でんつくとうげ・こうもりだけ・しおみだけ・せんじょうがたけ
 伝付峠・蝙蝠岳・塩見岳・仙丈ヶ岳(1〜2日目)
  登山日: 2014年9月12日(金)〜15日(月)  
  標高:2865m(蝙蝠岳) 3047m(塩見岳) 2999m(三峰岳) 3033m(仙丈ヶ岳)


 9月12日(金)    伝付峠入口(新倉) 7:25 → 八丁峠 9:45 → 保利沢小屋 10:50
   伝付峠〜展望台 13:10(〜55) → 二軒小屋 15:00
 
9月13日(土)    二軒小屋 5:45 → 水場分岐〜水場 10:00(〜30) → 徳右衛門岳 10:40
 蝙蝠岳 13:15
 
9月14日(日)  蝙蝠岳 6:00 → 蝙蝠岳分岐 8:00 → 塩見岳 8:30(〜50) → 北荒川岳 10:25
   熊の平小屋 12:40 → 三峰岳 14:30 → 両俣小屋分岐 16:30 → 両俣小屋 17:00
     
9月15日(月)    両俣小屋〜道迷い 4:40 → 両俣小屋分岐 5:50 → 独標 6:50 → 伊那荒倉岳 7:45
   大仙丈ヶ岳 10:15 → 仙丈ヶ岳 10:55(〜11:10) → 小仙丈ヶ岳 11:55
   北沢峠 12:55 

 

 本日より3泊4日で伝付峠から入って、二軒小屋、蝙蝠岳を経て仙塩尾根を縦走します。この3泊4日の計画は、槍穂の縦走が終わった後に計画していた縦走で、北アルプスと南アルプスそれぞれに3泊4日の計画を立てていました。結局天候に恵まれずに実行できずに来ましたが、この週末の3連休の天気がそこそこであることと、その前に休暇が取れそうであったことから、どちらかの計画を実行に移すことにしました。

 今年は既にGW前後から北アルプスには断続的に入っており、この後も紅葉の時期に訪れることもあるでしょう。一方で南アルプス、特に南部はこのような機会でないと入らないことから、今回は南アルプスの3泊4日のこの計画を実施することにしました。北アルプスの3泊4日はそもそも小屋泊の予定でしたので、テント泊をしておきたいというのも南アルプスの3泊4日を決行した理由の1つかもしれません。北アルプスの3泊4日は来年以降の宿題としました。いずれにしても、課題は未踏の稜線を歩くことでした。

【奈良田駐車場】
 
【奈良田温泉バス停】
 木曜日の夜、仕事が終わって帰宅した後、急いで準備をしたら出発です。休暇は取れるかどうかわからなかったこともあって、準備は木曜日の夜にしたので少し遅くなってしまったでしょうか。ただ、今回駐車する奈良田の駐車場までが2時間少々で行ける距離なので、北アルプスに行く時に比べるとまだ余裕がありました。明け方とまでは行かないにせよ、既に日が替わった真夜中に現地に到着しました。平日だったので、無事手前の駐車場に駐車することができました。広河原へ行くのであれば、奥の駐車場でもバスが回ってくれるので問題ないのですが、今回はまず身延温泉行のバスに乗る必要があるので、奥の駐車場では戻って来なくてはなりません。

 起きて準備をするまでの数時間は仮眠を取りました。5時過ぎに起きて出発の準備をします。この日は平日だったので広河原行は確か8時過ぎだったはずですが、既にそちらに行かれる方も準備をしていたのには驚きました。
 
【時刻表 身延温泉行は1日4本 始発は6:35】

【乗車予定のバス】
 
【RUUさんと記念撮影 まみさんとも会えました】
 車の外を見てみると精力的に写真を撮っている方がいます。実はこの時は気付かなかったのですが、準備が一段落して公衆トイレに行ってみると、それがブログ仲間のRUUさんであることがわかりました。平日の朝でしたので、このばったりには驚きました。それは、RUUさんも同様のことでしょう。いろいろ話をしていたら、まみさんも起きて来られて、RUUさんまみさん夫婦と会うことができたのでした。お2人はこの後広河原行のバスに乗って、無事2泊3日で白峰三山を縦走されました。自分が下って来る前日に下山されたのでした。それにしても、バスが出る3時間前から元気なRUUさんでした。

 その後、テントザックを担いでバス停でバスの出発を待ちます。早川町内を走る身延温泉行のバスに乗ります。1日4本走っていて、始発が6:35でなかなか手頃な時間に走っていたので利用することにしたのでした。乗車したのは自分だけで出発です。ありがたいことにRUUさんは最後のバスの出発まで見送りをしてくれました。おかげで本当に気持ちよく出発できたと思います。 

