こうもりだけ・しおみだけ・おごうちだけ・わるさわだけ・あかいしだけ
 蝙蝠岳・塩見岳・小河内岳・悪沢岳・赤石岳(1〜2日目)
 登山日: 2013年8月14日(水)〜8月18日(日) 
 標高:2599m(徳右衛門岳) 2865m(蝙蝠岳) 3052m(塩見岳) 2726m(烏帽子岳) 2802m(小河内岳) 3141m(悪沢岳) 3120m(赤石岳)
 累積標高 約5000m(椹島から悪沢岳まで約2020m)


 8月14日(水)    椹島 7:50 → 二軒小屋 10:30(〜50) → 蝙蝠岳登山口 11:20
   徳右衛門岳 15:25
 
 8月15日(木)   徳右衛門岳 5:20 → 2721M峰 6:20(〜30) → 蝙蝠岳 7:00(〜40)
    北俣岳分岐 9:40 → 塩見岳 10:20(〜50) → 塩見小屋 11:40(〜50)
   本谷山 13:15 → 三伏峠小屋 14:00
 
 8月16日(金)    三伏峠小屋 4:10 → 烏帽子岳 4:50(〜5:30) 
   避難小屋〜小河内岳 6:40(〜7:10) → 板屋岳 9:10
   高山裏避難小屋 9:50(〜10:10) → 中岳避難小屋 13:20
     
 8月17日(土)    中岳避難小屋 3:45 → 悪沢岳 4:35(〜5:45) 
   中岳避難小屋 6:30(〜7:10) → 前岳 7:40 → 荒川小屋 8:45(〜9:50) 
   小赤石岳 11:45(〜12:05) → 赤石岳〜避難小屋 12:30
     
8月18日(日)    避難小屋〜赤石岳 6:30 → 富士見平 7:50(〜8:00)
   赤石小屋 8:20 → 椹島 11:40

 

 本日より4泊5日で南アルプス南部を周回します。当初はお盆を避けて翌週に3泊4日で考えていたのですが、お盆前より続いていた好天がさすがにもたないだろうということと、お盆でも南アルプス南部であればひどく混むことはないだろうということで、この日程としました。1泊増えているのは元々職場のスケジュールがお盆を空けているので休暇を取りやすくなっているからです。

 なお、南アルプス南部を目指したのは、自分の車を貸していて遠くに行けないからです。実は3年連続同じ理由で、自分の車が使えない時期に南アルプス南部を訪れていたりします。毎年1回は訪れたいと思っていますのでちょうどいいといえばいいのですが。今回は好天が続くなら北アルプスも頭の片隅にあったのですが、結果としては南アルプス南部に呼ばれていたのかなと思います。

【夏期臨時駐車場】
 
【登山届記載&提出場所】
 ただし、今回の日程で懸念材料もありました。富士山に登ってから中2日であったことと、日程的な問題ではないのですが、富士山から戻って来た後に風邪をひいてしまったことです。寝込むようなものではないとはいえ、しつこい喉風邪ですので結構厄介だったりします。結局、決行することにしたわけですが、この風邪には2日目あたりまでは夜も含めて苦しめられました。ただし、3日目あたりにはほとんど治っていたようでした。

 畑薙ダム手前の臨時駐車場には薄暗い時間帯に到着しました。さすがにお盆だけあって、今までで一番車が多くほぼ満車でした。少しだけ仮眠を取りましたが、バス停に並ぶ人が増えて来たようなので、5時半過ぎに並びに行きました。

