すごろくだけ・みつまたれんげだけ・たかまがはらおんせん・すいしょうだけ・わしばだけ
 双六岳・三俣蓮華岳・高天原温泉・水晶岳・鷲羽岳
  登山日: 2014年9月2日(火)〜3日(水)  
  標高:2860m(双六岳) 2841m(三俣蓮華岳) 2986m(水晶岳) 2924m(鷲羽岳)


 9月2日(火)    新穂高温泉 4:35 → 鏡平〜鏡平山荘 8:00(〜40) → 双六小屋 10:10
   双六岳 11:10 → 三俣蓮華岳 12:10 → 三俣山荘 13:10 → 岩苔乗越 14:25
   水晶池 15:35 → 高天原山荘 16:10
     
9月3日(水)    高天原山荘 3:40 → 高天原温泉 4:00(〜50) → 温泉沢ノ頭 7:20
   水晶岳 8:25(〜40) → 水晶小屋 9:05(〜20) → 鷲羽岳 10:20
   三俣山荘 11:00 → 双六小屋 12:30 → 鏡平山荘 13:50(〜14:05)
   新穂高温泉 16:50

 

 本日から1泊2日で高天原温泉に向かいます。この夏は天候不順が続いていて、ほとんど夏山に登らなかったので、夏休みもほとんど消化していない状況でした。9月に入ったこのタイミングで、天気予報がそこそこ良かったのと、仕事が休めそうであったことから、夏休みを取って高天原温泉に向かうことにしたのでした。

 高天原温泉にしたのは、天気が良さそうと言っても、この夏はほとんど予報があてにならなかったので、それならそれで少なくとも温泉は楽しもうということでした。前回、梅雨時で稜線が大荒れだった時に訪れたのですが、この時は冷えた体を高天原温泉で温めることができました。荒れた稜線と比べると楽園のようでした。登山口を新穂高温泉よりも近い折立にしなかったのは、折立はそもそも林道を通れる時間の関係で出発が遅くなるのと、未踏の双六岳、再び登ってみたかった水晶岳と鷲羽岳も歩きたいという贅沢な希望からでした。高天原山荘はテントが張れず小屋泊になりますし、休みも1泊2日しかないので、荷物は軽くして目一杯歩こうというのが今回の山行の狙いでした。

【登山指導センター】
 
【林道ゲート】
 2日間で累積標高は約4500m、歩行距離は約50キロとハードな山歩きとなりましたが、夏山の消化不良を補ってくれるような充実した山行だったと思います。天気は快晴は1日目の双六岳手前あたりまでで、2日目は晴れてもなかなかすっきりしない天気でしたが、今年の夏山はほとんどガスの中で歩いていたり、そもそも天気が悪くて山歩きもしていなかった中では本当に素晴らしい展望だったと思います。そして、このあたりから週末の天候が安定して来て、夏山を取り返すような山登りが続いたように思います。

 2日とも行程が長くなりますので、早い時間に出発したいところですが、月曜日は仕事がありますし、新穂高温泉自体が安房トンネルを抜けた先で遠いので、どうしても現地入りは遅い時間になってしまいます。今年は相当混みあった新穂高温泉ですが、平日でしたので問題なく駐車することができました。混みあった時は、前夜から既に満車ということもあったようでした。結局、少しだけ仮眠を取って眠い目をこすりながら準備をして出発です。
 
【賑わう笠ヶ岳登山口】

【わさび平小屋】
 
【夜明けの光が当たり始めた山々】
 ちなみに、9月2日の前々日になる8月31日の日曜日に同じく新穂高温泉から槍ヶ岳を日帰りをしていますので、実質2日ぶりとなります。自宅までの往復などを考えると本当に無駄なことをしていて、月曜日に休んでまとめて回ればいいものですが、天気予報が急に良くなって決行したのと、月曜日にやらなければならないことがあったので仕方がなかったのでした。

 前置きがとても長くなりましたが、暗い中を登山指導センターで登山届を提出して車道をしばらく歩き、ゲートをくぐって林道を歩き始めます。ここは、笠ヶ岳に登った時に歩いていますので、暗くてもだいたい覚えていました。しばらくは、ひたすら林道を歩いて行くだけです。途中に笠ヶ岳登山口、わさび平小屋があり、さらに奥に進んで行きます。林道を歩いている途中で随分明るくなって来ました。笠ヶ岳登山口では笠ヶ岳に続々と登って行く方達が見えました。

