からさわ・びょうぶのみみ
 涸沢・屏風の耳
登山日: 2013年10月6日(日)   標高:2565m(屏風の耳)
    標高差:釜トンネル入り口から約1240m

地図は奥穂高岳登山時(2011年9月10日)のものを参照

 10月6日(日)    釜トンネル入り口 23:25 → 上高地 0:45(〜1:05) → 明神 1:45
   徳沢 2:30(〜50) → 横尾 3:40(〜4:00) → 涸沢 5:55(〜9:00)
   屏風の耳 10:40(〜11:00) → 奥又白池分岐 12:30 → 徳沢 13:15(〜45)
   明神 14:25(〜35) → 上高地 15:20 ・・・ 中ノ湯バス停 16:05

 

 本日は紅葉の涸沢に向かいます。本当はkazuさんイガイガさん達と土曜日に入山する予定だったのですが、金曜日の仕事が遅くてとても土曜日の早朝に現地入りすることができなかったことと、最近体調が悪くて疲労もたまっていたので断念したのでした。特に最近膝の調子が悪かったのですが、整体に行ったところ腰の状態が相当ひどくてそれが膝に来たのではないかとのことでした。治療によってある程度は治ったことと、天気もある程度は回復しそうでしたので、日曜日に日帰りで涸沢を目指すことにしたのでした。

 土曜日に入ったみなさんと合流してモルゲンロートに染まる涸沢を見たいということで、今回のルートを計画したのですが、結果として失敗したことを除いても少し厳しい計画でした。

【安房峠旧道入口分岐】
 
【釜トンネル入口前ゲート】
 上高地に入るには沢渡や平湯でシャトルバスに乗り換えて向かわなければなりません。当然日帰りということになれば日曜日の朝に入るわけで、お昼前に入ることができれば御の字でしょう。日帰りの軽い荷物であれば、涸沢までの往復は自分の脚力でも何とかなるレベルですが、それでは早朝に涸沢までは入れません。

 そこで、通常シャトルバスで移動する場所を歩いて行こうということです。今回の計画では早い出発に対して全く睡眠時間を確保できなかったのが、最大の誤りだったと思います。ただし、睡眠時間が十分確保される程早く入れるなら夕方あたりに上高地に入って徳沢あたりで泊まればいいわけで、計画に無理があるというよりもあまり合理的ではなかったと思います。日帰りということにこだわる企画であれば別ですが。
 
【釜トンネル入口】

【現在の釜トンネルは2005年建設】

【誰もいない釜トンネルを歩く】
 
【大正池ホテル】
 夜10時頃には現地入りして準備ができたら出発です。釜トンネル入口まで下って行くので問題ないと思っていたのですが、帰りの登りで苦労させられることになります。

 入口は基本的に夜間通行止めということで立派なゲートがありますが、徒歩では通過することができます。ゲートを抜けると釜トンネル入口があります。この時間はそもそも通る車などは緊急の車くらいしかないのですが、2005年に建設されたこの釜トンネルはセンターラインのある道路で、脇には歩けるだけのスペースもありますので、車が走っている時間帯でも歩けると思います。ただし、トンネルを抜けた後は道路の脇を歩くことになると思いますが、交通量が多い時間帯は少し危ないのではないかと思います。足の水ぶくれがひどくてこれ以上歩きたくなかったのもありますが、帰路にバスで中ノ湯バス停まで移動した理由の1つはそれだったりします。

【上高地へ 梓川沿いのベンチで休憩】

【静かな河童橋】

【明神】
 釜トンネルは傾斜が急ということですが、歩いて上がって行く分には特に問題ないでしょう。トンネルを抜けて真っ暗闇の中を舗装された道を歩いて行きます。ここで、睡眠不足の次に誤算となったのが、両足に水ぶくれができたことでかかとの外側部分が痛くなったことです。ソールを変えて3回目ですが、後立山縦走でも問題なかったことを考えると舗装道路歩きが堪えたのでしょうか。

 痛くなるだけで歩けなくなるわけではないので、そのまま歩いたわけですが、後半ボディブローのように響いて来たように思います。その後残念ながら暗がりで何も見えない大正池を経て上高地に到着です。このあたりになるとかなり眠くなってきて、休憩を取る度に少しうつらうつらしてから出発しています。 