【既に結構並んでいます】

【バスの中より奥に畑薙大吊橋】

【バスの中より聖岳登山口】
 最初のバスは8時発ですが、この時期なら臨時便が1時間程前には出るはずということで、なんとか最初の便に乗りたいという思いでかなり早い時間に並んだのでした。これを想定して文庫本を持って行ったのですが、うつらうつらしていたらすぐに時間はたっていました。これならいらないということで、その後車に文庫本を戻していたりします。結局6時40分頃にはバスが来て、ぎりぎり第1便に乗ることができました。その後数台のバスが続々と来ていたので、もう少し後ろでも10分程度しか変わらなかったとは思いますが。このあたり、臨時便の有無も含めてはっきりしないところがあるので、早め早めに動いた方がいいでしょう。割り切って初日は椹島泊という方も多いです。バスでは御馴染みの景色を眺めながら椹島に向かって行きます。ポイントポイントでの案内を聞きながら進みます。

【バスの中より右奥は赤石岳南峰】

【椹島へ】

【御馴染みの看板の前を通って】 
 初めての場合はこの案内を聞くのもおもしろいかもしれません。マイクはないようなので前の方に座っていないと聞こえないとは思いますが。

 結局7時40分頃椹島に到着することができました。トイレなどを済ませてその10分後に出発です。初日の行程は夕方までに着くかどうかを心配していましたので、この1時間は大きいです。とはいえ、さすがに蝙蝠岳に届かせるには厳しいですね。椹島からは一旦林道に上がって行きます。林道に出てすぐ左手に赤石岳登山口があります。ここは下山予定の登山口です。

【フシグロセンノウ】 

【紫色の小さな花】

【登山道はショートカットして椹島へ下れるようになっています】 
 この分岐を右に曲がって林道を歩いて行きます。しばらく歩くと鉄橋が見えて来ますが、この手前左手が千枚岳登山口です。昨年はここから入って1日目に千枚小屋の避難小屋に泊まりました。なお、この鉄橋を渡って右手にこじんまりとした笊ヶ岳登山口があります。こちらは、昨年笊ヶ岳から下って来る時に通ったのでした。

 その後はひたすら林道を歩いて行きます。所々で咲いている花を眺めながら進んで行くのですが、あまり目印らしきものもないので、淡々と歩いて行く感じでしょうか。途中にあるゲートはガイドにも乗っていますので1つの目安にはなるでしょうか。 

【林道出合 左に入ってすぐに赤石岳登山口 ここは右へ】  
 
【鉄橋手前の千枚岳登山口の前を通過して】  

【昨年下って来た笊ヶ岳登山口 椹島から日帰りするならここ】  
 二軒小屋まですれ違ったのは数人のみで、時々車が追い抜いて行ったり向かって来たりします。お盆であってもここは静かな林道歩きです。逆に千枚小屋へのルートは賑わっていたことでしょう。

 天気は臨時駐車場にいた時間は雲が多かったものの、椹島から歩き始めた頃にはすっかり晴れていました。気温も上がっては来ましたが、基本的に樹林帯であるため、多少は暑いものの暑すぎるということはありませんでした。この傾向は今回の山行を通じてという感じで、森林限界が高いせいか主稜線を歩いている時以外は樹林帯を歩いていたので、ずっと日射しが出ていても思った程は暑くはなかったです。 
 
【ひたすら林道歩きが続く】
  
【ゲート ここは通りません】
 
【コウゾリナ】

【イケマ?】
 
【タマアジサイ?】 
 
【崩壊しやすそうな斜面の脇を通る】

【河原を見下ろして】
 
【ヤマホタルブクロ】

【アズマギク】

【シナノナデシコ】

【クサボタン?】 

【ヘビガライチゴ】

【セイヨウヤブイチゴ】
 
【気持ちの良い林道歩き ただし長いです・・・】
 
【ロケーションはなかなかです】

【わかりそうでわからなかった黄色い花】

【ソバナ】 
 
【清流からは涼しい風が】

【二軒小屋事務所】

【二軒小屋ロッジへ 公衆トイレや水場は登山小屋付近なので注意】
 
【案内看板】
 林道を3時間弱歩くと二軒小屋に到着です。ずっと林道歩きですのでそれほど疲れはしませんが、やっぱり長いですね。昨年に続き今年もここで少し長めの休憩をとります。昨年はここを横断し、今年は縦断することになりました。ここの案内掲示板には、現在咲いている花だとか徳右衛門岳の水場情報があります。昨年悪沢岳から伝付峠に向かう途中で寄った際に眺め、来年はここを歩きたいと思ったのでした。水場については、ほぼ大丈夫だとは思いつつも念入りに水場の位置情報を眺めていたのでした。

