じいがたけ・かしまやりがたけ
 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳
  登山日: 2014年4月26日(土)〜4月27日(日) 
  標高:2670m(爺ヶ岳)  2889m(鹿島槍ヶ岳南峰)     標高差:登山口から約1550m


 4月26日(土)    登山口 5:55 → 爺ヶ岳南峰 11:30 → 冷池山荘 14:10
 
 4月27日(日)    冷池山荘 5:40 → 鹿島槍ヶ岳南峰 7:20(〜8:20) → 冷池山荘 9:20(〜10:20)
   爺ヶ岳南峰 12:00(〜20) → 登山口 15:05

 

 本日から1泊2日で鹿島槍ヶ岳に登ります。これまでも比較的登りやすい雪山は登っていましたが、基本的には日帰りのみでした。それは、雪山のリスクと装備の重さのハードルがあったのと、テント泊の時の夜の寒さが苦手だったことから、泊りでの登山は基本的にはしていなかったのでした。小屋泊であれば事情は変わると思いますし、実際、昨冬山仲間と年末の燕山荘に泊まって燕岳に登っています。ただ、小屋泊自体はあまりしないことから、実質泊りの登山をしていなかったことになります。実は、昨年の5月下旬に涸沢にテントを張って北穂高岳に登っており、雪上テント泊初チャレンジとなりましたが、風もなく暖かい週末だったので、テントがきちんと固定されていなかったにも関わらず支障がなかったですし、夜は雪の上であるにも関わらず生暖かくて、晩秋に比べれば余程暖かい夜でした。

 今年は、そういう意味では、雪山と言えるような場所できちんとテントを張るという目標があって、自分の力量を考えると入山者の多いGWから5月中下旬までに登れたらと考えていました。

【登山口前の狭い駐車場に駐車できました】
 
【登山口へ このすぐ手前にテント】
 GWは、毎年それなりに荒れていることから、前半か後半のどちらかでチャンスがあればいいなと思っていました。ただ、前半の方はGWと言ってもただの土日ですので、日程的にはきつくなりますが、逆に言えば混みあうのは避けられるかもしれません。今回登った鹿島槍は昨年から是非残雪期に登りたいと思っていた山でしたが、残雪期は特にテントを張るスペースがあまりなさそうで、テントを担いで行ってもテントを張れるだろうかという懸念がありました。この週末は休暇が繋がらないうえに、なんとまだ小屋の営業前でした。不便にはなりますが、登る人は少ないでしょうし、時期が時期だけに登っている人がいないこともないだろうということで、このタイミングで登ることにしました。宿泊の受け入れをしないだけで小屋自体はやっているなど、下調べ不足もありましたが、結果としては狙い通りの素晴らしくも静かな山行になったと思います。

 いつものようにあまり早くは出発できず、現地には夜明け前に到着です。登山口前の小さい駐車場は狭くてあまり駐車できませんので、まず駐車できる気がしないのですが、まだ数台しか駐車されていないような状況で、駐車することができました。
 
【登山口を過ぎて間もなく雪が】

【爺ヶ岳南尾根は残雪期のみですので期間限定の看板でしょうか】
 
【南尾根分岐】
 少し仮眠を取ったら、後で着いた方達も出発していたようですので、準備をして出発です。小屋はやっていないだろうということで、水を2日分担いだのでザックがかなり重かったです。前週に尾瀬にテント泊の予行演習をしていた分だけまだましでしたが、それでもこの先の長い登りを考えると気が滅入りそうでした。ちなみに、小屋そのものは営業していましたので、水は有料ですが小屋で手に入ったのでした。雪があるので、雪を溶かせばいいのですが、溶かし方をきちんと身に付けていなかったのと、ガスの使用量を考えるとあまり効率は良くないという話も聞いていたので、今回は担ぐことにしたのでした。ただ、初日に歩く距離を考えると、小屋がやっていなくても溶かした方がいいのかもしれません。このあたりは、今後の課題でしょう。

 登山口に向かって歩いて行くと、早朝から遭対協の方でしょうか、声を掛けられて、尾根の雪が例年より少なくて歩きにくくなっているので注意して歩くよう助言をいただきました。また、下る時の方向にも注意するよう助言を受けました。下りで苦労をした時にこれらの言葉がずっしりと響いて来ました。登山届を提出して出発です。