【伝付峠入口バス停】

【バス停の道路反対側から歩くものと思っていましたが・・・】

【正解は橋を渡ってトンネル手前を左手に入る】
 伝付峠入口バス停まではそれほど時間はかかりません。ちなみに、ここは夜に車で走って来たところになりますので、逆ルートで、駐車スペースがあるのであれば、そこに駐車して朝1番のバスで奈良田に入ってということもできると思います。ただ、反対方向のバスの始発は結構遅い時間なので、早朝から動くのであれば使いにくいかもしれません。

 バス停で下りた後、道路を隔てて反対側に道路がありましたので、これを歩いて行くのかと思って歩いていたのですが、西に向かいたいのにどうも南西から南に向かって行きます。どうも対岸にある道から歩くのが正解のようでしたので、急いでバス停まで戻って、橋を渡ってトンネル手前で左手に入ります。工事現場の入口のような場所に入って車道をひたすら歩いて行きます。

 途中広々とした路肩がありますが、これが記録で見たヘリポートかもしれません。記録では、このあたりまでは車で入っていましたが、先ほどの入口にはロープがかかっていたので、今は入れないのかもしれません。

【この手前に地図はあるものの工事現場入口のようにしか見えません】

【新倉湧水】

【ヘリポート跡でしょうか 記録ではこのあたりまで車で入れるようです】
 その後も車道歩きが続きますが、徐々にくねった上り道になって来ます。途中には工事現場もあって、実際追い抜いて行った車もありました。工事現場の脇を通り抜けた後も、車に追い抜かれたので、まだ先に何かあるのだろうかと思っていると、それは、途中の橋を渡った先に分岐があって、自分は右の山道の方に入って行ったのですが、そこを左に入ると建物があってそれなりの台数の車がとまっていました。地形図を見る限りでは発電所関係の建物のようでした。

 ここでようやく舗装された道が終わり、登山道に入って行きます。少し歩くと河原があって、どこを歩くのかと思ったら対岸に目印がありました。基本的に聞いていた通り目印はしっかりありますので、部分的にわかりにくくても迷うような場所はないと思います。部分的にわかりにくいというのは、方向は明らかなのですが、どこを通るのかは登山者の判断ということです。崩壊の進んでいる斜面もあって、どこを通るか通れるかどうかは、各自で判断する必要があると思います。

【左の橋を渡るよう「伝付峠」の看板有】

【少し雲の多い空模様】

【林道の終点あたり 何かの工事または作業中のようです】
 このルートはザレた道を歩き慣れた方のみ歩いてくださいとありましたが、確かに整備されて目印等がきちんとありますので、ルートファインディングは必要ないものの、どこを歩くかどうかという判断と、ザレたトラバース道などは慎重に歩く必要があると思います。八丁峠への登り以外は、そこまでの急斜面ではないので、高度感はないと思いますが、部分的にいやらしい箇所は何箇所か出てきます。最初からそうなるとは思っていましたが、この4日間でのコースの難易度では天王山はこの初日でしょう。行程の長さ、体力的には3日目となりますが、それは後述することにしましょう。

 このルートを歩いた感想としては、ルートによってはここから入るのが便利ですので、また使いたいかなと思う反面、下り、特に疲れている時にここを歩くのはちょっといやだなという感じでしょうか。特に、荒れた河原や崩壊の進む斜面を見ていると、台風や集中豪雨のあった後は避けたい気がします。再整備されていてもこのような状態ですので、毎年毎年直近で歩かれた方の記録は確認しておいた方がいいでしょう。この日は平日だったこともあって誰にも会いませんでしたが、コンスタントに歩いている方はいますので、その点廃道寸前の道に比べれば余程安心して歩けるとは思います。

【(フサ)フジウツギ?】

【河原を横切って河原沿いを進む】

【河原を歩いて行くとやがて八丁峠への取付きへ】

【急斜面に付けられたロープ 見た目よりは丈夫です】
 河原を横切って藪っぽいところを抜けて再び河原に出ます。河原にもマークはありますので、それを目印に進んで行くとやがて八丁峠への急登となります。

 この峠への登りは記録にも要注意箇所と出ている場所で、実際ザレた道の急登が続きます。ロープは見た目よりは丈夫なので、掴まっても大丈夫だと思いますが、足を滑らせては意味がないので、足場を確認しながら歩くのが大事でしょう。九十九折れの道で崩れかかっている所は、斜面をよじ登るような踏み跡が付いていましたのでそちらを登って行きました。登って来た斜面や左手の急斜面が気になりますが、右手も切れ落ちているので、歩きやすそうだからと言ってあまり右側に回り込まないように注意したほうがいいかもしれません。

 背中の重いザックを担ぎ上げるのは大変ですが、登りであればそこまで神経質になることはないと思います。逆に下りは慎重に歩く必要があるでしょう。

【道は九十九折れに付いているようですが】

【ぶれぶれのフシグロセンノウ】

【幅は狭いですが足場がしっかりしている分歩きやすい方です】
 峠に出ると少しスペースがあって、小屋があったらしき場所に残骸がありました。ここから、峠の奥の沢沿いの道に向かって下って行きます。斜度はそこまでではありませんが、随所にトラバースがあって、見た目は普通の登山道なのですが、とにかく土質が柔らかくて、足を置くとずるずる斜面を滑って行く場所があったのには参りました。これだけ柔らかい土質だと、大雨が来たら結構表土が流されてしまうのではないかなと思いつつ進んで行きます。八丁峠の登り下りはこのルートの核心部でしょう。

