こうもりだけ・しおみだけ・おごうちだけ・わるさわだけ・あかいしだけ
 蝙蝠岳・塩見岳・小河内岳・悪沢岳・赤石岳(3日目)
 登山日: 2013年8月14日(水)〜8月18日(日) 
 標高:2599m(徳右衛門岳) 2865m(蝙蝠岳) 3052m(塩見岳) 2726m(烏帽子岳) 2802m(小河内岳) 3141m(悪沢岳) 3120m(赤石岳)
 累積標高 約5000m(椹島から悪沢岳まで約2020m)


 8月14日(水)    椹島 7:50 → 二軒小屋 10:30(〜50) → 蝙蝠岳登山口 11:20
   徳右衛門岳 15:25
 
 8月15日(木)   徳右衛門岳 5:20 → 2721M峰 6:20(〜30) → 蝙蝠岳 7:00(〜40)
    北俣岳分岐 9:40 → 塩見岳 10:20(〜50) → 塩見小屋 11:40(〜50)
   本谷山 13:15 → 三伏峠小屋 14:00
 
 8月16日(金)    三伏峠小屋 4:10 → 烏帽子岳 4:50(〜5:30) 
   避難小屋〜小河内岳 6:40(〜7:10) → 板屋岳 9:10
   高山裏避難小屋 9:50(〜10:10) → 中岳避難小屋 13:20
     
 8月17日(土)    中岳避難小屋 3:45 → 悪沢岳 4:35(〜5:45) 
   中岳避難小屋 6:30(〜7:10) → 前岳 7:40 → 荒川小屋 8:45(〜9:50) 
   小赤石岳 11:45(〜12:05) → 赤石岳〜避難小屋 12:30
     
8月18日(日)    避難小屋〜赤石岳 6:30 → 富士見平 7:50(〜8:00)
   赤石小屋 8:20 → 椹島 11:40

 

 3日目の朝を迎えます。前日の疲れはそれほどでもなかったとは思うのですが、風邪による体の重さは相変わらずで、予定通りの時間に起きたもののなかなか撤収がはかどりません。テントが濡れたままで、中のあちらこちらが湿っていたこともあるでしょう。この日はできれば烏帽子岳で御来光を眺めたいということで、3時半過ぎくらいには出発したいと思っていたのですが、結局撤収に時間がかかって4時過ぎの出発となりました。まだ暗い時間でしたが、既に出発している人もちらほらいました。やはり前日の午後の大荒れの天気を見て、早め早めに動こうとしている人が多かったのかもしれません。

 御来光は5時頃で烏帽子岳までのコースタイムは約1時間と厳しい時間になってしまいましたので、それなりのペースで登って行きます。

【日が昇る前になんとか烏帽子岳へ】
 
【夜明け前の塩見岳〜蝙蝠岳〜富士山の眺め】 

【夜明け前の富士山】

【塩見岳はまだ黒いシルエットのままです】

【前小河内岳から小河内岳へ続く稜線】

【御来光を眺めて】

【御来光直後の眺め】

【御来光後に頂上にて】 
 なんとか日が昇る前に烏帽子岳山頂に到着することができました。急いで写真を撮る準備をします。軽い三脚を持って来て使ったものの、それほどの写真は撮れなかったかなという感じでしょうか。この翌日に風で倒れて壊れてしまった三脚はほとんど自分撮りのため用となってしまっていたのでした。

 雲もそれなりにあったように思いましたが、無事御来光を眺めることができました。この頃になると続々と三伏峠から上がって来る人もいて、そのまま先に進んで行きます。自分は、もう少し山頂での景色を楽しんでから出発することにしました。

【夜明け直後の富士山の周りは赤く染まって】

【山頂で咲いていたタカネマツムシソウ】 
 すっかり明るくなった頃小河内岳に向かって出発です。まずは、緩やかに下って前小河内岳を目指します。歩きやすい稜線の道が続きますが、このあたりは一部崩壊が進んでいる箇所があるので、そこだけは注意です。トラバース気味に進んで行くと小河内岳手前の鞍部に向かって下って行きます。

 鞍部まで下った後は小河内岳まで登り返して行きます。それほどの標高差があるわけではないのですが、なかなかしんどい登りとなりました。小河内岳手前に避難小屋との分岐があります。少しトイレを借りたいと思っていたので、休憩も兼ねて避難小屋に寄ることにしました。