【分岐の右手にはいきなり急斜面】

【樹林帯を登って行く 登りは道がわかりやすかったですが・・・】

【木々の合間に稜線が見えるとテンションが高まって】
 登山口からしばらくは夏道と変わりませんが、少し登って行くと本格的な雪道となって、爺ヶ岳南尾根への分岐が現れます。この時期は柏原新道は残雪のため歩くことができず、この爺ヶ岳南尾根から直接爺ヶ岳に登って行くことになります。

 ルートは雪がしっかり残っているところはトレースがあります。既に結構溶けているところも、基本的に尾根に忠実に登って行くので、登りではあまり迷うことはないと思います。ただ、薄く氷が張っているところが多く、アイスバーンになっていて、場所によっては足の置場がなくて難儀したり、雪も朝で比較的硬かったので、斜面が急なところでは滑りやすかったでしょうか。ただ、雪が途切れ途切れでしたので、できるだけノーアイゼンで登って行きました。慣れた方は稜線に出るまでノーアイゼンの方もいました。実は、南尾根の最後の稜線への登りは全く雪がないので、そのあたりを知っている方は、どうしても必要でなければ外す必要があるのがわかっているので、装着していなかったのかもしれません。自分は、樹林帯をそろそろ抜けるかなという頃に装着しました。12本爪とは言え、必要なところでアイゼンは装着すべきですが、何度も脱着があるとどうしても考えてしまいますね。

【徐々に視界も開けて来て】

【雪がなさそうに見えても氷が張っていたりします】

【針ノ木岳からの稜線が見えるとテンションも高まります】

【急斜面を登る登山者】
 徐々に視界が開けて来ます。急登が続いていて、結構汗をかきながら登っていたでしょうか。徐々に傾斜が緩くなって来ると、正面にようやく爺ヶ岳南峰の雄姿が見えてきます。緩やかな稜線と爺ヶ岳の眺めはなかなかでした。この時に気付くのが、尾根の東側が真っ白な一方で西側は全然雪が付いていません。実は登山道はこの西側に付いていたのでした。

 見えて来ると近くに感じますが、ここから取り付くまでに結構緩やかなアップダウンがあります。きちんと座れる場所もありませんが、稜線に出るまでにまだ結構時間がかかりますので、このあたりで少し休憩を取りました。このあたりで休憩をしている方は登りでも下りでも多かったです。少し休憩をしたら先に進みます。取り付く手前にやせ尾根になっていて、さらに藪が突き出ているところがあって、とても歩きにくかったです。ただ、それを越えてしばらく歩いて行くと、本格的な登りとなると同時に、先に書いたように雪がすっかり溶けた登山道となります。登山道と言っても、この時期にしか歩かれない道ですので、ザレていて歩きにくい場所も多かったです。

【爺ヶ岳南峰に続く尾根】

【中央左が岩小屋沢岳あたりでしょうか】

【左手の雪のない道へ】
 本当は一気に稜線まで上がりたかったのですが、この登りが本当にしんどくて途中で1回休憩を挟みました。このあたりでは、特にザックの重みがずっしりと来たように思います。昨年の涸沢までの道のりや前週の尾瀬でのテント泊と違って標高差が大きいのと、やはり歩きやすい道ではないことから余計に疲労も多きかったのだと思います。また、ザックも水を担いでいる分重いですね。ただ、この後の残雪期テント泊に対してはいい訓練になったと思います。

 ようやく爺ヶ岳南峰に到着です。ここまでで5時間半登って来ましたので、結構ぐったりという感じでした。ここで少し長めの休憩を取ると同時に稜線歩きに備えて、アイゼンピッケルを装備します。景色の方は見事に晴れ渡ってパノラマの景色が広がっていたのですが、どうも靄がかかっていて、近くの山はきれいなのですが、離れるにつれてすっきりしませんでした。針ノ木岳、蓮華岳、立山連峰あたりでもすっきりと見えなかったのは残念でした。しばらく晴れが続いていたのと、気温も結構上がっていたのが原因だったのでしょうか。