【徳沢へ】

【横尾大橋】

【無数の星空を見上げて】

【本谷橋】
 上高地からも横尾まで平坦な道を歩きますが、睡眠不足のせいか力が入らずほとんどコースタイムを稼ぐことができませんでした。当然暗闇で展望はありませんが、夜空に広がる星々だけは本当に見事でした。

 横尾には3時半過ぎに到着します。さすがに夜明けに涸沢は無理だと思って星空を撮って休憩をしていたのですが、その後の頑張りを考えるともう少し無駄なく過ごしていればとも思います。ただし、素晴らしい星空を見上げた時間もまた貴重だった思います。この頃になると続々と徳沢や横尾で泊まっていた方達が涸沢を目指していました。自分もラストスパートにかけて出発します。
 相変わらずのペースではありましたが、涸沢まであともう一息と言い聞かせながら進んで行きます。途中からやや岩のごつごつしたような道も出て来ますが本谷橋までは概ね平坦か緩やかに登る程度の道です。

 橋を渡ったあたりから本格的な登りになって来ますが、登りでペースを上げるために持って来たストックが役に立ってこのあたりは登りの割には結構いいペースで進めたのではないかと思います。思っていた以上に巻き返すことができたのですが、徐々に広がる紅葉が見えて来て、せっかくなのでこれも写真に撮ろうと思って欲を出してしまったのが失敗でした。 

【鮮やかな紅葉に足が止まる】

【光が当たらなくても見事な紅葉】

【穂高の峰々は近づくも涸沢はまだ遠く】

【左手の紅葉も鮮やか】
 これだけの紅葉が見られれば仕方がないとは思いますが、結果的にぎりぎり間に合ったかもしれないモルゲンロートに染まる穂高の峰々を間近で見ることができなかったのでした。それでも、少し離れた場所から見られたのがせめてもの救いでしょうか。5月の積雪時に結構手前からも穂高の峰々を見られたので大丈夫だろうと思ったのですが、無雪期では涸沢ヒュッテあたりまで上がらないとなかなか全容が見られませんでした。

 6時前には涸沢ヒュッテに到着することができましたが、既に赤く染まってはおらずピークを過ぎてしまっていました。それでも見事な景色であることに替わりはありません。

【間に合わなくもモルゲンロートを眺めて】

【強引に撮った北穂高岳のモルゲンロート】

【上部にしか光が当たっていないので濃淡があります】

【見事に染まる涸沢岳】

【カラフルに彩られたテント場】
 写真を一生懸命撮り始めた頃名前を呼ばれます。誰かなと思って振り向くとなんとあっぴろ登山部のウモコちゃんがいました。前々週に奥穂高岳に登っていますが、紅葉を見るための再訪とのことでした。

 しばしおしゃべりをしつつ写真を撮ります。とはいえ、この時点では上部にしか日が当たっていないので、どうしても全体を撮ると日陰部分が真っ黒になってしまいます。時間はありますので、日が当たるのをじっくり待つことにしました。その間涸沢小屋近くまで歩いてkazuさんイガイガさん達を探しましたが結局会うことはできませんでした。後で知ったことですが、奥穂高岳から岳沢へ下られたのでした。

【ほぼ全体に光が当たった北穂高岳】

【ウモコちゃんと記念撮影】
 他にも知り合いの方が来ているかもと思ったのですが、天気予報の悪い週末で翌週に3連休を控えていたせいか、思った程人は多くはなく、結局ブロガーさんではウモコちゃん以外の方には会うことができませんでした。

 その後も、おしゃべりをしたり、日が当たらなくて寒かったのでおでんを食べたりして過ごしました。結局涸沢では3時間以上も滞在していたことになります。到着した時はちょっと奥穂あたりまでという考えもありましたが、その後の足の状態を考えてもじっくり紅葉を楽しんで正解だったと思います。9時前になると手前のナナカマドにも光が当たるようになって、西側はほぼ光の当たった紅葉を眺めることができました。