【前小河内岳〜小河内岳の稜線 奥には荒川岳】

【烏帽子岳を振り返る】

【崩壊が進んで付け替えられた登山道】 

【チングルマの実】

【小河内岳を眺めて 肩には避難小屋】

【思ったより苦労しながら登って行く】

【避難小屋分岐】

【避難小屋へ】

【小河内岳避難小屋】  
 ちょうど避難小屋に着いて休憩をしようと思った時小屋の御主人が出て来られたのでいろいろな話を聞かせてもらいました。前日の雷雨のことや今年はあまり富士山が見えないことなどを話されていました。今回2つの避難小屋に泊まり、2つの避難小屋に立ち寄ったわけですが、どの小屋の御主人も個性的で話をしていて楽しかったですね。

 ちなみにロケーションは最高で、塩見岳からぐるっと荒川三山まで見渡すことができます。また、烏帽子岳と同様に富士山も見ることができます。恐らく御来光もいい位置で見ることができるのではないでしょうか。水を含めて基本的には全て持参する必要がありますが、いつかこの避難小屋にも泊まってみたいと思います。

【荒川三山と赤石岳付近から大沢岳への稜線の眺め 左奥まで行けますが行き止まりです 景色が良さそうですが今回はパス】

【烏帽子岳から前小河内岳を経て連なる稜線と右奥は塩見岳】
 
【小河内岳頂上碑】
  
【荒川三山】
 
【これから歩く稜線を眺めて】
 
【樹林帯へ】 
 
【気持ちの良い草原】
 
【ウメバチソウ】

【ミヤマコゴメグサ】 

【シナノキンバイ】 
 避難小屋を後にしてまずは小河内岳山頂に向かいます。分岐まで戻ればすぐに山頂に到着です。ここからは避難小屋と同様の素晴らしい景色が広がっています。避難小屋で十分休憩したので、写真だけ撮ったら先に進みます。この後はしばらく展望がありません。

 しばらく下って行くとやがて樹林帯に入ります。このあたりは森林限界の下になるので樹林帯が続いています。樹林帯に入ると展望はなくなりますが、日光を遮ってくれるので比較的涼しくて快適に歩くことができます。また、このあたりは高山植物が豊富で花を撮りながら進んで行きました。特にマルバダケブキのお花畑は見事でした。
 
【マルバダケブキのお花畑】

【マルバダケブキ】

【ミヤマアキノキリンソウ】 
 
【樹林帯の歩きは続く】

【ムカゴトラノオ】
 
【ハクサンフウロ】

【ミヤマトリカブト】 
 
【アザミ】

【ヤマハハコ】

【タカネマツムシソウの群落】

【ハクサンボウフウ?】

【ガレ場の開けた場所へ】

【タカネマツムシソウ、タカネナデシコなどのお花畑】 

【確か小河内岳だったと思います】

【ナナカマドの実】
 距離感はないのですが、着実に稜線を進んで行きます。アップダウンはあるのですが、あまり登り下りを意識するほどの高低差はなかったと思います。結構歩いたかなと思った頃開けたガレの縁に出ます。ここで休憩を取りました。

 ここにもお花畑があって目を楽しませてくれます。少し休憩をしたらとりあえず高山裏避難小屋に結構近づいていたのでそちらを目指します。小屋で少し長めの休憩をするつもりでした。休憩後に歩き始めて間もなく板屋岳山頂に到着です。といっても、頂上碑がなければいつ山頂を通ったのか気付かないような山頂でした。

【タカネグンナイフウロ】
 
【トモエシオガマ】

【一見山頂には見えない板屋岳】 

【再びマルバダケブキのお花畑】

【黄色い絨毯のように咲くマルバダケブキ】

【崖際の登山道 実際は内側を通っているところが大半です】

【ガレ場を振り返って】

【わくわくするような樹林帯の道】

【一旦樹林帯を抜けると】 
 板屋岳を過ぎると間もなくマルバダケブキのお花畑があります。これは、途中にあったのと同じくらいの規模でしょうか。驚いたのはその後の緩やかな斜面のお花畑で、これはまさに一面のお花畑と言うに相応しい密度でお花が咲いていました。マルバダケブキは全体的に咲き終わったものが多かったですが、ここはまだ見事なお花畑だったのでした。他にも咲いていたらすごいお花畑になっただろうなという場所はありました。

 見事なお花畑の直後にガレの縁を通る道があります。ほとんど内側に登山道が付いていますので縁は歩きませんが、崩壊が結構進んでいるようです。このような崩壊地は南アルプス南部ではよく見かける気がします。

【お花畑と高山裏避難小屋】
 
【小屋の奥には荒川岳が】

【タカネナデシコ】

【避難小屋前のベンチで休憩】

【テント場にはナンバーがあります】
 その後樹林帯を抜けて、一旦見晴らしのいいトラバース道を抜けて下り始めると下に高山裏避難小屋が見えます。お花畑の中にある感じで素晴らしいです。山間にある小屋ですが、見上げると荒川岳も見えています。この後の荒川岳への登りが長丁場になりますので、ここで少し長めの休憩を取ることにしました。

