行けば問題ないでしょう。とはいえ、思ったよりも早く山頂に到着できたので、明るいうちに戻ることができそうでした。

 山頂直下は急な下りになります。登りは比較的すいすいでしたが、下りは慎重に下って行きます。順調に下って鞍部を通り、角兵衛沢の頭や三角点ピークに向かって登り返して行きます。ルートを振り返ってみると三角点ピーク分岐から下るガレ場が一番いやらしい感じがしましたね。デポしたストックを回収して三角点ピーク分岐まで登り返します。 

【ハイマツを押しながら歩く】 
 
【やや崖際の道】
 
【鋸岳も見納め】

【鋸岳と仙丈ケ岳】 
 
【樹林帯の道に入ってようやく安心?】
 このくらいの時間になると、鋸岳は登った時よりもくっきりと眺めることができました。岩肌と紅葉がなかなか調和がとれている感じで、うまく紅葉のピークに訪れることができれば結構きれいなのではないかなと思いました。周囲の山々は結局すっきりとした姿を眺めることはできませんでした。

 その後は再び樹林帯に入って下って行きます。この付近は比較的歩きやすいので快調に下って行きますが、ここでばててしまうと林道歩きが辛くなるのでこまめに休憩を取りながら下って行きました。横岳峠ではさすがにテント泊のグループの方達は撤収済みでした。 

【横岳峠再び】

【下り方面の看板】
 横岳峠でも少し休憩をしたら再び下り始めます。少し下ったあたりでテント泊の方達が歩いていたので先を行かせてもらいます。登りと同様急坂になっている場所もありますので、そこだけは慎重に下りつつ進んで行きます。その他の箇所は相変わらず歩きやすいです。

 その後河原沿いの道に出て、テープを頼りに戻って行くと、林道終点に到着です。ここからゲート前まで再び長い林道歩きになるわけですが、この付近でちょうど登ってくる方とすれ違いました。結局この日は1グループと1人に出会っただけで、日帰りは自分だけでした。

【樹林帯の急坂を下る】 

【河原沿いの道へ】 

【林道終点の工事現場の山肌が見えて】
 1時間くらいの距離であれば一息にと言いたいところですが、さすがに10キロ近くありますので、何度か休憩を挟みつつ戻って行きました。なかなか進んでいるような気がしないというジレンマもありましたが、なんとか少しずつ戻って行きます。

 そして16時前に無事ゲート前まで戻って来ることができました。登りでは体が重くて苦労したものの、下りでは疲れはありましたが順調に戻って来ることができました。天気も思ったよりも恵まれて充実した静かな山行となりました。林道歩きがなければ、また登ってみたい山ですね。

【長い林道歩きへ】 

【ようやくゲート前へ】 
 


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