 この日は5日間の中でも一番到着予定時間が遅くなる日でしたので、もっとのんびりしたい気持ちを抑えて出発です。出発時間が遅いだけで特別長く歩くわけではないのですが、登りが続くという意味ではきつい1日なのかもしれません。
 
【昨年も眺めた徳右衛門岳の水場の位置】

【千枚岳方面は左 今回は道なりに真っ直ぐ進む】 

【二軒小屋を出て間もなく左手に見える滝】

【あまりに鮮やかで見惚れてしまった池】

【トンネルをくぐって】
 二軒小屋を出た後は、千枚岳方面への道を分けて少し遠回りに歩いて行きます。この途中にある池があまりに鮮やかで驚いてしまいました。このような池が見られるのなら少し遠回りでもいいかもしれません。

 その後はトンネルをくぐります。トンネルを出た後は左にも行けますが、こちらは千枚岳方面に行ってしまうのでそのまままっすぐ進みます。すると、今度は大井川東俣と西俣の分岐に出ます。一見登って行く西俣へ入ってしまいそうですが、下って行く東俣が正解です。地図を見ていれば当然かもしれませんが、道なりに歩いていると間違えてしまいそうな場所でした。自分は過去の記録で間違えそうな場所だと思ってこの場所を覚えていたので間違えずに済みました。

【右の東俣方面へ 登っていますが左の西俣方面は間違い】

【静かな蝙蝠岳登山口】 

【ちょっとした岩場にロープも】
 その後は河原沿いのなだらかな道を歩いて行くと蝙蝠岳登山口に到着です。あまり歩く人がいないルートだからでしょうか、とても静かな登山口でした。登山道は最初から急登が続きます。場所によっては岩場もありますが、基本的には樹林帯の土の道です。歩きにくい箇所もありますが、ルートは明瞭です。

 その後しばらく登って行くと突然人工物が現れてびっくりしますが、中部電力の管理棟だそうです。南アルプス南部を歩いていると突然このような人工物が現れることがありますが、不自然なようで意外と自然に溶け込んでいるようにも見えてなかなかおもしろいです。

【中部電力管理棟 3つの急な階段を昇る】

【鬱蒼とした樹林帯を登る】
 その後も登り始めのような急登こそないものの登りがずっと続きます。やはりテント装備での登りはきついものがありますが、当初の到着予定の17時が臨時便とコースタイムが長めだった二軒小屋までの林道歩きの貯金のおかげで、思ったよりも早く着きそうだったので気持ち的には余裕がありました。ただし、風邪の影響で喉がすぐにからからになるのには参りました。

 あまり歩かれていない蝙蝠尾根ですが、やはりお盆ということもあって、4〜5人の方とすれ違いました。少なくとも同じ日に登っている人はいなかったようで、下りに使われることが多いルートのようでした。

【ようやく奥に徳右衛門岳が見えて】

【水場分岐 これなら見落とすことはなさそうです】

【意外と設営適地は見つからず】
 さらに登って行くとようやく奥に徳右衛門岳らしきピークが見えて来ます。と言ってもやはりここからがまだ長かったですね。

 その後も淡々と登って行くと水場分岐が現れます。思ったよりも目印がいっぱいあってまず見落とすことはないと思います。それだけ登りの際には要となる水場と言えるでしょう。水を汲んでから登ろうか迷いましたが、結局先にテントを張ってから荷物を軽くして水場に行くことにしました。蝙蝠岳まで行ってしまうことも考えましたが、水場までの往復なども考えると18時過ぎになりますし、、山頂直下が迷いやすく時間が余分にかかる可能性があることを考えても現実的ではありませんでした。ただ、結果としては無理をしてでも行っておきたいくらい素晴らしい山ではありました。まずは徳右衛門岳付近でテントを張る場所を探します。

