とりかぶとやま
 鳥甲山(撤退)
登山日: 2013年10月28日(月)   標高:2038m(鳥甲山)
    標高差:ムジナ平から約1020m

地図は前回登山時(2012年10月6日)のものを参照

 10月28日(月)    ムジナ平 6:10 → 小水ノ頭 7:00 → 白ーノ頭 9:10
   カミソリ岩のトラバース(撤退地点前後) 10:00(〜30) → 白ーノ頭 11:00
   小水ノ頭 12:40 → ムジナ平 13:15

 

 本日は鳥甲山に登ります。前日まで栂池オフ会に参加して、そのまま秋山郷に入りました。前夜新潟県境を走っているあたりから雨が降っていて、秋山郷に入っても降っていたのですが、なんとかこの日の朝には無事に晴れてくれたようです。ちなみに、山が冠雪しているだろうとは考えておらず、冠雪した山々を見るまでは、雪があるだろうとは考えてもいませんでした。ただ、時期が時期ですので、ある程度の寒さ対策と軽アイゼンは持っていました。

 車中泊をしているので夜明け前の出発も可能ですが、天候の回復を見るのと、今回の目的は下って来ている紅葉のため、少しゆっくり出発することにしました。結果論から言うと、もう少し遅くて良かったなと思います。

【ムジナ平駐車場(下山時)】
 
【樹林帯を歩く】
 朝周りを見回しても車はありませんでした。一度登っている山ですので、ゆっくり準備して出発です。この時間ですと太陽が山の向こう側にあるため、やや薄暗い中を進んで行きます。気温は起床時は2℃と結構寒かったですが、この標高では風は当たらないので、少し歩き始めるとむしろ汗ばむくらいでした。

 まずは駐車場奥の樹林帯に入って行きます。予想外だったのは、登山口付近の紅葉もやや終わりつつあったことでしょうか。それでもまだ鮮やかだったのですが、まだ日が当たる前でした。下山時にはお昼を回って日が当たらなくなっており、日の当たる時間に通れるように考えれば良かったということで、これがもう少し出発を遅らせた方が良かったと思った理由です。
 ただし、これは結果論であって、前回は3時間で登れたことから、お昼前には下って来られるというのが当初の予定でした。雪に阻まれて大幅に遅れてしまったというのが、悪い意味での誤算であり、一方で雪景色を見られたという意味ではいい意味での誤算でもありました。

 奇しくも、登山を始めた頃に登った苗場山で、予想外の雪に苦労して初めて軽アイゼンを装着したのも、この秋山郷においてでした。この静岡からでは極めて遠い秋山郷に5回も足を運ぶことになろうとは、初めて訪れた時には想像すらしなかったことでしょう。今年もオフ会で、結果としては登りませんでしたが、苗場山に登る予定で6月に訪れています。

【葉の落ちた木も多く】

【日の当たる前の紅葉】

【夜明け】

【日を浴びて鮮やかに輝いて】

【燃えるような紅葉と冠雪した山々】

【紅葉した山と冠雪した主稜線】

【ピークは過ぎたものの日が当たるとまだまだ鮮やか】

【所々に枯れた後が目立つでしょうか】

【小水ノ頭の岩場】
 
【急登を登って行く】
 樹林帯の道は、最初だけは歩きやすかったですが、少し登りにさしかかると、ぬかるんだ土と落ち葉の組み合わせでとても滑りやすくなっています。登りですら何度も足を滑らせるような道でした。その後、ところどころで岩の混じった道になりますが、多少濡れて滑ってもぬかるんだ道よりは歩きやすかったでしょうか。ひたすら登って行く途中東側の山より太陽が現れます。それなりに高い位置から出て来ますので最初からとても明るいですね。

 その後も標高を稼いで行くと小水ノ頭に出ます。梯子が新しくなっていましたが、前回同様に、梯子は使わずに左手にトラバースしてそこから登って行きます。登って一息ついた後も、再び急登が待ち受けていますが、この岩場を除けば険しい箇所は当分ありません。

