きただけ
 北岳
登山日: 2012年6月30日(土)   標高:3193m(北岳)
    標高差:広河原から約1680m


 6月30日(土)    広河原 7:20 → 白根御池小屋 8:50(〜9:00) → 肩の小屋 10:50
   北岳 11:35(〜45) → 北岳トラバース道 12:10(〜45)
   北岳 13:15(〜25) → 白根御池小屋 15:00 → 広河原 16:15

 

 本日は北岳に登ります。さすがに前の週に東北遠征をした上に、この週は土曜日はなんとか天気が持ちそうだったものの、日曜日の天気があまり良くなさそうでしたので、比較的近場の北岳に登ることにしました。南アルプス北部の山でも、国道52号線から比較的近い芦安がバスの乗換え地点となる北岳は、アクセスがいい方だと言えるでしょう。奈良田からのバスもありますが、夏ダイヤに変わる前ですと広河原到着が遅すぎるので、芦安を利用します。

 芦安の駐車場自体は、アサヨ峰に登って以来2回目ですが、鳳凰山に登るために2回夜叉神峠まで入っていますので、初めてのところに入る時に比べれば運転は気楽です。

【駐車場】
 
【行列になるも乗れないとは思わず】
 現地には予定より早く午前4時頃には到着することができました。夏ダイヤはなぜか日曜日の7月1日からで、この土曜日の6月30日は5時40分始発になります。しかも、始発はバスではなく乗合タクシーです。それでも、ある程度は準備しているだろうと始発に乗れないことは想定していませんでした。

 4時30分過ぎになると、それなりに行列が出来て来たので並ぶことにしました。その後次々と人が並び始めて5時過ぎにようやく乗合タクシーが入って来ます。一通りのタクシーが来て5時20分前には出発したでしょうか。乗れなかったものの、タクシー協会の人は呼んでいるから次々来るとのことでした。
 その後10分後にもう1台来たもののこれにもぎりぎり乗れずさらに待つことになります。この後結局タクシーは来ず、最初に出発したタクシーが戻って来ないと乗れないことがわかりました。そのうちに6時20分のバスの出発時間になりました。次のタクシーには確実に乗れる位置で待っていたので、今更移ることもできないですし、バスも1台しか出ないためすぐに埋まってしまったようでした。バスの後では現地入りはさらに遅れること必至でしたので、バスが出発したら帰るつもりでしたが、その前にタクシーが到着しました。どうも、待機者のためにタクシーがもう一巡するまでバスが出発時間を遅らせたように見えました。ちなみに待機者の数を考慮すると、この6時20分で乗れなかった人は100人以上はいたと思います。
【アルペンプラザ】

【登山口】
 広河原へは7時10分頃到着、待機をしていた人の中には日帰りのため登頂を諦めた人もいたようでした。今回の目的はキタダケソウだったわけですが、大樺沢は橋が壊れて通れず、この時期八本場のコルが危険なためかなり大回りになります。すると、北岳山頂経由のため、トラバース路まで往復するとなるとコースタイム約13時間で、累積標高では2000mを超えることになります。これを最終バスの16時30分に合わせる必要があるので、当初は3時間、今回は結局4時間以上縮めないといけないことになったわけです。そもそもこれを日帰りすることが厳しいと言えばそうなのですが、このコースタイムがかなり余裕をもった設定になっていることは、昨秋に登ってわかっていたこともあって決行しました。

【登山口手前より北岳(コンデジにて)】
 
【吊り橋を渡る】
 この日はそれに加えて、防寒対策をしないまま長時間待っていたので、お腹を冷やしてしまいお腹を壊してしまうという状況で、この日は口にしたのは飴玉1個だけであとは水分を摂取しただけでした。寝不足はいつも通りなので今更でしょう。それでも登るのかという気持ちはありましたが、このような条件の時ほど、後で思い返すと素晴らしい山行になっていることが多い気がします。この日は雨も降る予定はありませんでしたし、危険箇所もないので、いつでも撤退はできるというのもあったでしょう。

 お腹の調子が調子ですので、とりあえずはアルペンプラザでトイレを済ませて出発です。他の方やグループは現地入りが遅れたためなのか、みなさんすぐに出発されていたようでした。
 少し車道を歩いて登山口に向かいます。午後からは雲が多くなる可能性がありましたので、すっきりと見えた北岳を収めたいとも思いましたが、やはり時間が惜しいということでコンデジでさっと撮って先に進むことにします。

 吊橋を渡ると分岐があるので、右に入ります。やがて広河原山荘手前を折れて登って行きます。樹林帯の気持ちの良い道で、意外と涼しい風が吹いていたのには助かりました。この道をしばらく登って行くと、大樺沢方面と白根御池方面との分岐に出ます。大樺沢ルートは通れませんので、そのまま白根御池方面に入って行きます。