【登る途中に蓮華岳〜針ノ木岳〜赤沢岳〜岩小屋沢岳の稜線を振り返る】

【雪のない道を登って行く 手前にピークのようになっている所もあって見た目と比べると稜線までは結構距離があります】

【すっきりとしない蓮華岳〜針ノ木岳〜岩小屋沢岳の稜線】

【中央に種池山荘と奥にはやはりもやっとした立山連峰(立山〜剱岳)】】

【針ノ木岳への稜線】

【ようやく稜線へ】

【爺ヶ岳南峰頂上碑と鹿島槍ヶ岳】

【せっかくですので撮ってもらいました】
 充分休憩をしたらいよいよ冷池山荘を目指します。少し長めの休憩を取っていたので、近くを歩いていた方達はだいたい先行してしまいました。最初は比較的歩きやすいのですが、やがてトラバースが出てきます。途中で白いライチョウのつがいを見ることが出来てとても癒されましたが、このトラバースはきちんと踏み固められておらず、慎重に一歩一歩進んで行きました。途中、雪壁を削って片足よりもやや幅が広い程度しかない道があったり、回り込むように急斜面を下る場所があってやや神経を使いました。ただ、重いザックを担いでいたのと、やはりアイゼンワークが甘いことが原因になっている部分もあって、雪山を歩いている方なら難所とまでは言わないかもしれません。ただ、翌日の山荘から鹿島槍への往復区間を入れてもこのあたりが核心部だったと思います。

 慎重に進んで行くと徐々に鹿島槍ヶ岳が大きくなって来ます。そして、緩やかでも大変だった登りもようやく一段落です。緩やかに下って行くと冷乗越に到着です。

【鹿島槍ヶ岳に続く稜線】

【白くなったライチョウとご対面】

【つがいのようです】

【トラバースは慎重に】

【中峰分岐 登っているトレースはありません】

【雪の付き方がおもしろいです 奥には徐々に大きくなる鹿島槍ヶ岳】

【最後のトラバースを経て冷乗越への下りへ】

【すっきりと見えて来た鹿島槍ヶ岳】

【近づくと布引山の存在感が増して】

【小屋付近の雪庇がよく発達しています】

【小屋の営業に向けて除雪作業中の冷池山荘】
 赤岩尾根との分岐を過ぎてさらに下って行った後、最後登り返して行くと冷池山荘付近に出ます。各自好きな所を歩いているようで、方々にトレースが付いていました。小屋では除雪作業中で、小屋から離れた場所にテントを張るよう看板が出ていました。既にテントを張っている方もおりましたが、それなりの場所を見つけることができましたので、さっそくテントを張ります。スコップで整地して無事テントを張ることができました。

 様子を見ていると他の方達は山荘で受付をしているようでした。宿泊の受付はしていなくてもテント場は営業しているということでしょう。テント場代はかかりますが、山荘内の快適なトイレを使うことができるのは良かったです。また、水は担いで来たので買う必要はなかったのですが、ビールやジュースを売っていたので、買っていただくことにしたのでした。

【山荘前からの鹿島槍ヶ岳】

【コーラとビールをいただいて】
 その後は、山荘前から鹿島槍ヶ岳の雄姿が見えますので、素晴らしい景色を眺めがらゆっくり過ごしました。除雪が進んで、徐々に山荘が見えて来る様も面白かったです。ちなみに、この日は2階から出入りしていましたが、翌日には1階から入れるように除雪されていました。

 昼間は暖かく感じた1日でしたが、さすがにこの標高の雪の上ですから、日が傾きかけると寒くなって来ます。なかなかすっきりとした展望にはなりませんでしたが、最後は夕陽と剱岳の素晴らしい眺めで締めくくれて良かったと思います。翌日も比較的天気が良さそうな予報でしたので、翌日の展望に期待して床に就きました。

【夕日と剱岳】
 

【夜明け前の鹿島槍ヶ岳】

【夜明け前の地平線 ちょっとぶれているでしょうか】

【雲間より御来光】
 2日目の朝を迎えます。今回最も見たかった景色が、モルゲンロートに染まる鹿島槍ヶ岳でした。もちろん、場所を移動した方がもう少し鹿島槍全体を眺められるとは思いますが、テントから出たすぐの場所で見られるというのが利点でしょう。夜明け前から、荘厳な鹿島槍を眺めながら夜明けを待ちました。ただ、この日もどうも前日同様もやっとした感じですし、地平線には雲も結構出ていたので、ちょっと厳しいかなと思いつつ待っていたのでした。