【小池新道入口】

【岩のゴロゴロした道も】

【キオン?】
 やがて河原が見えて来ると同時に奥に見えていた山々に光が当たり始めます。林道の終点からの登山道が小池新道になるようで、ここからは本格的な登山道となります。登山道はよく整備されていますが、全般的に岩のごろごろしたような場所が多いでしょうか。着実に標高を稼いで行きます。2日前に長丁場の歩きをしていますが、それほど疲労は残らなかったようで、このあたりは比較的順調に登って行くことができたと思います。

 秩父沢を渡り、イタドリヶ原を越えてややなだらかな樹林帯に入って行くとやがて鏡池に到着です。笠ヶ岳を日帰り周回をした際に訪れていますが、その時は時間が遅かったこともあってガスガスでした。しかし、今回は見事な快晴で図らずも鏡池に映る逆さ槍を眺めることができました。それほど期待していなかっただけに、思わぬ景色に出会えて良かったです。それは、同じ時間に訪れていた方達も同様だったようで、みなさん一生懸命写真を撮ったり、しばし景色を楽しんでいました。

【オンタデ】

【秩父沢を渡って】

【ホタルブクロ】

【イタドリヶ原を過ぎて】

【アザミ】

【鏡池へ】

【鏡池に映る逆さ槍】

【槍ヶ岳から穂高連峰】

【逆光で写真は少し取りづらかったでしょうか】
 しばらく鏡池にのんびりしていましたが、この日はまだ先が長いですので、名残惜しくもまずは鏡平山荘へ移動します。ここは、山荘前にテーブルなどがありますので、少し行動食を食べて休憩としました。

 休憩後は弓折乗越に向かって高度を稼いで行きます。稜線に取り付いたら、トラバースする道を登って乗越を目指して歩いて行きます。標高が上がるに連れて槍穂の稜線がよく見えて来て本当にテンションが上がって来ます。今回は歩いておりませんが、いつかは見えていた西鎌尾根を歩いて槍ヶ岳を目指したいものです。

 しばらく登って行くと弓折乗越に到着です。少し写真を撮ったらそのまま、少し登って双六小屋をめざして歩いて行きます。

【鏡平山荘へ】

【鏡平山荘で休憩】

【山荘前の池を越えて】

【再び見えて来る槍ヶ岳】

【槍穂の稜線を眺めて】

【弓折乗越へのトラバース道】

【登って来た道を振り返る】

【槍ヶ岳と鏡平山荘】

【ヨツバシオガマ】

【弓折乗越へ】

【弓折乗越からの槍ヶ岳】
 弓折乗越からは素晴らしい槍穂の稜線を眺めることができますが、その後も気持ちの良い稜線歩きが続きます。特にこのあたりでは、思ってもいなかった好天に恵まれたこともあり、あちらこちらを眺めながら歩いていました。また、小池新道も結構あったのですが、この双六小屋へ向かう稜線も結構高山植物が多くて目を楽しませてくれました。

 やがて、左手に見える双六岳が大きくなって来ると同時に正面に堂々たる鷲羽岳が見えるようになって来ます。緩やかなアップダウンを繰り返して進んで行くと、鷲羽岳に抱えられるようにして双六小屋が見えてきます。この眺めは双六岳に登っていた方の記録を見てずっと見てみたいと思っていた景色でした。双六小屋へ続く道と鷲羽岳の組み合わせが本当に素晴らしいと思います。その後も、歩く場所によって景色が見え隠れしながら進んで行きます。

【弓折乗越からの槍穂の稜線】

【重厚感のある槍ヶ岳 東鎌尾根もいつか歩いてみたいものです】

【ハクサンフウロ】

【ミヤマキンポウゲ】

【ハクサンイチゲ】

【タテヤマリンドウ】

【イワオトギリ】

【ミヤマアキノキリンソウ】

【ミヤマコウゾリナ】

【ミヤマトリカブト】

【お花畑と双六岳】

【東鎌尾根】

【双六岳 中央が主峰で左が双六南峰でしょうか】

【左に双六岳 正面に鷲羽岳と双六小屋が】

【鷲羽岳に抱えられるようにして双六小屋】

【双六小屋への道】

【気持ちの良さそうなテント場】

【静まり返った双六小屋】
 徐々に双六小屋が近づいて来て、テント場の脇を通ると双六小屋へ到着です。平日であることに加えて中途半端な時間であったことから、登山者はほとんどおらず小屋も静まり返っていました。まだ先も長いのでジュースを1本買って飲みながら少し休憩をしたら、写真を撮ってから出発です。