【広河原山荘】
 
【樹林帯の道】
 最初はなかなかのペースで歩いていましたので、テント泊と思しき方のグループを次々に抜いて行きました。同時に、健脚な方には抜かれて行きました。自分にしては珍しいほどのハイペースでした。しかし、この日の長丁場を考えると、一時的にハイペースにしても、途中で体力が尽きて結局は失速することが目に見えていたので、30分程歩いた後はペースをいつもぐらいに落としました。それでも、やや速めを意識していたと思います。ただ、体調のせいなのかよくわかりませんが、とにかくこの日は最初から最後まで体が重く、しんどい山歩きが続きました。ただ、それだけがんばってペースを上げようとしていたとも言えるのでしょう。

【大樺沢と白根御池分岐】

【急登が続く】

【トラバース道】
 しばらく登って行くと急登が続くようになります。登山道そのものは比較的歩きやすいので、険しい道を歩いている感じはないのですが、それなりの急な道が続いています。

 ひたすら登って標高を2000mを超えるようになってくると、今度はなだらかな道が続きます。時々アップダウンを繰り返しつつ、トラバース道などを歩いて行くと白根御池小屋に到着です。コースタイムを考えると、思っていたより短時間で到着することができました。いいペースではありますが、北岳山頂でさえまだかなり先です。ここも、相変わらずのお腹の具合でしたので、トイレだけ寄って先に進むことにしました。 

【整備された木道】

【ようやく小屋へ】

【白根御池小屋】
 空模様は、やはり歩き始めた時間と比較すると雲が出てきたという感じでしょうか。現地到着が遅れたがために絶景を見逃すことがあったら残念だなとは思いましたが、主目的がキタダケソウだったので、今回はそれほど展望へのこだわりはありませんでした。

 実はこの小屋から八本場のコル方面へ向かうということも考えましたが、最初に書かせていただいたように安全を期して肩の小屋〜山頂経由で向かいます。ちなみに、前回大樺沢〜八本場のコル経由だった時はテントを担いでもトラバース道まで4時間ちょっとだったことを考えれば、いかにかかる時間が違うかがわかると思います。 

【小屋からの北岳から池山尾根方面の眺め】

【北岳の肩へ向けての登り】

【最初は雪渓歩き】

【急登を登る】
 八本場方面の分岐あたりから雪渓が出て来ます。緩やかな斜面を登って行きますが、既に多くの人が歩いているので特に問題はありません。急登に入っても雪渓は続きますが、登山道の雪はなくなりますので、そのまま登って行けます。ただし、この道はひたすら急な道を登って行くので、体力的には結構大変かと思います。今回の山行全般に言えることですが、道は比較的歩きやすいのでその点では標高差と比較すると楽をさせてもらっているかなとは思います。

 一直線に登って行く坂を登りきった後は、ザレた道などが出て来ますが、基本的には登りの連続になります。

【振り返ると鳳凰山】

【正面奥の北岳を目指して】

【ザレた登り道】

【ミヤマキンポウゲ】

【ショウジョウバカマ】
 このあたりの登りではやはり疲れて来たこともあって、なかなかペースが上がりませんでした。それは他の方も同様だったようで、自分が休憩をとったら近くを歩いていた方がみんな休憩を取ったのはおもしろかったです。同じような登りが続くので惰性で登って来てしまうのですが、やはり疲れはたまってくるものです。

 その後、登って行くと雪渓が現れます。ここが小太郎山との分岐になっており、ようやく稜線に出ることができます。なんとか雲が広がる前に登って来ることができましたので、どっしりとした仙丈ケ岳や、少し雲がかかっていますが甲斐駒ケ岳を眺めることができました。しかし、肝心の北岳は既に雲に隠れてしまいました。

【雪渓と奥に控える北岳】

【仙丈ケ岳】

【仙丈ケ岳と雲に隠れつつある甲斐駒ケ岳(右)】

【山頂が雲に隠れた北岳】

【急斜面の岩場を登る】
 それに加えて稜線に出るといろいろな花が現れて来ます。写真は簡単に撮れるもの以外は帰路にじっくり撮ることにして、見て楽しみながら進みます。結果としては、帰路もあまり余裕がなかったのですが、登りでは計算できる時間になるまでは先に進む感じでしょうか。

 途中急斜面の岩場を登る箇所もありますが、肩の小屋までは比較的なだらかな稜線歩きが続きます。この肩の小屋を経由するルートは、昨年通らなかったわけですが、展望もお花畑もなかなか素晴らしいルートでした。

【緩やかに上って行く稜線と姿を見せた北岳】

【さまざまな花が競演】

【正面に北岳の雄姿が】

【北岳の肩】

【肩の小屋】
 徐々に北岳が正面に見えて来ると、やがて肩の小屋に到着です。ここはちょうど標高が3000mです。その名のとおり、まさに北岳の肩にあります。道中で話したテント泊の方のお話では、ここで迎える夜明けがまた素晴らしいとか。テント場は登山道より少し小高い位置にあり、展望は本当に素晴らしそうです。今回の行程なら、ここで1泊2日にするのが最もいいのではないかと思いました。昨年のように、白峰三山を縦走するのなら、行程にもよりますが、北岳山荘まで行っておきたいかもしれません。