【金色の絨毯】

【斜面に沿って続く紅葉】

【ほんのり白く染まった稜線】

【ピークは標高1000m前後でしょうか】

【自分の影とこれから急登の続く登山道】

【紅葉の斜面と志賀高原の山々】
 
【ピークの過ぎた紅葉】
 右手を見下ろすと見事な紅葉が広がっています。紅葉がかなり下がっているようで、斜面の下の方のほぼなだらかになったあたりが一番鮮やかだったと思います。中腹はよく見ると葉の大分落ちた木も多いのですが、まとまって見ると結構鮮やかに見えています。

 その後も急登を上がって行きます。全体的に急登の多い登山道だと思います。登るに連れて雪が現れて、雪の残る道が厄介でしたが、岩場の急登の雪は溶けていて、少し濡れている程度でしたので助かりました。南東側の斜面に登山道が付いているので本当に日当たりが良いです。それが、紅葉を鮮やかにさせている要因でもありました。

【突然現れる白い頂】

【紅葉の斜面から雪の斜面へ】

【真っ白ではないですが結構白くなっています】

【思ったより残っていた中腹の紅葉】

【山頂をズーム】

【雪で登山道がよく見える】

【紅葉と岩場の急登】

【徐々に紅葉が少なくなり雪が増える】

【紅葉した葉に積もった雪】
 さらに登って急登を登り切ると目の前に雪を頂いたピークが現れます。思っていたよりも白くて驚きましたが、1500m前後から雪が残っていましたから当然と言えば当然かもしれません。紅葉の斜面にまぶされたような白い粉のような雪がまたきれいでした。

 再び急登になって上がるに連れて雪も増えて来ます。時々足が滑りますが、思ったよりは順調に登れていたと思います。目の前のピークに近づくに連れて紅葉は僅かになり、雪を被ったなだらかな樹林帯に入るとすっかり雪景色となります。同じ山でこれほど秋と冬の違いを感じさせられたこともないでしょう。

【様相は一変して雪景色に】

【霧氷と立ちふさがる笹と雪のミックス】

【霧氷を見上げて】

【見事な霧氷】

【倒木を乗り越えて飛び降りる】
 このあたりからは雪がなければ笹原の比較的歩きやすい道が続くのですが、雪の重みで垂れ下がった笹が多くてかき分けて進むのに難儀しました。雪まみれになりますし、既に雪が溶けて来ていたので、木からは水滴が落ちて来ています。とにかくびしょびしょになりながらかき分けて行った感じでしょうか。恐らくこのあたりで大幅に時間をロスしたのでしょう。

 それでも、所々で見られた霧氷は見事なものでした。下山時には既にかなり溶けてしまっていたので、この日この時だからこそ見られた景色でした。

【雪道を進む】

【雪の付いたナナカマドの実】
 笹漕ぎが一段落して歩きやすい道を進みます。このあたりは、まだナナカマドの実が残っていました。季節の変わり目の雪景色というのもおもしろいですね。

 やがて白ーノ頭に到着です。前回もそうでしたが、あまりピークという感じがせず突然現れる感じでしょうか。そろそろまとまった休憩をしてもいい頃ですが、元々時間をかけて登っていてそこまで疲れていなかったので進みます。むしろ、体中濡れている方が大変で、動いている方が良かったというのもあります。ちなみに、今回まとまった休憩を取らなかったので、なんと食べる物を忘れたことに下山時に気付く有様でした。食べ物を忘れることも初めてでしたし、何も食べずに下山時まで気付かなかったことと合わせて二重の意味で驚かされたのでした。

【赤い実と雪のコントラスト】

【気持ちの良い青空】

【笹漕ぎから一時解放されて】

【白ーノ頭へ】

【白ーノ頭頂上碑】
 白ーノ頭を過ぎた後は小刻みなアップダウンが続きます。このあたりも、笹漕ぎがあって、なかなか大変でした。特に雪の量も増えますので、まとまって傾いている笹には苦労させられました。ある程度降ってしまうと、その上を歩けるので楽になるのですが。逆に残雪期後半もあちらこちらの笹が起き上がって来て歩きにくいですね。