 休憩をしていると水場に行っていた小屋の御主人が戻って来て、どこに泊まるのか聞かれたので中岳避難小屋に泊まると伝えたところ、名前を聞かれてすぐに無線で中岳避難小屋に予約を入れてくれました。ちなみに隣に座っていたお2人も同じく中岳避難小屋に泊まる予定だったので、合わせて予約をしてくれました。

【庭のような景色】 

【最初はなだらかな道を進む】
 物言いはぶっきらぼうなところもあるのですが、話がストレートなのでいろいろ話をしていて楽しかったです。実は結構有名な御主人だったのを後で知りました。時間的には余裕があったのでもっと話をしていたかったところですが、さすがに前日にひどい土砂降りに遭っており、本日の目的地がまさに3000m級の山々の稜線上にあることから話もそこそこに出発することにしました。実際一昨年には赤石岳避難小屋手前で天気が急変してひどい雷雨にあって停滞を余儀なくされたことがあったのでした。

 小屋の奥にはテント場があります。それぞれのサイトにナンバーがあったので、先に小屋で受付をしてナンバーをもらう方式のようです。確か百間洞もそのような方式だったような気がします。

【水場】

【再び歩きやすい道に】

【部分的には険しい岩場も】
 最終的には荒川三山の稜線に突き上げて行くことになりますが、登りに取り付くまでは比較的なだらかで快適な道が続きます。しばらく歩いて行くと水場があります。この水場が心配でしたが、小屋の御主人が大丈夫と言っていたので安心して向かったのでした。前を歩いていたグループも水を汲んでいたようで、自分が到着した時にちょうど出発して行きました。

 中岳避難小屋では、宿泊者に限って調理用に使う水に限り1リットル程分けてもらえる(煮沸が必要) とのことでしたが、一応いつも持っている飲み水の2リットルに加えて2リットルを担ぎ上げることにしました。小屋で飲み物を買うことや、翌日荒川小屋まで行けば水場があるのでそんなにはいらないと思うのですが一応持って行くことにしました。

【カラマツソウ】

【徐々に登りに】

【ミヤマキンポウゲ】
 この水場は中岳避難小屋に泊まる場合もそうですが、反対に高山裏避難小屋や小河内岳避難小屋に泊まる場合も汲んでおく必要があります。特にこの2つの小屋は飲み物類の販売をしていないようなので尚更注意が必要かもしれません。ただ、ビールを買ったという記録も見た気がするので、時々は入れているのでしょうか。

 水を汲んで重くなった身で歩いて行きます。長い登りがあることを思えば少し気が遠くなりますが、ここさえ登ってしまえば本日の目的地まではあと一息となります。もうしばらくなだらかな道を歩いた後に、トラバース気味の道があり、本格的な登りに差し掛かります。 

【ヨツバシオガマ】

【上を向いてひたすら登る】

【ウサギギク】
 やはり急登になるとしんどくて、少し歩くとどうしても足が止まってしまいます。ペースを落としつつ少しずつ登って行きます。稜線の方はガスがかかっていましたが、歩いていたあたりは見事に晴れていたので、結構暑いのもありました。途中で一旦休憩を挟んで、再び登って行きます。

 このあたりもというよりは、この日は1日を通してどの場所も万遍なく花が咲いていました。この登りでは多くはありませんでしたが、所々で咲いている花を眺めながら登って行きます。高度を上げて行くと振り返った時に歩いて来た山々がよく見えて来るのも良かったです。

【ソバナ】

【ミヤマダイコンソウ】

【本日歩いて来た稜線を振り返る】 

【ひたすらガレ場を登って行く】 

【タカネツメクサ】
 樹林帯を抜けると突然開けてガレ場が広がっています。ここをひたすら稜線に出るまで上がって行きます。これだけの規模になると圧巻です。ただし、九十九折れに道が出来ているのと、岩の大きさが足を置くのにちょうどいいくらいなので、所々でザレて多少は歩きにくいものの、概ね歩きやすい道となっています。直登すると急ですが、九十九折れに道が付いていますのでその点でも問題ありません。

 ゆっくりゆっくり登って行きます。着実に登っているつもりでしたが、稜線までは遠く、もうすぐかなと思ったらまだまだだったりしました。

【左のタカネヒゴタイと右のイワツメクサ】 

【ミヤママンネングサ】 

【近そうで遠い稜線への道】 
 下から見た時に稜線がガスに覆われていましたので、登るに連れてそのガスの中に入って行くことになります。天候が崩れる方向に向かわなければいいなと思いつつ登っていました。ガスもずっと覆っているわけではなくて、晴れたり再び発生したりの繰り返しでした。