【徳右衛門岳山頂へ】

【山頂直下の登山道脇に】

【ここが二股の分岐とは気付かず 右に道があるが左に折れる】
 山頂手前に絶好のテント場があるということで、ちょっと木々を分け入って探してみましたがどうも適当な場所がありません。現在は少し荒れて適地でなくなっているのかなとは思いましたが、下って来た方の話では水場の二股分岐の他にもっと素晴らしい場所があるとのことでしたが結局わかりませんでした。

 結局少し蝙蝠岳側に下った場所にある登山道のやや広くなった場所を利用します。ここであれば、登山道を塞がずにほぼ平らな場所でテントを張れます。仮に多少塞いだとしても、この時間から通る人はまずいないとは思いますが。無事テントを張り終えた頃一旦雨が降り始めましたが、すぐに上がりましたので、雨が上がっているうちに水を汲みに行きます。

【随所にトリカブトが】
 
【分岐さえ分かれば後は明瞭】

【ザレた道を慎重に下って水場へ】
 まずは、水場分岐まで下って行きます。山頂からは意外と距離がありました。ですから、先にザックをデポして水を汲んで行くのもいいでしょう。ルートは明瞭で、途中テントが1張ありました。そのまま道なりに折れて行きますが、どうも道が続いているように見えません。仕方なく戻ってうろうろしていると、テントの張ってあったところの奥に目印のテープが見えました。なんと、このテントのある場所そのものが二股の分岐だったのでした。道が明瞭に付いている右ではなく左に曲がるというのはここのことでした。よく見ると左手に目印が見えています。
 その後は、ルート自体は明瞭ですが、ザレた道の急斜面を下って行きます。九十九折れに道が付けてあるのでそれを利用しますが、それでも慎重に下って行きました。このあたりは、お花畑も見事でしたが、さすがに落ち着いて写真を撮るのは難しいかもしれません。 

【このようにすくうものがあった方が良いです】

【オトギリソウ】

【タカネグンナイフウロ】
 道が切れていてどこに水場があるのかと思ったら、急斜面の合間にありました。水の出ている範囲は狭いですが、水量は豊富そうで、雨が少なくても、秋でもなかなか枯れないというのも頷けるような場所でした。ただし、大きいものは入れづらいので今回の500mlペットボトルのようにすくうものがあった方がいいと思います。

 水を汲んでいると二股の分岐にテントを張っていた方がちょうど水を汲みに来ました。この方は同じように二軒小屋から登って来たのですが、ここに連泊してこの日は蝙蝠岳を往復して来たとのことでした。つまり、前日に登って来られた方で、この日に登って来たのは自分だけだったということのようです。かなりテントの張った場所は離れていますが、徳右衛門岳にこの日泊まったのは自分とこの方だけだったのでしょう。
 この方の話では2721M峰以降はルートが不明瞭でとてもわかりにくかったとのことでした。ガスったらまずわからないとのことでしたので、そんなに厳しい場所なのかと驚いてしまったのでした。あまりGPSを見ながらは歩きたくはないのですが、いくつかの山行記録から落として来た軌跡を辿りながらの歩きも覚悟する必要があるなと思っていました。

 その後テントに戻って食事をしたら床に就きます。しかし、明るくなって来たので夕陽を撮れないかなと思ったのですが、雲が多くてどうしても隠れてしまうのと、そもそも山頂からの展望があまりないのでうまく撮ることはできませんでした。再びテントに戻りましたが、ほとんど風はなく静かな静かな夜となりました。標高2600M弱の山頂直下にいるとは思えない場所でした。やはり森林限界の高い南アルプスならではといったところでしょうか。