 夜明けの時間を迎えて、素晴らしい御来光を見ることができました。ただ、もやというよりも薄い雲がかかっているのか、思った程明るくはありません。徐々に鹿島槍にも光が当たり始めて少しは赤く染まったのですが、残念ながらほんの僅かに染まっただけでした。この日、他の山でも御来光を眺めていた方がいたのですが、同じようにあまり赤くならなかったそうで、雲などに遮られて光があまり当たらのでしょう。

【鹿島槍ヶ岳と御来光】

【御来光 このあたりまではしっかりと日が出ていましたが】

【ちょっと赤みがかかる程度でしたが見事な剱岳】

【残念ながら赤く染まらなかった鹿島槍ヶ岳】

【前日に撮っていなかったマイテント】
 モルゲンロートは残念でしたが、それでも御来光と夜明けの鹿島槍が見られたのは良かったと思います。すっかり日が昇った頃には、付近のテントの方達は既に鹿島槍に出発していたようでした。自分も三脚などを片付けたら出発します。元々テント泊の人しかいないので、それほどの人数はいなかったのですが、出発したのはほとんど最後で、後ろを歩いていたのは1人だけだったと思います。

 小屋を回り込んで小屋裏の急登を登って行きます。これを登ると、後はなだらかな尾根が続いています。迫力のある鹿島槍が見えていて素晴らしかったです。脇を見ると立山連峰が見えていたのですが、既にお昼近かった前日よりはきれいに見えたものの、やはりもやがかかったような景色になっていたのは残念でした。ただ、写真ではどうしてもそうなってしまうだけで、肉眼では結構きれいに見えていました。

【鹿島槍ヶ岳を眺めながら小屋の裏手へ回って行く】

【最初から急登】

【爺ヶ岳にも徐々に日が当たり始めて】

【テント場には雪が溶けて露出した場所も】
 しばらく歩いて行くと布引山の取付きに近づいて来ます。この時露出した登山道がありましたが、アイゼンを装着していたので、トレースがあったこともあり雪道の方を歩いていました。すると、最後のもう少しで取付きというところで、クラックが出来ており慎重に越えて進んだのでした。実は、この後布引山の登りでは、雪がないためにアイゼンを外すので、わかっていれば先に登山道の方を歩いていたでしょう。まあ、みなさんも雪上を歩いていて結果論になってしまいますが。

 アイゼンを外したら布引山へ登って行きます。雪がないとは言っても、あくまで大方溶けているというだけで、所々に最後のアイスバーンが残っていたので、部分的には慎重に歩きます。とはいえ、基本的には問題ないでしょう。そもそも、重いザックを担いでいた前日とは違って軽荷なので、その点でも歩きやすいです。

【しばらくはほぼ平坦な道を歩いて行く】

【徐々に近づく鹿島槍ヶ岳】

【肉眼ではしっかり見えたと思いますが写真ではこの日ももやっとした感じでした】

【雪が解けて一部アイスバーンが残るだけの布引山への登り】

【布引山頂上碑 ここは布引「岳」となっています】
 なかなかしんどい登りでしたが、最後雪が現れて来ると布引山も近いです。布引山まで来ると鹿島槍がぐっと近づきます。ちなみに、トラバース道は普通に歩けるので、布引山は登らなくても進んで行くことができます。せっかくなので、寄って行ったのでした。

 さて、このあたりでアイゼンをとも思ったのですが、どうも登山道は随分露出していて、雪道になっているところもあまり斜度がないところでしたので、そのままノーアイゼンで進んで行きました。

 早朝なので雪の残ったところは滑りやすいですが、ルート的に危険なところはなく順調に進んで行きます。鞍部付近では、前日に続いて白いライチョウを見ることが出来ました。今回、久しぶりに白いライチョウを見たいと思っていましたが、2日連続で見られたのは幸運でした。しかも、2日とも結構見やすい位置でかわいいライチョウをじっくり見ることができました。