 双六岳へ向かって登って行きます。最初の急登を登ると三俣山荘巻道との分岐があります。展望がない時、天候が悪い時などには便利かなと思います。実際、帰路は既にガスガスであったのと、2日目の歩く距離が長かったので、この巻道を使って調整しました。ここは、もちろん今回の主目的の1つである双六岳山頂に向かって歩いて行きます。間もなく中道分岐があって、これは双六岳を巻く道になっています。このあたりはガイドブックを見ると、三俣山荘巻道と合わせて道が3本並んでいてどういうことなのだろうと思うのですが、歩いてみるとよくわかりますね、

【鷲羽岳と左は三俣山荘 鷲羽岳の中腹のラインは伊藤新道跡でしょうか】

【案内看板を見ても交通の要衝であることがわかります】

【少し登ったところから樅沢岳を振り返る】

【三俣山荘巻道(右)分岐】

【中道分岐】

【徐々に日陰になる部分も増えて来て】

【ザレタ道の登り】

【トウヤクリンドウ】

【槍ヶ岳への道がよく見えています】

【鷲羽岳と左がワリモ岳 右奥が野口五郎岳】

【なだらかな稜線の奥に槍ヶ岳が見える絶景】

【槍ヶ岳をズーム】

【槍ヶ岳へ続く雲】

【山頂は雲に覆われて】

【双六岳山頂】
 分岐を過ぎると岩のごろごろした急登が待っています。さすがに、このあたりになるとしんどくなって来ますが、徐々に雲が湧いているのが見えていましたので、雲がかかる前にと頑張って登って行きました。

 やがてなだらかな稜線となり正面に双六岳山頂が見えてきます。歩きやすい道が続いていますが、ある程度歩いて振り返ってみると稜線の彼方に槍ヶ岳が見えていました。振り返った時は意識していなかったのですが、この景色も今回見たいと思っていた景色で、あまりにスケールが大きくて本当に見惚れてしまうような景色でした。雲が随分湧いていましたが、槍ヶ岳に雲がかかる前に見られて本当に良かったと思います。このあたりでは、本当に似たような写真を何枚も撮りつつ、名残惜しみつつ双六岳山頂に向かったのでした。双六岳山頂は、周囲が雲に覆われていてそれほどの展望が望めなかったことから、ほとんど休憩は取らずに三俣蓮華岳に向かいます。三俣蓮華岳からの鷲羽岳の雄姿を雲に覆われる前に見たいと思ったのでした。

【鷲羽岳 中央に見えている道は三俣山荘巻道】

【ミヤマダイコンソウ】

【ガスガスの稜線】

【左の槍ヶ岳と右の双六岳を振り返る】

【意外とアップダウンのある双六岳からの道】

【再びよく見えていた槍ヶ岳】

【左の三俣蓮華岳への稜線と中央奥の水晶岳から右手前の鷲羽岳に連なる山々】

【三俣蓮華岳山頂が見えてきました 右は水晶岳】

【水晶岳から鷲羽岳の稜線 残念ながら雲が増えて来てしまったでしょうか】

【三俣蓮華岳山頂 分岐が多く少し広々としています】

【頂上碑と槍ヶ岳】

【巻道と槍ヶ岳】

【水晶岳から鷲羽岳の稜線 この後麓の沢沿いの道を登って行きます 左は祖父岳】

【槍ヶ岳の左手には赤い地肌を見せる硫黄尾根】

【薬師岳】

【薬師岳〜雲ノ平〜祖父岳 雲ノ平再訪はまたの課題でしょうか】

【雲に隠れた黒部五郎岳から薬師岳 5月下旬に歩いた山々】

【左に薬師岳から雲ノ平 中央に祖父岳と奥に水晶岳 右に鷲羽岳の絶景】

【ザレた道を慎重に下る】
 三俣蓮華岳への道は快適な稜線歩きと思っていたのですが、意外とアップダウンが多くて疲れた身には結構大変でした。また、ガスにも覆われて来て、後は淡々と歩くだけかなと思っていたのですが、再びガスが晴れる時間帯もあって、展望も楽しむことができました。

 振り返ると槍ヶ岳と双六岳から続く稜線、三俣蓮華岳の右手には水晶岳から鷲羽岳の稜線が見えていました。時々雲に覆われつつも完全に雲に覆われる前に三俣蓮華岳に到着することができました。