 徐々に岩稜を歩く機会が増えて来て、核心部に近づいていることを感じさせます。岩に少し雪が付いていましたが、それほどの高さの岩場はないのでなんとか進んで行きます。そして、やせ尾根の鎖場が見えて来ると正面にようやく鳥甲山が見えて来ます。雪を見た時にここを撤退地点にしようと思っていたのですが、写真を撮りながら考えることにします。

【このあたりでも僅かに残る紅葉】

【ここまで来るとくぐるか左脇を強引に進むしかありません】

【木々の合間より見える景色】

【手前はやせ尾根で中央右は切れ落ちています 正面に鳥甲山】

【両側が切れているので慎重に 雪は思った程なく軽アイゼンでも十分止まります】

【カミソリの岩トラバース手前より鳥甲山】

【一番接近して撮った鳥甲山】

【撤退地点 進めますが手前の木を押しのけて行く必要が】
 この後急斜面を鎖で下るのですが、思った程雪が付いていなかったので、ここで軽アイゼンを付けて進むことにします。この鎖場の下りはそこそこの幅はあるものの、両側が切れているので注意して下ります。その後もやせ尾根を伝って進んで行きます。

 一箇所わかりにくいところもありましたが、道を見つけてカミソリ岩へのトラバースに入ります。幅があるようなないような道で、部分的にはかなり幅の狭い場所もあり、雪が被っているせいで足場がどこまであるのかが分からなかったのと、雪を被った木が垂れ下がって押しのけて進まなければならないことから苦労させられます。それとこのあたりは鎖を掴んでいたのですが、ただの防水手袋では手が冷たくて大変でした。

【撤退地点より振り返る 左手の木は崖から生えているものもあるので幅がわかりにくい】

【再び樹林帯を帰る】
 もう少しでトラバースは通過できそうでしたが、この後に控えるカミソリの刃が無雪期であればそれほど問題ではないのですが、雪が積もっているとなると、少しでも足を滑らせてしまうと落ちてしまう可能性が高く危険です。現場を見てみたらそれほど問題ではなかったという可能性もありますが、結局撤退をしてもう一度全てトラバースし直すことを考えると、ここで撤退した方が良いだろうと判断したのでした。昨年の記憶はあまりないので、雪がなければ特に問題ないのかもしれません。

 元々屋敷方面に下る予定はなく、ピストンの予定でしたので、その点では問題はなく、展望のある山ではないので、その点でも惜しくはなかったのですが、やっぱり山頂は踏んでおきたいという思いはありました。ただ、家に帰って昨年のカミソリの刃の写真を見ると、雪のある状態で進むのは怖いですね。カミソリの刃さえ抜けてしまえば、後は30分程登れば山頂だったと思います。
 引き返して行くと単独行の男性が後ろについて来ていて、やせ尾根ですれ違います。そういえば、出発時に車が入って来ていたのでした。そして、屋敷口から登った方がいなければ、自分の他にこの日に登っていたのはこの方だけになります。足跡があったから着いて来たけど、笹漕ぎや岩場を下るのが大変だから行けるところまで行ってみるということで進んで行かれました。交代で笹漕ぎできれば楽だったのにななんて思ったりしたのでした。降雪直後の先頭は、雪が少なくてもラッセルこそないもののいろいろと大変です。それだけ充実感もあり、真っ新な雪を見ることはできますが。

 登りで笹を漕ぎながら進んで来たので、雪解けが進んでいるのと相まって、くぐって来たところ以外は問題なく下って行きます。大変だったのは、気温が上がって樹木に残った雪が溶けて、登りの時以上に水滴が落ちていたことでしょうか。大木の下はほとんど雨が降っているようでした。 

【撤退地点からの鳥甲山】

【ワルサ峰から佐武流山の稜線】

【佐武流山 山頂はもう少し奥か】
 樹林帯を抜けて本格的な下りになると、再び見事な紅葉と秋山郷を取り囲む山々の絶景が広がります。屋敷側も見事かもしれませんが、このような景色を見るとやはり戻って来て良かったと思いました。写真を撮ったりのんびり景色を眺めていたりしたら随分時間が経っていました。振り返ると撤退地点付近ですれ違った方が下って来ているようでした。ある程度進んで戻って来られたのでしょうか。どちらにしても、追い付かれるくらいのんびりしていたということでしょう。