 肩の小屋ではベンチで少しだけ休んだ後山頂を目指します。

【ザレた道を登る】

【両俣小屋方面分岐】

【雲で見え隠れしている北岳】

【間ノ岳はなかなか姿を見せず】

【最後の登り】

【北岳山頂へ】

【岩場と奥の仙丈ケ岳を振り返る】

【頂上碑】
 肩の小屋からはザレた道、岩場のごろごろした道が続きます。最初の急登を登って行くと、やがて両俣小屋分岐があります。この分岐を過ぎると、大岩の転がったような場所が続きます。ややわかりにくい箇所もありますが、概ね目印が付いているので問題ないでしょう。山頂の方向は明らかですので、根本的に別方向に行くことはないと思います。

 この岩のごろごろした道を抜けると北岳山頂に到着です。山頂からはなかなかの景色が広がっていると言いたいところですが、期待していた間ノ岳の展望については、山頂が雲に隠れてしまっていました。

【八本場のコル方面】

【雪を越えて下る】

【間ノ岳山頂は雲の中】

【八本場のコル分岐】

【ザレた道を一気に下る】

【トラバース道へ】
 山頂に着いたので少し休憩をしましたが、本日の目的は山頂ではないので、キタダケソウの群生地へ向かいます。事前に調べておいたように、まずは八本場のコル分岐に向かいます。このあたりの道はザレていて歩きにくいです。分岐に到着した後は、トラバース道分岐へ下って行きます。このあたりは結構な急斜面になっていて、危険はありませんが、足を滑らせたら転んでしまうのでゆっくり下って行きます。

 下りはさすがに速く、一気にトラバース道分岐まで下って来ました。ここから北岳山荘へ向かうトラバース道がキタダケソウの群生地になります。

【ハクサンイチゲ】

【斜面に広がるお花畑】

【キタダケソウ】

【オヤマノエンドウ】

【シナノキンバイか】

【キタダケソウ】

【ガスの中から現れ出た間ノ岳】

【ハクサンイチゲとキタダケソウ】

【山頂はガスの中】
 最初はハクサンイチゲのお花畑になっていますが、やがてキタダケソウも見えて来ます。といっても、ハクサンイチゲの中のキタダケソウを見つけられるようになったのは、じっくりキタダケソウを見た後の話ですが。

 このトラバース道を進んで行くと通行止めの案内があって、この付近にキタダケソウが多く見られます。キタダケソウを一生懸命撮っている方からいろいろ話を聞かせてもらいました。この方はキタダケソウを見るために何年も通っているとのことでした。例年はキタダケソウを見ることはできても、雨などでなかなかじっくり見られなかったとか。今年は本当に条件が良くて最高だったそうです。

【これも花でしょうか】

【山頂へ再び】

【肩の小屋を見下ろして】 
 近くにキタダケソウが見えただけで撮っているような状況で、本当は一通り見たら戻る予定だったのが随分時間を費やしてしまいました。ただ、キタダケソウを見るのが最大の目的だったので、それはそれで良かったのかもしれません。

 いつの間にか周りの方達が戻った頃、山頂に戻り始めます。まずは、山頂への登り返しになりますが、急斜面の登り返しですので出だしからなかなかしんどいものになります。余程、そのまま八本場のコルから下りたい気分に駆られたものでした。

【キバナシャクナゲ】

【白い花】
 ザレた道を再び通って北岳山頂に戻って来ます。最初来た時と比べて随分ガスに覆われてしまいました。この日から下り坂の予報でしたので、ちょっとずつ雲に覆われて来たのでしょうか。とにもかくにもバスの時間がありますので、広河原へ向けて下って行きます。

 肩の小屋も通過して、稜線を戻って行きます。このあたりで、登りでは眺めただけで通り過ぎたキバナシャクナゲの写真などを撮っているうちにまた時間が過ぎて行きました。せっかくここまで来たのだからといろりいろ撮ってしまうようです。

【さまざまな花が】

【稜線を戻る】

【イワウメ】
 ここまで粘ってしまうと、ぎりぎりというよりも、少し急がなければ間に合わないような時間になってしまいました。さすがに日帰りでここまでぎりぎりの人もいないでしょう。どんどん登って来る人がいる中、多くの人とすれ違いながら下って行きます。時期が時期だからなのでしょうか、翌日の天候は決して良くはなかったのですが、かなりの人とすれ違いました。正直、まだ登って来る人がいるのという状態でした。

 一気に下って白根御池まで下って来ることができました。ここでも一息入れただけで、泊まりで宴会している方々を横目に下って行きます。  

【ガスに包まれつつある小太郎山方面への稜線】

【雪渓を目指して下る】
 がんばって下ったせいか、白根御池から下り始めたあたりでほぼ間に合う目途が立って来ました。といっても余裕があるわけではないので、とにかく下って行きます。

 最後は、同じくぎりぎりで下っていた方を追い抜いて無事にバスの時間に間に合わせることができました。このバスの最終便はちょうど満員で、思ったよりもこの最後の便で乗った人が多かったです。

 出だしからつまづいて忙しない登山となりましたが、キタダケソウにも出会えて充実した山登りとなりました。

【白根御池へ】

【既に北岳はガスの中】

【なんとか広河原へ】
 


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