 実は、ここまでは予定通りだったのですが、この先は天気が良くて時間があれば鷲羽岳、場合によっては水晶岳まで歩こうと考えていました。しかし、ここまでの展望が素晴らし過ぎて写真を撮ったり景色を眺めて時間を費やしたこと、雲が増えて来てこの先展望が望めなさそうであったことから、黒部源流の道を歩いて高天原温泉に向かうことにしました。したがって、展望のいい場所はここが最後になりますので、少し休憩をしてしばらく展望を楽しんでいたのでした。
 三俣蓮華岳は、テント泊を始めた頃に雲ノ平をぐるっと回るように歩いて以来となります。当時は、あまり見えている山のことがわからなかったので、今回再び訪れてじっくり景色を楽しみたいと思っていたのでした。さすがに、前回訪れた時の天気が良すぎて、雲が多かった今回は当時程の展望ではありませんでしたが、十分景色を楽しむことができました。雲に隠れていた薬師岳も現れて、薬師岳から雲ノ平、そして水晶岳〜鷲羽岳に連なる稜線の雄大な眺めを楽しむことができました。次回は今回訪れることのできなかった雲ノ平も含めてテントを担いでじっくり回りたいものです。

 じっくり楽しむとは言っても、時間は結構押していましたので、休憩もそこそこに三俣山荘に下って行きます。日が陰りながらも鷲羽岳は迫力満点でした。ザレザレの道を下ってテント場が現れると間もなく三俣山荘です。黒部源流への道の分岐は山荘手前にありますが、山荘でジュースを飲んで一息付いてから分岐に向かいました。

【三俣峠 双六岳手前の巻道からの合流点 帰路はこちらから巻道へ】

【堂々たる鷲羽岳と三俣山荘】

【テント場】

【三俣山荘】

【麓を歩く】
 分岐からは鬱蒼とした道を沢へ向かって下って行きます。下って行く途中に黒部川水源地標があって、黒部川の源流となっているようです。このあたりからは沢沿いの岩のごろごろした道になるのですが、間もなく雲ノ平との分岐があります。その後は、トラバースするような道も交えながら、岩苔乗越に向かって徐々に標高を稼いで行きます。

 この道は結構遅い時期まで雪に覆われて、通行不可の期間が長かったように思いますが、地形的に雪が残りやすいうえに、特にトラバース道あたりが、切れ落ちて左手に沢があるので、雪が残っていると滑落の可能性があって危険なのだと思います。秘境を歩いている感じで楽しくはあるのですが、やはり岩がごろごろしたような道が続くので歩きにくいでしょうか。小屋泊でザックが軽かったので良かったのでしょうが、テント装備だと大変そうです。テント装備だとそもそもこんなに長い距離は歩かないわけですが。

【下った後は沢沿いの道を緩やかに登って行く】

【お花畑】

【右が黒部川源流地票】

【雲ノ平分岐】

【左手に沢を眺めながらの道】

【クルマユリ】

【ウサギギク】

【渡渉地点も】

【マルバダケブキ】

【ハクサンフウロの群落】

【振り返ると三俣蓮華岳】

【ようやく岩苔乗越が見えて】

【岩苔乗越と稜線への急登を見上げる】

【水晶岳方面には厚い雲】
 岩苔乗越への登りは緩やかだったのですが、このあたりに来ると少し登るだけでもなかなか大変でした。最後疲れながらもようやく到着です。この頃になると雲がさらに増えて来て、水晶岳方面は厚い雲に覆われていました。これで、暗くなる前には高天原山荘まで何とか到着する目途はたちましたが、下り中心とはいえまだ先は長いです。少し休憩をしたら高天原山荘へ下って行きます。

 ここは、以前海の日の3連休にはかなりの部分が雪に覆われていたのですが、そのせいで花の開花時期が遅いのか、見事なお花畑が広がっていました。風がそこそこ吹いていて花が揺らいでいるうえに、もう光が当たっていなかったので、写真ではぱっとしないかもしれませんが、素晴らしいお花畑でした。道は最初のザレた下りがとても歩きにくいのですが、その後は比較的歩きやすいでしょうか。後は水晶池に寄るかどうか、くらいの考えで淡々と下っていたわけですが・・・、