【涸沢小屋と北穂高岳】

【徐々に紅葉も現れて】

【紅葉をズーム】

【涸沢岳と北穂高岳】

【黄金色に染まる斜面】

【ようやく手前のナナカマドにも日が当たって】

【少し強引な構図?】

【何度眺めても見事な北穂高岳】

【テラスにお邪魔した涸沢ヒュッテ】
 時間に余裕があるとはいえ、帰路も長丁場になりますので、9時過ぎに下山開始です。通常ルートで下るウモコちゃんとは、上高地での再会を期してお別れです。自分は涸沢での景色の次に楽しみにしていたパノラマルートへ向かいます。

 パノラマコースは健脚者のみという看板がありますが、確かにアップダウンがあって、やや険しい箇所のあるコースです。今回は日帰り装備で2回目だから問題ないだろうと思って少し痛い目に遭いましたが、体力を残してきちんと歩けば問題ないと思います。ただ、岩場に慣れない方が大渋滞を作っていましたので、初心者の方は避けた方がいいかもしれません。軽荷で少し歩いて涸沢から往復するのも1つの手だと思います。

【パノラマコースへ】

【日は当たらずも紅葉の見事な道が続く】

【展望地点より涸沢全景を眺める】

【素晴らしい景色に足は進まず】

【下りの斜面も見事に色づいて】

【狭いトラバースルートを慎重に進む】
 パノラマコースは歩き始めから紅葉の中を歩いて行きます。ただし、この時間帯は日陰になっているのでせっかくの紅葉もそこまで鮮やかでないのが残念なところでしょうか。少し歩くと涸沢全体を見渡せる場所が出て来ます。前回歩いた時もここで涸沢を眺めた時は感動させられました。今回はそれに見事な紅葉が加わって本当に芸術的な景色を見ることができたと思います。

 結局近くを歩いていた方にはほとんど道を譲りながら進んで行きます。前回歩いてから時間がたって忘れていたのか思ったよりも険しい道だったのでした。比較的幅の狭い道が続いたり、ちょっとした岩場があるので、危険というよりは集中して歩く必要のある道という感じでしょうか。足場にだけは気を付けて写真を撮っていました。
 今回の反省点はストックをしまわなかったことです。屏風ノコル手前の稜線に出た後は、屏風の耳を往復するルート以外では問題ないのですが、それまでは手を使う場所も出て来ます。ストックがあってもなんとかなるレベルでしたが、ちょっと横着してしまったなと思いました。

 ちなみに、急な場所では渋滞も出来ていてしばらく動かない場面もありました。あまり多くの人は歩いていなかったと思いますが、慣れない方が渋滞を作っていたようです。これで大勢の方が歩いていたら大渋滞になりそうです。

 さて、険しいルートを抜けると稜線に出ます。このあたりは一段と見事な紅葉が広がっていました。屏風の耳を除くと最後となる涸沢方面の展望を通り過ぎるとやがて屏風ノコルへ出ました。

【手を使って下りるところでは渋滞も】

【真っ赤に染まる紅葉】

【右の屏風の耳と左奥に僅かに槍ヶ岳】

【屏風の耳と南方の斜面に広がる紅葉】

【稜線そのものも見事な眺め】

【展望地点から正面に北穂高岳 このあたりでは随分雲が出て来ました】

【屏風の耳を見上げて】

【屏風ノコル分岐】
 前回は登ることなく通り過ぎた屏風の耳ですが、今回は最初から登る予定でやって来ましたので、分岐手前のスペースに荷物を置いて空身で山頂を目指します。見ていて驚いたのは、ほとんどの人が往復していたことでした。涸沢の眺めの次に期待していたこの場所ですので、みなさんも是非登ろうと思って訪れていたのでしょう。

 空身でもしんどい登りが結構続きます。コースタイムは往復50分となっていますが、本当に軽く見ていると痛い目に遭いますね。見事な景色に癒されますが山頂が遠く感じました。最後岩場を登って行くと屏風の耳に到着です。小高い山頂が2つありました。