【明るくはなるも夕陽は見えず】
 

【撤収を完了した頃に夜明けの光が射しこんで】 
 2日目の朝を迎えます。それなりに寝られたとは思いますが、やはり夜通し喉が気になって熟睡とまではいかなかったようです。暗い時間帯に樹林帯を抜けることができれば素晴らしい景色が眺められそうですが、上記のような体調の問題と、ルートがわかりにくいという先入観があって明るくなって動けばいいかなという思いから、全体的に準備が遅れてしまったように思います。

 撤収が完了した頃にはちょうど夜が明けていて、光の当たった木々が赤く染まっていました。これが稜線で見られたら最高だと思いましたが、2721M峰まででも最低1時間ですから、出るにしてもかなり早い時間に出ないと厳しかったでしょう。
 樹林帯の道は明瞭で、荒れているということもありませんでした。むしろよく整備されているのではないかなと思います。この明瞭な道と素晴らしい御来光を見てはもっと早く出発すれば良かったと思うわけですが、あくまで結果論ですね。これもまた結果論ですが、最終的に三伏峠に到着する直前から土砂降りに遭いましたので、もう1時間早く着いていればと今記録を作成していて思うのでした。

  ただし、寝る時間はそれなりに稼げましたので、夜は風邪がどうなることかと思いましたが、歩き始めるとそれなりに持ち直して来ます。しばらく緩やかな樹林帯の道を歩いて行きます。お花は最初はちらほら程度でしょうか。

【木々の合間より夜明けの太陽】

【ゴゼンタチバナ】

【コバイケイソウ】

【ハクサンフウロ】
 しばらく緩やかな道を進むと2721M峰への登りになります。急登とまではいかなくてもそれなりの登りです。このあたりになると、ハクサンフウロなど若干の花が見られるようになって来ました。

 そして、樹林帯を抜けて一気に展望が広がったと思ったら間もなく2721M峰です。この樹林帯を抜けたところが森林限界になるようです。ここからは、これから向かう蝙蝠岳はもちろん、側面には悪沢岳、振り返るとこの日出発した徳右衛門岳が見えました。他の山々も見えていましたが、靄がかかっていて残念ながらすっきりとは見えませんでした。この日に土砂降りのあった後、翌日以降の展望は比較的クリアであったことから、しばらく晴れが続いて塵などが浮遊していたせいかもしれません。

【露に濡れたイワツメクサ】

【樹林帯を進む】

【2721M峰から徳右衛門岳を振り返る】
 2721Mからのルートはまず緩やかに蝙蝠岳との間の鞍部に下って行きます。緩やかなのであまり下っているという感覚もないかもしれません。ハイマツ帯なども通りますがルートは明瞭です。

 そして、鞍部の向こうにやや背丈のあるハイマツ帯が見えたので、途中のハイマツ帯全体が見える場所でルートを探します。すると中央右寄りに離れた場所でもそれとわかるようなルートがありました。その後実際歩いてみるとルートそのものは明瞭で、やや脇から突き出たハイマツがうるさいくらいでしょうか。濡れているとびしょびしょになってしまうかもしれません。

【悪沢岳と中岳】

【小河内岳から烏帽子岳の稜線】 

【端正な姿をしている蝙蝠岳への道】

【蝙蝠岳の左奥には塩見岳】

【明日歩く右の烏帽子岳から左の中岳付近まで連なる稜線】

【鞍部手前よりハイマツ帯のルートを探る 右寄りの場所にルート有】

【ハイマツ帯を抜けた後は右手の肩のような場所を目指してやや回り込むようにザレた道を登って行く】

【ようやく頂上碑が見えて】 
 ハイマツ帯を抜けると今度はザレた道が続きます。ここもガスで視界がないのでなければ、だいたい山頂までのルートは描けると思いますので、特に問題はないのではないかと思います。地面がかわいていれば多少は人が歩いている箇所がわかるのと、所々でペンキマークもあったりします。