【ハクサンイチゲのお花畑】

【斜面に広がる広大なお花畑 今回の山行で一番の広さでしょう】

【水晶池分岐】
 しばらくお花畑を楽しんだ後、樹林帯に入って行きます。少し歩いて行くと笹を払うような音が聞こえました。登山道は笹に覆われる程ではありませんし、このようなところでこのような時間に藪漕ぎをしている人なんているわけがありません。もしかしたらこれはクマかなと軽い気持ちで、自分も音を出して居場所を知らせながら音が聞こえた先を見てみました。

 するとクマが見えたと同時にこちらに突進して来たのでした。初速が速くて本当にあっという間の出来事だったと思います。後ずさりをするというレベルの話ではありませんので、飛びつかれたらよけることだけを考えてじっとクマを見ていました。すると、近づいて来て目があった途端にその勢いのまま周回するようにぐるっと回って飛び出したあたりに戻って行きました。

 とりあえずほっと一息をついたのですが、戻って行ったクマがその場から離れなかったのでどうしようかと思ったのでした。もしかして、こちらを警戒していると思い、少しずつ後ずさりをして離れるとクマもようやくどこかに行ったようでした。 
 クマがさっきまでいたそばを歩くのはあまり気持ちのいいものではありませんが、ここを通らなければ高天原山荘へは行けませんので進んで行きます。

 しばらく歩くと水晶池分岐があります。 さっきクマに遭遇した身を考えると山荘へ直行するべきかなとも思いましたが、音を出しつつ寄って行くことにしました。鬱蒼とした樹林帯を通るようですが、意外と見通しがいいので、分岐前後の登山道よりは安心して歩くことが出来ました。水晶池は稜線が雲に覆われていてぱっとしませんでしたが、稜線が池に映る様はなかなかでした。翌日は通らない道なので、寄っておいて良かったと思います。

 その後は、分岐まで戻って山荘に向かいますが、このあたりは見通しの悪い道が続くので慎重に進みます。そして、ようやく高天原峠からの道と合流です。前回は山荘手前で見事なニッコウキスゲのお花畑が見られましたが、さすがにこの時期になると終わっていて、あまり花を見ることが出来ませんでした。

【ぬかるみの多い道】

【水晶池に映る稜線】

【クマを警戒しながら進む】

【ようやく合流】

【花は終わっても絵になる池塘群】

【工事中の高天原山荘へ】
 こうして無事に高天原山荘へ到着です。時間的に最後かなと思っていましたが、同じような時間帯に到着した方もいたようでした。受付ついでにクマの話をすると、このあたりは元々クマが多くて目撃情報は結構あるようです。ただ、突進して来たのは聞いたことがないということでした。気付いたのがクマにとっては思ったよりも至近距離で、驚いて突っ込んで来たのかもしれません。また、この日いろいろな方と話していてわかったのは、ほとんどの方が折立から入っていたので、この時期は岩苔乗越から歩いて来る人がほとんどいないことです。それでクマも昼間でも結構登山道近くまでを行動範囲としていたのかもしれません。

 受付をしたら2階に荷物を置きに行きます。前回同様、この日もすいていたので好きな所で構わないとのことでした。後で、ここで寝泊まりしている工事関係の方と話したのですが、お盆以外は比較的すいていたとのことでした。

【温泉までは登山道をそこそこ歩きます】

【久しぶりの高天原温泉 左は女性用 左の少し奥に男性用 右に共同用】

【今回も大いに癒されました】
 荷物を置いたら温泉に向かいます。登山道をそこそこ歩きますので、しっかりした靴で行くのがいいでしょう。河原に着くと、前回同様に完全に囲われた女性用と少し囲われた男性用、そして何も仕切られていない共同用の温泉がありました。共同用はなぜかいっぱいでしたので、男性用の温泉に入ります。先に書いた工事関係の方がいましたので、というか話の中でわかったわけですが、しばらくいろいろな話をしていたのでした。結局、温泉に向かった時間が遅かったのもありますが、温泉が気持ちよすぎて、前回同様夕食には遅刻してしまったのでした。

 夕食は同じテーブルの方といろいろ話をして過ごします。夕食後はランプのある2階に上がって翌日の準備をしつつ床に就いたのでした。長い距離を歩いたこともあるのでしょうが、本当に盛りだくさんの1日目だったと思います。寝不足気味なのと、疲れたのもあってあっという間に寝てしまいました。