【布引山からの鹿島槍ヶ岳】

【鹿島槍ヶ岳への登り】

【ライチョウ再び】
 最後は急登を登って行きます。山頂直下はさすがに雪が付いているのですが、しっかりと雪に蹴り込むことができたことから、そのまま登りではアイゼンを付けずに登りました。こうして鹿島槍ヶ岳南峰の山頂に到着することができました。正直、前日の爺ヶ岳南尾根の歩きにくい道や、慎重を要した爺ヶ岳のトラバースを思えば、歩きやすい道だったと思います。ただ、このあたりは雪の残り具合でコンディションは随分変わってしまうかもしれません。

 山頂からは見事なパノラマの景色が広がっています。鹿島槍ヶ岳は昨秋も後立山縦走で登っており、累計で3回目となりますが、残雪期は初めてですので、今までとは違う景色に感動させられました。北方には鹿島槍ヶ岳北峰から八峰キレットを経て五竜岳、さらに奥には白馬岳が見えていました。また残雪期限定のルートでしょうが、北峰から東に伸びる尾根を歩いている方の姿も見えました。東尾根や天狗尾根と呼ばれる尾根から登るようで、自分から見ると別次元のように見えます。実際、かなりやせた尾根を歩いているようでした。

【歩いて来た尾根と針ノ木岳蓮華岳に続く稜線を眺める】

【鹿島槍ヶ岳北峰と八峰キレットを経て五竜岳】

【パノラマの景色が広がる山頂 右奥は剱岳】

【頂上碑は一部が埋まって】

【多くても4〜5人くらいの静かな山頂でした】

【鹿島槍ヶ岳北峰 雪のない時期でも岩場続きで大変ですのでこの時期に登るのは厳しそうです】

【八峰キレットから五竜岳】

【五竜岳 左奥には白馬岳】

【キレット小屋も見えています いつ見てもすごい立地です】

【剱岳】

【針ノ木岳 GWの翌週に登ることになります】

【蓮華岳】

【奥の蓮華岳・針ノ木岳へ続く稜線 昨秋周回で歩いたコースです】

【立山から剱岳の見事な稜線 一番すっきり見えてこのくらいでしたでしょうか】

【発達した雪庇の脇を通って】
 西側には、前日爺ヶ岳南峰に登って以来見えている立山連峰が見えています。前日よりはよく見えていますが、なかなかすっきりとは見えていません。それでも、距離が比較的近いので迫力があります。南側に目を転じれば歩いて来た爺ヶ岳からの稜線の奥に、針ノ木岳蓮華岳への稜線が見えています。さらに奥も見えていたには見えていたのですが、肉眼で辛うじて見える程度でしょうか。

 山頂では、山口県からはるばる来たという方としばし話をしながらのんびり過ごしました。なんと10時間程運転して来たとか、GW中は北アルプス界隈で過ごすとのことでした。結局、1時間程過ごした後、名残惜しくも下山開始です。なお、最後に残ったのが私と山頂で話した方で、お先に失礼させていただくことにしました。帰路も素晴らしい景色を眺めながら戻って行きました。冷池山荘から鹿島槍ヶ岳間は歩きやすいですし、本当に素晴らしい景色が広がっていて良かったと思います。下りは快調に歩いて1時間程で冷池山荘まで戻って来ました。

【布引山から稜線を眺めながらの下り】

【露出して来たテント場と爺ヶ岳(残雪期はここは使いません)】

【再び冷池山荘へ】

【冷乗越】
 テントまで戻ったら撤収開始です。ちょっとのんびりしつつもそれなりにてきぱきと撤収作業をしたつもりですが、いつものように時間がかかって結局1時間近くかかってしまいました。元々テントに戻ったのもほぼ最後だったこともあり、すっかり静かになったテント場を10時半前に出発です。時間的には余裕があるのですが、気温が上がると雪が緩んで歩きにくくなるので、早い時間に歩いた方がいいと思います。実際、昨日の山荘手前はすさまじい踏み抜き具合で、足がはまらないかどうかロシアンルーレットでも回しているような感じでした。さすがに、テント場を出る時はそこまではひどくはなかったのですが、逆に爺ヶ岳南尾根を歩いている頃の雪道はかなり緩んでそうでした。