 最後までなんとか登り切ると蝙蝠岳山頂に到着です。今回の主要目的である蝙蝠尾根の、ルートが不明瞭とされている部分はなんとか抜けることができました。なお、山頂直下には若干窪んだあたりにスペースがあってテントが1張ありました。ここなら最高のロケーションでしょうね。

【蝙蝠岳山頂へ】

【山頂直下のスペースにはテントが】

【頂上碑】
 テント泊をしていた方はこの日はゆとりがあるのか、自分が山頂に到着した時もまだテント内にいてのんびりしているようでした。

 山頂からは見事な展望が広がっています。歩いて来た徳右衛門岳からの稜線はもちろんその右奥には笊ヶ岳も見えています。さらに右に転じれば迫力のある悪沢岳と中岳が見えていて、恐らくその間に見えているのが赤石岳あたりでしょう。その右は翌日歩く烏帽子岳から小河内岳の稜線、その先には堂々とした塩見岳が見えていました。最後に白峰三山と思ったのですが、北岳は間ノ岳の奥で見えていないようなので、白峰二山でしょうか。文字通り360度のパノラマが広がっていたのでした。

【2721M峰から徳右衛門岳へ続く稜線と悪沢岳〜中岳】

【翼を開いたような塩見岳】

【塩見岳へ続く稜線】

【山頂付近を振り返る】 
 惜しむらくはその靄っとした景色ですが、展望がクリア過ぎるとあまりに景色が素晴らしくてなかなか先に進めないかもしれませんね。

 蝙蝠岳山頂は塩見岳方面に緩やかに広がっていますので、少し塩見岳方面に移動して塩見岳を眺めることにしました。すると、塩見岳に繋がる稜線が見事に見えていますし、また、両翼を広げたような塩見岳が素晴らしいです。正直塩見岳がこれほど格好のいい山だと思ったのは初めてでした。太陽に雲がかかって暗くなりかけていましたが、ぎりぎりで光の当たっている塩見岳を眺めることができたのは本当に良かったと思います。この後しばらくすると、塩見岳と太陽との間が雲に覆われて塩見岳が暗くなってしまいました。

【間ノ岳〜西農鳥岳〜農鳥岳〜広河内岳の稜線】

【塩見岳をズーム】

【塩見岳までの稜線】

【正面に塩見岳 このあたりのハイマツ帯はややうるさいか さらに下ると一旦森林限界の下へ】

【樹林帯を抜けて登り返して行くと再び稜線歩き】

【ウサギギク】 
 山頂での休憩もそこそこに塩見岳を目指します。まずは一旦ザレた道を下って行きます。すると間もなくハイマツ帯が時々現れます。このあたりは、結構背丈のあるハイマツもあって歩きにくい箇所もありました。特に若干濡れていたところもあって、早朝に通過する時は結構濡れてしまうかもしれません。

 さらに下って行くと樹林帯に入ります。蝙蝠岳手前の2721M峰からは、森林限界を越えた稜線歩きだと思っていたので驚いてしまいました。樹林帯に入った後は緩やかな道を歩いて行きます。このあたりは高山植物が所々で咲いていました。

【ハクサンフウロ】

【オトギリソウ】

【クルマユリ】

【ミヤマキンポウゲ】

【樹林帯のトラバース道】

【ヨツバシオガマ】

【ツマトリソウ】
 しばらく樹林帯を歩いて再び高度を上げて行くと再び森林限界を越えて行きます。ザレた登りが続いていますが、北俣岳付近までは比較的歩きやすい道が続きます。蝙蝠岳付近のハイマツ帯の間を通るような場所もありません。ただし、登りは登りですのでテント装備ではペースは上がりません。それでも、この日は塩見岳まで上がれば後は基本的に下るだけですので楽な方でしょう。

 徐々に北俣岳付近あたりから岩場に入って行きます。離れた場所から見てもギザギザの稜線でしたが、実際岩場のアップダウンが続きます。このあたりにも意外といろいろな花が咲いているのですが、さすがに足場が不安定な場所もあるので、落ち着いて花を眺めたり撮ったりするのが難しい所もありました。