【夕食をいただいて】

【ランプの宿】
 

【夜明け前の高天原山荘へ別れを告げて】
 2日目の朝を迎えます。この日は温泉沢の頭に登って、水晶岳から鷲羽岳を縦走する予定でしたが、前日のクマの件もあって、ほとんど人が歩かないと思われるこのルートを取るべきかどうかは前夜まで悩みました。ただ、元のルートを歩くとなれば、結局前日遭遇した場所を通ることになるので、それならばと予定通り温泉沢の頭に登ることにしたのでした。

 温泉には出発前にも入りたいと思っていたのですが、温泉沢の頭へ向かうルートが温泉よりも奥になるため、早い時間に山荘を出て温泉にのんびり浸かった後、そのまま出発することにしました。元々この日も長丁場で早朝に出る必要がありましたから、朝食は取っていません。有人の小屋泊をすること自体があまりないのですが、早朝に出ることが多いうえに、山ではあまり朝食を食べないこともあって、小屋で朝食を食べて出るということは、余程日程に余裕がある時くらいしかないような気がします。
 暗がりの中を温泉に向かって歩いて行きます。さすがに、山荘から温泉までの間は何度も歩いたことがありますので、特に問題なく温泉に到着です。さすがにこの時間に温泉に入っている人もおりませんので、開放感のある共同用の温泉に浸かることにしました。最初は温くてどうしようかとも思いましたが、しばらく浸かっていたらようやく温まって来ました。朝は霜が降りるくらいに冷えていましたので、温泉も温くなってしまっていたのでしょう。

 満点の星空を眺めながら温泉に浸かります。最高のロケーションに最高の温泉でした。随分のんびりしてしまいましたが、元々温泉沢の頭へのルートを暗い時間に歩くのは厳しいと思っていましたので、ちょうど良かったと思います。1時間弱のんびりして準備をした頃、少しずつ明るくなって来たので出発です。わかりにくそうな道ですが、所々に目印がありますので、迷うことはないと思います。ただ、何度も渡渉をするのですが、どこで渡るかまでは記されていませんので、これは自分で渡りやすい所を探して渡渉することになります。

【温泉沢の頭への案内看板もありました】

【星空を見上げながら 三脚がないので適当な場所にカメラを置いて撮ったものです】

【誰も入っていない共同温泉へ】
 歩き始めて気付いたことは、少し歩いた奥の方に少し広めの共同用の温泉があったことで、これは前回訪れた時にも気付きませんでした。結構混みあっている時はこの奥の温泉に浸かるのもいいのかもしれません。

 出発した頃には既に明るくなり始めていましたので、しばらく歩くとすっかり明るくなって来ます。川の流れが分かれているところは分岐になっていますので、そこだけは間違えないようにして沢沿いの道を遡って行きます。

 やがて正面に滝が見えてきます。さすがにこれを登るのは厳しいかなと思っていると、きちんと左手に急斜面への取付きがあってロープがかかっています。急斜面ですが、ロープに頼る程ではないでしょう。ただ、本当に狭くて急な場所をよじ登って行く感じです。

【川沿いを遡って行く】

【少し奥の広い温泉】

【どこを歩いてどこを渡るかを考えながら進む】

【手作りの案内看板】

【河原も広がって歩く場所もわかりやすく】

【徐々に山間に入って行く】

【奥に滝が見えて】

【滝は登りませんが急斜面を登って行くことがわかります 下の大石に取付きへの矢印(←)があります】

【高巻く道への取付き】

【狭い登山道を登って行く】

【振り返ると迫力のある薬師岳が】

【視界が開けて一旦緩やかな登りに】

【登って来た道と薬師岳を振り返る】

【ハイマツ帯の急斜面 右奥にはザレザレの道が】
 取付いた登山道は幅が狭く一気に高度を稼いで行きます。右手にも草が生い茂っていて滑落をするような危険は感じませんでしたが、右手の沢に比べると随分高い所を歩いているので、右側には注意して歩いた方がいいかもしれません。樹林帯を抜けると、下で見えていた滝よりは標高の高い場所に出ていたようです。相変わらず登りが続きますが、このあたりはまだ緩やかで、ハイマツ帯に入って視界が開けますので、時々迫力のある薬師岳の眺めなどを楽しみながら登って行きました。

 この道を登って行くと急斜面の登りとなります。しばらく登って行くとザレザレの道が出て来て、足を置く場所を考えながら歩かないとずるずる斜面を滑り落ちて行きます。落石の危険はもちろんのこと、斜度もありますので、雪があるわけでもないのに滑り落ちてしまいそうに感じてしまうような場所でした。下が切れ落ちているというわけではないので、そこまで危険な場所ではないと思いますが、登りでも下りでも慎重に歩くに越したことはないでしょう。ここは、下った方の記録を見て一番気になっていた場所でした。