 急斜面の岩も雪が溶けて無雪期と同じように歩けるようになっていました。また、登りで冠雪して驚いた景色も既に樹木に乗っていた雪は溶けて無雪期の景色に戻っていたのでした。

【苗場山 テーブル状の山】

【苗場山と秋山郷の眺め】

【紅葉した斜面を眺めながら】

【僅かに雪の残る登山道を下る】

【やせ尾根が続く】

【何度も振り返りながら】

【朝白くなっていた雪はすっかり溶けて】

【燃えるような紅葉】

【よく見ると結構枯れた木も】

【岩場の混じった道が続く】
 下って行くと再び小水ノ頭の鎖場が現れます。ある意味岩場を下る練習だと思って下ったのですが、思ったよりも手こずってまだまだ未熟であることを実感させられる始末でした。

 その後は樹林帯に入って行きます。実はここからの絶景に期待していたのですが、お昼を過ぎて太陽の光が既に当たらなくなってしまっていて、輝くような紅葉が見られたのは一部でした。結果論ですから仕方がないのですが、撤退するならするで早めに決断しておきたかったところです。それに加えて、登りで苦労したぬかるんだ道、滑る道に苦労させられます。本当によく転ばずに下山したなと今では思います。

【小水ノ頭の鎖場を慎重に下る】

【麓を見下ろすと紅葉を眺める人達が】

【苗場山をズーム】

【光の当たった場所も】

【南からの日光の当たる場所は鮮やか】

【登山口へ】
 登山口に戻ったら着替えをして雄川閣に向かいます。この橋の前からの景色が良さそうでしたので向かいました。しかし、想定していた景色は午前中でないと日が当たらないような場所でした。それでも逆に滝の見える方の景色はちょうど日が当たっていて良かったです。秋山郷は渓谷にあって、開けているのが北側だけですので、太陽の方向というのが結構重要そうです。山に登らず昼間の時間を当てればもちろん問題ないとは思いますが。

 橋での景色を楽しんだ後はのよさの里を目指します。オフ会で教えてもらった場所で、鳥甲山の景色が見事だと聞いていたのですが、その時は見られなかったので今回逆光にはなるものの、せっかくなので見に行くことにしたのでした。

【登山口の紅葉】

【雄川閣前の橋】
 道中の紅葉もなかなかでした。気になって車から降りてはみるのですが、カメラを構えてみるとなかなかうまく撮れなかったり、そんな景色が多かった気がします。

 国道から折れてしばらく上がって行くとのよさの里があります。近くの写真を撮ったらさっそく露天風呂に浸かりに行きます。ちょうど団体さんが出て来るところで貸し切りになりました。話では今朝は雪を被った鳥甲山が見られて絶景だったとか。確かに朝であれば順光ですし、雪が一番残っていますのでさぞかし絶景だったと思います。観光で来たら朝一に訪れてみたい場所ですね。

【流れ落ちる滝と紅葉】

【絵葉書のような景色】

【滝の上部の紅葉もなかなかです】

【道中より鳥甲山】

【道中の紅葉】

【のよさの里駐車場にて】

【のよさの里 牧之の宿】

【露天風呂】

【露天風呂からの鳥甲山の眺め】

【佐武流山登山口付近の紅葉】

【同じ場所ですが夕暮れのような景色】

【奥志賀林道の紅葉も見事でした】

【紅葉も林道で見納め】
 その後は再び雄川閣、鳥甲山登山口を経て奥志賀林道を経て帰ります。夕暮れの紅葉や林道の紅葉も見事でした。これだけ見事でしたらまだ太陽の高いうちに林道は走っておきたいですね。奥志賀のあたりまで残っていたと思います。

 オフ会の後でついでに1日寄っただけの鳥甲山、そして秋山郷でしたが、思った以上に景色、何よりも紅葉を楽しむことができたと思います。予想外の初の雪山とも言えるでしょうか。平日でもかなり混んでいたので、移動が大変そうですが、また紅葉の時期に訪れたいものです。鳥甲山の方は紅葉の時期でもそれほどは混まないかもしれません。
 


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