 最初の冷乗越までの登りだけでも随分汗をかいてしまいました。気温は結構上がって来ているように思いました。この付近で、鹿島槍の雄姿を眺めた後爺ヶ岳に登って行きます。

【鹿島槍ヶ岳を振り返って】

【爺ヶ岳への登り】

【前日苦労して回り込むように下った道を登り返す】

【爺ヶ岳南峰へ】

【爺ヶ岳を経て鹿島槍ヶ岳に続く稜線も見納め】

【爺ヶ岳南尾根を下る】
 爺ヶ岳のトラバースを慎重に歩きながら戻って行きます。前日よりも水が少なくてザックが軽いうえに、前日から本日にかけてよく踏まれたのか、前日よりも歩きやすかったです。トラバースを経て、最後のピークを登り切ると爺ヶ岳南峰へ到着です。ここで、鹿島槍ヶ岳の雄姿も見納めとなります。

 しばらく南峰で休憩を取ったら再び下山開始です。ちなみに、南峰には雪を掘ってテントが張られていました。風が強そうな場所ですが、雪を掘るのとそれで壁を作ることによってテントを張ることができるのでしょう。

 しばらく雪のない道が続きますので、アイゼンを外してザレた道を下って行きます。取付きまで下って再び雪道に入った後も、傾斜が緩やかですので、そのままアイゼンなしで歩いて行きました。

【平坦な尾根ではテントを張ったり宴会をしているグループがいました 爺ヶ岳南峰まででも十分景色が楽しめますのでいいかもしれません】

【笹薮が多く歩きにくい道 目印は所々にありますが下りは方向誤りに注意】
 このあたりでは、随所でテントを張ったり宴会をしているグループがいて楽しそうでした。このあたりまでであれば、1泊でも十分のんびりできていいかなと思います。また、山スキーの方などもいました。

 その後、本格的な下りとなります。雪は随分緩んでいましたので、アイゼンは装着せずに下って行きました。何よりも、地獄の踏み抜きが待ち受けていることは聞いていましたので、踏み抜いているうちにゲイターやズボンに穴を開けてしまいかねないと思ったのでした。

 最初は快調に下っていると思っていましたが、どうもトレースが誤ったルートを下っていたようで、下ったと思ったらすごいところをトラバースするようなトレースで、安直にトレースをたどったばかりに苦労することになりました。やはり、登りと違って下りでは下る方向をよく見極める必要があるでしょう。それにしても、藪と緩んではまる雪の組み合わせは本当に参りました。なんとか本道に戻りましたが、歩きにくい道が続きます。

【天気は下り坂ですがまだ蓮華岳・針ノ木岳が見えていました】

【南尾根分岐まで戻って来ました】
 最後急斜面を下るとようやく南尾根分岐まで戻って来ることができました。これでようやく踏み抜き地獄から解放されます。それでも、若干曇って来ていた分緩み方もまだましだったでしょうか。雪がなくなると藪が出てきますので、雪が多く締まっている時の方が当然歩きやすいと思います。これが、登る時に聞いた雪が少ないので歩きにくいということでしょう。

 分岐からは登りと同様に、少し藪っぽくなっていますが、ショートカットのようになっている道を使って下って行きます。ショートカットではなく、単に残雪期に使われている道なのかもしれませんが。ここからは、しばらく下って行くとあっという間に入口に到着です。少し平坦な道を歩けば登山口です。下りは登り以上に苦労しましたが、やはり下りだけあって速く下って来ることができました。登りの半分くらいの時間で下ったようです。雪道は登るのは大変ですが、下りは危険な場所でないのなら、短時間で下れますし、膝への負担が少ないのがいいですね。

【藪っぽいですが積雪期用の道でしょうか】

【ようやく入口まで戻って来ました】

【登山口へ】 
 今回は、土日だけの1泊2日であるうえに、水を余分に担いだことでハードになりましたが、結果的に登る人があまり多くなく、静かにマイペースで歩いたり、景色を楽しむことができたりしたのは良かったと思います。その分GW後半はかなり混みあったようです。ただ、私も後半で行ったところでは大混雑だったわけですから、ある意味同じ状況だったわけですが。

 晴れではあったものの、ちょっともやっとした展望や、真っ赤に染まるようなモルゲンロートが見られなかったのは残念でしたが、それでもこれだけ素晴らしい景色が見られて良かったと思います。残雪期に登れる山は限られますので、また他の山が一段落したら登りに来たいものですね。
 


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