【ザレザレの道】

【しばらく登って振り返る ザレザレの急斜面は少し奥の方】

【急登は続く】

【稜線から現れた太陽】

【全体がすっきりと見えた薬師岳】

【黒部五郎岳に雲ノ平 日陰になっている中央下に水晶池】

【黒部五郎岳に雲ノ平 雲ノ平山荘も見えています】

【水晶池】

【最後の岩のごろごろした道】

【温泉沢の頭へ】
 その後も急登が続きますが、先ほどのザレザレの道のような歩きにくい場所はありません。温泉沢の頭まで一気に登ってとも思いましたが、思ったよりも長丁場でしたので、途中で少し休憩してから最後の登りに取り掛かりました。

 結局2時間半程かけてようやく温泉沢の頭まで登って来ることができました。あまり登山者のいない静かな場所ですが、それでも、時々前日水晶小屋に泊まった方達が読売新道を下って行きました。ここでは、しばし素晴らしい展望を楽しみました。ただ、この日の朝は晴れていたとはいえ、少し靄っとした眺めになっていたのが残念でした。近づけばくっきり見えるのですが、やや離れた場所にある山は靄っとしてしまうのでした。

 天気が下り坂になる前にということで、休憩もそこそこに水晶岳に向かいました。

【赤牛岳 中央右にうっすらと立山でしょうか】

【赤牛岳までのアップダウンの続く稜線】

【ミヤマコゴメグサ】

【高天原山荘と池塘群を見下ろして】

【水晶岳への険しい道】

【水晶岳手前の未だに残る雪渓】

【大岩の多く転がる道】

【最後の登り】

【手前は水晶岳の双耳峰 右奥に赤牛岳とさらに奥には立山】

【水晶岳山頂へ】
 稜線からの眺めは素晴らしく、展望を眺めながらの歩きとなります。岩のごろごろした道が多いですが、主要な縦走路ということで、よく整備されています。以前赤牛岳に登った時には、水晶岳から赤牛岳間は歩きにくいイメージでしたが、温泉沢の頭まではまだ歩きやすい道だったようです。

 いくつかのアップダウンを繰り返して、最後険しそうな斜面を眺めながら登って行くと水晶岳山頂です。水晶岳山頂は結構賑わっていて、やっぱり百名山ということで訪れる人も多かったのでしょうか。平日ではありましたが、これまでの天候不順でこの時期になって訪れた人も多かったのでしょう。山頂からは、雲が多くなりつつも素晴らしい展望が広がっています。しばし展望を楽しみながらの休憩としたのでした。

【赤牛岳】

【左に薬師岳 右に赤牛岳と奥に立山連峰の眺め】

【左の水晶小屋から右の鷲羽岳に続く稜線】

【鷲羽岳 北側からの眺めも見事です】

【奥に雲に時々隠れながらも槍穂の稜線】

【狭いながらも賑わう山頂】

【頂上碑】

【左に鷲羽岳 中央に祖父岳から右の雲ノ平へ続く 右奥は黒部五郎岳 中央奥に双六岳〜三俣蓮華岳 最奥には笠ヶ岳も】

【ザレた急な道に気を付けて下る】
 休憩をしたら水晶小屋へ向かいます。山頂直下はザレた急な道が続きますので慎重に下って行きます。しばらく下って行くと広々とした気持ちの良い稜線が続きます。天気がいい時はいいのですが、悪化すると地獄の稜線に変わったのが前回高天原温泉を訪れた時でした。

 緩やかに登り返して回り込むと水晶小屋です。ここでジュースを買って少し景色を楽しみます。トイレも借りた後先に進みます。緩やかに下って行くとワリモ北分岐があって、下を見下ろすと、昨日通った岩苔乗越が見えています。そのまま、ワリモ岳に向かって行くと徐々に岩場も出てきますが、道はよく整備されていると思います。途中の岩場をよじ登ると山頂に行けるようですが、そのまま進みます。鞍部へ下る手前の大岩の上のトラバースがやや注意が必要でしょうか。ただ、ロープや目印などはしっかりしています。