【紅葉を眺めながらの急登】

【北穂高岳〜南岳から槍ヶ岳に続く稜線】

【金色の絨毯と穂高の峰々】

【色づいた葉を眺めて】
 山頂からは見事な景色が広がっています。山頂にいた方が話していたように、文字通りのパノラマの景色で、槍ヶ岳から穂高へ続く山々、そして北穂高岳から前穂高岳へ連なる山々がよく見えました。また、その間を埋め尽くす紅葉が眺められて本当に素晴らしい景色でした。ただ、この時間になると雲がかなり湧いてきて山そのものを隠してしまったり、紅葉に影がかかってしまうのは残念でした。それを差し引いても素晴らしい景色が広がっていたと思います。スケールの大きさでは涸沢で眺めた景色以上でしょう。涸沢でのんびり過ごすことで屏風の耳に登るための体力を温存できたのは良かったと思います。
 名残惜しいですが、ここから上高地まではまだかなり距離がありますので下山開始です。 

【ようやく山頂が見えて】

【奥まった場所に見えている奥穂高岳が正面に】

【立派な岩峰が目前に】

【北穂高岳から槍ヶ岳の稜線と谷間の見事な紅葉】

【正面に槍ヶ岳と岩肌の見事な紅葉】

【同じ場所で縦に撮ってみました】

【涸沢ヒュッテとテント場をズーム】

【雲に隠れた前穂高岳と金色の稜線】

【大キレットを眺める】

【お庭のような紅葉した木々】

【紅葉を眺めながら屏風ノコルへ下る】

【再び見えた槍ヶ岳をズーム】

【金色の斜面を九十九折れに下って行く】

【沢を横切って】
 岩場も交えた急な道をコルへ向けて下って行きます。分岐手前に到着して再びザックを担いだら梓川方面へ向かって下って行きます。

 急な斜面ですが九十九折れに道が付いていますので、それほど急な感じはしません。ただ、ザレた道で少し歩きにくい道が続きます。この頃になると、疲労と朝からのかかとの水ぶくれの痛みが堪えて来たのか結構辛くなって来たのでした。ただ、日帰り装備で軽かったので、そのような状態でも割と淡々と下って行けたように思います。途中奥又白池の分岐が出て来て新谷橋までもう一息です。奥又白池は機会があれば行ってみたい場所ですね。 

【奥又白池分岐】

【新村橋へ】

【徳沢】

【御馴染みのソフトクリーム】

【上高地へ】 
 さらにしばらく下って行きます。樹林帯の歩きやすい道も出て来ますが、このあたりになるとあまり余裕はありませんでした。そのまま下って少し林道を歩くと新谷橋です。橋を渡って少し歩くと徳沢に到着です。

 徳沢ではソフトクリームを食べるなどしてのんびり過ごします。とはいえ、もういい時間ですので、それなりに休憩をしたら上高地へ向かいました。いつもこのあたりは疲れ切って歩いているイメージです。脇に見える明神岳は、この時間ではガスでもう見えなくなっているだろうと思ったらまだすっきりを見えていて驚きました。

【明神岳を見上げて】

【河童橋からの景色 こちらの紅葉はこれからでしょうか 穂高の山々は少し雲を被っています】

【ウモコちゃんとアキラさんとの記念撮影】
 午後3時過ぎにようやく上高地に到着です。と同時にウモコちゃんと再会です。徳沢で1時間潰したにもかかわらずここでも1時間待ったとか、いかに自分のペースが遅かったか、いやウモコちゃんが速かったかですかね。

 その後ウモコちゃんのお知り合いのアキラさんとも合流、なんと穂高から大キレットを通って槍まで縦走されていたのでした。自分もいつかは歩いてみたいルートです。あまり長い時間話ができなかったのが残念ですが、いつか山で御一緒したいものですね。

 3人でバスに乗った後、中ノ湯で下りてお2人とはお別れしたのでした。最後予想通りのしんどい登りを経て戻って来ることができました。本当に大変だったのはこの後で、温泉に浸かるまでは良かったのですが、その後は結構な睡眠時間を稼いだ後ようやく帰宅することができました。
 結局、kazuさんイガイガさん達とは合流できませんでしたが、恐らくその話がなければ行くこともなかったであろうこの時期の涸沢に行けたのは本当に良かったと思います。御一緒できればもっと楽しかったのでしょうがね。ただ、素晴らしい景色を楽しみ、ウモコちゃんやアキラさんと出会えたことは本当に良かったと思います。長い長い1日でしたが、それ以上に充実した1日となりました。


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