 稜線も近づくとガレ場も険しくなって来ます。ガイドでも注意マークが付いている場所で、急斜面のガレ場が続いています。基本的にきちんと歩ける幅の登山道が付いていますので問題ありませんが、切りたった側にはあまり寄らないようにした方がいいでしょう。ここを登るといよいよ稜線というより前岳だと思っていたのですがまだもう少しありました。

【ガレ場の最後の登り 右側に注意】

【イワギキョウの群落】


【いよいよ稜線と思ったのですが・・・】

【トウヤクリンドウ】

【登って来た道を振り返ると下にはガスが】 

【左奥の前岳までは小さなピークを越えて行く】 

【中央左奥に悪沢岳が見えて】 
 
【厳重注意のガレの縁】

【前岳は展望なし】 
 確かに登り切ると稜線には出るのですが、前岳までは小さなピークを越えて行く必要があります。また、見たところなかなか険しそうでしたので、一気に中岳避難小屋まで行くのをやめてこの稜線出合で休憩をすることにしました。

 なんと、ここで休憩をしていたら×マークが付いたところから人が出て来て三伏峠はどちらか聞かれたのでした。×マークがなければ確かにそのまま稜線を行ってしまいそうな場所ではありましたが。反対側にルートを取る時は下降点に念のため気を付けた方がいいのかもしれません。結構なガレ場でしたが事故もなく登り返せたのは良かったなと思いました。

【中岳と悪沢岳】

【中岳山頂】
 稜線は完全にガスの中だと思っていたのですが、意外とガスが晴れることもあって、さすがに赤石岳までは見えなかったですが、中岳や悪沢岳は時々顔を出していました。

 休憩後はまず前岳に向かいます。見た目程険しい道ではないですが、小ピーク手前の道の一部が完全に切れ落ちているので注意です。崩壊が進んでいるとしたら登山道を歩いていても危険ではないかと思う場所でした。前岳の頂上碑も位置を下げたという話を聞きましたし、現在も崩壊が進行中のようです。実際道も何回か付け替えられた跡がありました。前岳に到着しましたが、ガスで展望はないのでそのまま進みます。
 翌日下る荒川小屋方面への分岐を過ぎて少し歩いて行くと中岳山頂に到着です。荒川三山の2山はすぐに登れてしまいますね。展望もあまりないので、そのまま避難小屋まで移動します。この日は無事に雨などに降られることもなく目的地に到着することができました。結果としては天気が崩れたのは前日の午後だけでした。避難小屋に到着したらそのまま受け付けをしました。

 時間も早いですので悪沢岳に往復する時間はありましたが、このガスの中ではあまり展望が望めなさそうでしたし、翌日の日程に余裕があったので翌朝登ることにしました。時間に余裕が出来たのでビールを飲んで小屋前でのんびりします。そこで隣の単独行でテントを担いでいた方と話をしたのですが、山レコをやっているkanaritenさんでした。歩いている人が多くはないので、記録があるとだいたいわかりますね。楽しくいろいろな話をさせていただきました

【頂上碑】

【ガスが一時的に晴れた悪沢岳】 

【夕陽は見えず雲が少し赤く染まったのみ】 

【日が暮れた後の小屋を見下ろして】
 外はガスでほぼ展望がなくなって涼しくなって来たので、中に入ってのんびりします。お盆でしたので宿泊客はかなり多いのかなと思ったのですが、それほどではなく結局宿泊者は13名でした。どうしても一昨年の激混みだった赤石岳避難小屋の時が思い出されてしまいます。その時は雷雨があったという特殊事情があったわけですが。

 小屋の中では、既に到着していた宿泊予定の方や御主人との会話が弾みました。長い時間話をしていたのでいろいろな話を聞くことができました。ちなみに小屋を開けている期間ずっと1人で切り盛りをしているとのことで恐れ入りました。
 その後、悪沢岳を往復していた方や遅れて到着した方なども加わって話が盛り上がります。そのまま、1階のスペースで食事を取って、その後2階の就寝スペースに移動しました。定員は20名で20名前後であれば快適に泊まれるようです。

 さて寝ようかと思ったのですが、外が明るくなってもしかして夕陽が見られるかもしれないということで、誰かが外に出て行きました。つられて結局みんなで見に行くことになりました。残念ながら夕陽は見られませんでしたが、御主人を交えて小屋の外でしばし歓談に耽ったのでした。今回日程を変更して泊まることになった中岳避難小屋ですが、アットホームな雰囲気で本当に泊まって良かったと思います。

【御主人を囲んでの語らいは続く】 


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