【気持ちの良い稜線歩きが続く】

【水晶岳を振り返る】

【中央右の鷲羽岳の左手に再び槍ヶ岳が見えて】

【水晶小屋前より左奥の野口五郎岳に続く裏銀座の稜線】

【ワリモ岳〜鷲羽岳に続く稜線】

【水晶岳から続く稜線】

【ワリモ北分岐】

【分岐看板】

【中央下の鞍部は岩苔乗越 中央左に祖父岳 左奥に黒部五郎岳】

【分岐から少し歩いて 左の祖父岳と厚い雲に覆われつつある右奥の薬師岳】

【岩岩の稜線へ】

【岩場のトラバース この後の下りも慎重に】

【鞍部に下って鷲羽岳に登り返して行く】

【右奥に三俣蓮華岳は見えていますが双六岳あたりは雲に覆われているようです】

【ワリモ岳を振り返る その右奥の水晶岳は既に雲の中】

【鷲羽岳山頂】
 一旦鞍部に下った後は鷲羽岳へ登り返して行きます。それほどの登りではないはずですが、最後は結構疲れてしまいました。周囲の山々はかなり雲に覆われてしまいましたが、何とか鷲羽岳山頂が雲に覆われる前に山頂に到着することができました。

 これから向かう三俣蓮華岳や歩いて来たワリモ岳は見えていましたが、それ以外はかなり雲の中に隠れてしまいました。鷲羽池もよく見えていましたが、残念ながら鷲羽池と槍ヶ岳の組み合わせを見ることができなかったのは残念でした。またの機会に登った時の楽しみとしましょう。雲の流れからして、恐らく展望があるのはこの山頂が最後ということで、展望を少し楽しんだ後に三俣山荘へ下って行きます。

【徐々に雲に覆われる稜線】

【鷲羽池と槍ヶ岳の眺めは得られず】

【鷲羽岳】

【三俣山荘へ下って三俣蓮華岳へ登り返す道】

【見えて来た三俣山荘】

【三俣峠 巻道へ】

【トラバース道を進む】
 鷲羽岳直下からザレた道が続きます。九十九折れにひたすら下って行きます。下っているからいいのですが、ここを登りだと結構長くて大変だと思います。ただ、歩きにくいザレた道という意味では登りの方がいい面もあるかもしれません。

 下りでも結構歩いてようやく三俣山荘に到着です。ここで少し休憩をしたら先に進みます。三俣蓮華岳に登り返して行くとやがて三俣峠に到着です。ガスガスで展望もありませんし、先も長いので巻道を使って行きます。岩のごろごろした道もありますが、比較的歩きやすい道で、なかなかのペースで双六小屋まで歩くことができたと思います。

 双六小屋はすっかりガスに覆われていました。さすがに、外にいると肌寒かったでしょうか。昨日と同じくジュースを買って少し休憩をした後鏡池山荘に向かったのでした。このあたりになると、前日からの疲労もあって、少し登るのも結構大変でしたが、平坦な道や下り道はまあまあのペースで歩けたのではないでしょうか。

【チングルマ】

【カラマツソウ】

【トモエシオガマ】

【双六小屋】

【ガスに覆われた双六小屋テント場】

【弓折乗越はさすがに展望なし】

【鏡池山荘】
 弓折乗越まではアップダウンがありますが、その後は基本的に下り道となります。鏡池山荘で少し休憩をしました。鷲羽岳以降展望がなかったこともあってペースが上がったせいか、日が暮れる前には何とか戻れそうでした。

 その後は、ひたすら下って行きます。長い下りになりますので、膝の張りを気にしながら下って行きました。途中秩父沢付近で少し休憩をして無理をしないで下って行きます。この道は笠ヶ岳からの日帰り周回でも下りで使いましたが、時々膝を痛めて歩いている方がいる印象があります。この日も、歩けなくはないのでしょうが、かなりペースが落ちているのではと思われる方もいました。

 小池新道入口まで戻って来れば後は林道歩きです。この林道歩きが長いですが、ここまで下ればあまり膝などを痛めることもないでしょう。最後へとへとになった頃ようやくゲートまで戻って来ることができました。

【小池新道入口】

【ゲート前】

【登山者駐車場へ】
 本当に2日間よく歩いたと思います。天候はあまり期待せずに向かった新穂高温泉からの高天原温泉でしたが、展望に恵まれて、前回同様に素晴らしい温泉に浸かることができて良かったと思います。

 歩き切れましたが、やはり2日連続のロングは結構大変だなとも思いました。今回2日目のために冷却用のスプレーを持って行ったのですが、少しは功を奏したのでしょうか。
 


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