【(ウラジロ)ナナカマド】

【キバナノコマノツメ】

【蝙蝠岳と悪沢岳と青空】

【ザレた道を登り返して行く】

【蝙蝠岳を振り返る】

【再び森林限界を越えて】

【角度を変えて塩見岳 双耳峰が見えて少し丸みを帯びた山頂に】

【一旦岩場を下って登り返す】

【蝙蝠岳からの稜線を振り返る】

【ミヤマコゴメグサ】

【タカネツメクサ】

【ミネウスユキソウ?】

【オンタデ】

【イワギキョウ】

【岩場とザレた道を慎重に下る】
 岩場は比較的歩きやすいトラバース路で若干切れ落ちているところはありましたが、急斜面の上り下りのある場所ではそのような場所はなかったので、あまり怖さを感じることなく進んで行けたと思います。そのままでも下れそうでしたが、念のため体の向きを変えて三点支持で下った箇所もありました。日帰り装備ならそのままでも下れたかなというレベルの岩場でした。

 岩場と言ってもそれほど長い距離ではありませんので、しばらく歩くと北俣岳分岐に到着です。ここまで来ると結構歩いている登山者を見かけます。やはりお盆の時期ということで、このやや日数の必要なルートを歩いているのでしょう。

【見た目ほどの場所ではないですが慎重に】

【塩見岳東峰と西峰】

【三峰岳へ伸びて行く仙塩尾根を見下ろして】

【北俣岳分岐】
 なお、分岐に到着した時に分岐で写真を撮っていた夫婦の方がそのまま蝙蝠尾根の方に歩いて行かれました。実は、ブロガーさんのまきchinさん(青い山、白いヤマ)でこの後蝙蝠岳を経て二軒小屋に下って行かれたのでした。

 分岐では少し休憩することも考えましたが、ちょっと立ち止まる程度にして先に進むことにしました。分岐からはそれまでのような岩場こそありませんが、塩見岳に向かって登って行きますので、なかなか体力は消耗させられます。このあたりも結構花が咲いていて目を楽しませてくれました。大きく広がるお花畑こそありませんが、随所に咲いている感じでしょうか。

【塩見岳への道】

【やせ尾根を通る】

【コウゾリナ】

【ハクサンボウフウ?】
 
【見事なタカネグンナイフウロ】

【ウメバチソウ】

【ムカゴトラノオ】

【ミヤマダイコンソウ】

【シコタンソウ】

【シコタンソウの群落】 

【センジュガンピ】

【イワオウギか】

【イブキジャコウソウ】
 徐々にガスに覆われつつある稜線を登って行きます。下って来る人も多いですが、お盆の真っ只中であることを考えれば静かなものかもしれません。最後岩場を登って行くと塩見岳山頂に到着します。先に最高点のある東峰になります。ここは、少しよじ登ったところに頂上碑があります。

 西峰は人が多そうだったので東峰直下で少し休憩をします。前回登った時は良く見えていた展望も、今回はほとんどガスの中でした。今回は蝙蝠岳にいた時まではなんとか展望が開けていたので良しとするべきでしょう。塩見岳からの展望はまた訪れた時の楽しみとします。休憩後西峰に向かい、少しガスの切れた展望を眺めた後、三伏峠への下りに取り掛かります。 

【東峰山頂と展望はガスの中】 

【東峰直下より西峰】

【西峰から東峰と歩いて来た稜線を眺める 東峰のすぐ左が蝙蝠岳でしょうか】 

【天狗岩と三伏峠への稜線】 

【ザレた道を慎重に下る 正面は天狗岩】 

【塩見岳を振り返る】 

【塩見岳と天狗岩】 

【塩見小屋】
 塩見岳直下の岩場は注意して下ります。手を使って下る箇所こそほとんどなかったものの、とにかく登山道がザレているので、注意しながら下って行きます。また、テント泊装備でザックが重いのでバランスを崩さないように慎重に下って行きました。ここは、1回登っているわけですが、正直これほど険しかったかなと思ったのでした。前回は日帰りでしたので、そのへんの違いもあるかもしれません。

 岩場を通り天狗岩の脇を抜けて下ると塩見小屋です。時間帯の割には静かでした。あとは、慎重を要するところはありませんので、少しのんびりしてから出発しました。

【正面は権右衛門山】 

【塩見新道分岐ですが塩見新道は通行止めようです】

【南アルプスらしい樹林帯の道】 

【早くも紅葉?】

【本谷山山頂】

【クモマニガナ】

【タカネマツムシソウ】

【ミヤマアキノキリンソウ】
 塩見小屋からは比較的順調に下って行きます。ここは、三伏峠まであまり標高差がなく、アップダウンが続くので、距離感が少しつかみ辛いです。南アルプスらしい樹林帯の道を歩きながら三伏峠へ向って行きます。

 道中僅かな時間の休憩は入れて行きましたが、あまり空模様もぱっとしなかったことから、長い休憩は取らずに下って行きます。いくつかのアップダウンを経て、がんばって登って行くと本谷山に到着です。これであとは緩やかに下って行くだけです。あともう一息というところですが、完全に空が雲に覆われて時々ぱらぱらっと雨が降って来ました。ただ、この時は一時的なものだろうと思う程度のものでした。

【マルバダケブキのお花畑】

【マルバダケブキ】

【急に天候の悪化した稜線】

【三伏山山頂】

【分岐 左:塩見岳 右:水場及び小河内岳方面】
 下る途中にマルバダケブキの見事なお花畑が続いていました。写真を撮りつつ下って行きそろそろ三伏山に近づいたかなと思う頃見晴らしのいいはずの稜線に出ます。しかし、稜線は完全にガスに覆われている状態で、三伏山に到着した時には本格的な雨が降って来ました。今思えばザックカバーだけは付けておくべきだったと思うのですが、結局そのまま三伏峠小屋まで土砂降りの中駆け込んだのでした。

 小屋でテント泊の受け付けをした後はしばらく雨宿りします。少し小雨になったかなと思った頃テントの設営に行ったのですが、これが失敗で再び土砂降りとなり、結局ずぶ濡れのまま設営をしたのでした。特に設営を開始した頃にすぐ脇に落ちた稲妻を見た時には本気でこれはしまったと思うような雷が落ちたのでした。稲光や音がすごいのはもちろんですが、地面もかなり震動していましたね。本当に南ア南部ではよく雷に遭います。稜線でないだけ良かったですが、それでも生きた心地はしませんでした。
 
【雹が一段落した後の三伏峠テント場】

【雹の結晶】

【随所に残った雹が雪のように】
 
【水場(左)分岐 右は翌日歩く縦走ルート】

【土砂降りで登山道は小川に】 
 その後も思ったよりも長引いて、結局4時過ぎまでひどい状態が続きました。この時ひどい寒気がして、風邪まで悪化したのかと思ったのですが、それは雹が大量に降ったからでした。それで急激に気温が下がっていたために寒かったようです。

 雨がやんだのを見計らって水場に向かいます。登山道は小川になっており、脇には雹が雪のように積もっています。初冬にでも訪れたような気分ですね。ちなみに水場までは結構距離がありますので登山靴が良いと思います。サンダルで歩いて結構歩きづらそうにしている人を見かけました。実は小屋では曲がる場所は教えてくれるのですが、距離的なことは言ってくれませんでした。自分は事前に知っていたので問題はなかったのですが。テントに戻った後、土砂降りではないにせよそれなりの雨が再び降ってきました。翌日は晴れの予報ですが、どうなることでしょうか。

【水場の小屋】 

【翌日は晴れるのでしょうか】 


山行記へ戻る

ホームへ戻る