 下った後は沢沿いの道を歩いて行きます。岩場などもあって、歩きやすいとは言えませんし、所々あった渡渉地点もちょっと渡る場所を探したりはしますが、それほど問題はないと思います。八丁峠を越えて来たからそう思うのかもしれません。やがて保利沢小屋と思われる小屋に到着です。ほっと一息と言いたいところですが、まだ沢沿いの道は続きます。

【八丁峠には小屋の残骸が】

【トラバースを振り返る 足を置くと足がはまるぐらい柔らかい土質のところも】

【岩を越えて橋を渡る】

【丸太橋】

【沢沿いの道を進む】

【渡渉地点】

【ヤマホトトギス】

【ゲンノショウコ】

【アズマギク】

【保利沢小屋? 発電所関連の施設のようです】

【地形図上の分岐点と思われます】
 その後も沢沿いの道が続きますが、1箇所トラバース道が崩れたのか、足場のほとんどないトラバースを強いられた場所がありました。ロープは下に垂れ下がっていますが、そこそこの高さで角度が相当急ですので、下から上って行くのは現実的ではないような気がしました。恐らくトラバース道に沿って付けられたロープが落ちてしまったのでしょう。逆にその場所以外は特に問題はありませんでした。

 沢沿いの道から荒れた河原などを歩いて行くと、ようやく峠への取付きが出てきます。急斜面を基本的に九十九折れに登って行く道ですが、この道はよく整備されていて歩きやすいです。草が伸びて来ていて、背丈ほどになっている箇所もありましたが、歩くのにはそんなに支障はないでしょう。

 正確にはよく整備されているというよりは、沢沿いの道と違って荒れにくいということなのだと思います。登山道に入ってからこの取付きまでは、その時々によって状況が変わるということでしょう。

【水の流れの脇を登るところも】

【渡渉も続く】

【沢沿い(ここは左端)を進む】

【左下から中央左上部へトラバース 斜面が崩壊してロープも落ちたようです】

【トラバースを振り返る 一歩だけですがこの僅かな突起に足を乗せる必要があります 2m程ですが踏み外すと滑り落ちます】

【渡渉して荒れた河原へ】

【この河原を歩いて行くとやがて急斜面の取付きへ】

【樹林帯の急登へ】
 樹林帯の道に入ると急登が待ち受けていますが、それでも、ここまでの歩きにくい道に比べればまだ良いでしょうか。一気に峠までと言いたいところですが、峠まではまだ500m程標高を稼がなくてはなりませんので、途中で座りやすい場所を探して休憩としました。実際、登山道に入ってからは、ここまでしっかりとした休憩は取っていなかったように思います。もちろんテント装備ですので、小休止は時々取っていますが。

 休憩後は再び登って行きます。このあたりまで来ると、初日であることもあってなかなかしんどかったりします。特に出発する前に風邪を引いてしまっていたので、なおさらだったかもしれません。出発地点の新倉から峠までは1500m程の標高差がありますので、標高で見ても結構ハードであることがわかります。それでも、かなり登って峠が近づいて来ると水場が現れます。ここは、以前笊ヶ岳に登った時に伝付峠に野営したのですが、その時に利用した水場です。今回もしっかり水が出ていました。この日は二軒小屋泊で水の心配はないので、少し飲むだけで担ぐことはしません。

【鬱蒼とした樹林帯】

【前回もお世話になった水場】

【ミヤマトリカブト】

【以前は小屋があったとか】

【もう1つある水場 水量は少ないです】

【笹が伸びて来ている場所も】

【伝付峠へ】
 水場を過ぎてしばらく登って行くと、と言っても水場からは10分少々でしょうか、伝付峠に到着です。訪れたのは過去1回だけなのですが、今はもうほとんど通る人のいない林道を見ると懐かしさすら感じてしまいます。

 上空は雲が多かったのですが、その中でも時々晴れ間も見えてきましたので、ザックをデポして展望台に向かうことにしました。今回の行程は基本的に2日目に蝙蝠岳の手前で森林限界を越えるまでは展望がないのですが、この展望台からは少しばかり南アルプス南部の山々が見えます。

 展望台へ向かう途中には、前回富士山を撮った芝生の斜面が出てきます。その時は、どこから見ると富士山がよく見えるのか、このあたりを歩きまわったものでした。やがて展望台に到着です。到着した時にはまだ一部ガスに覆われていましたが、展望台にいる間にすっきりと展望が開けて来ました。

【伝付峠の碑】

【少し北上して展望台入口】

【展望台への道 前回はこの左手の斜面を登って富士山を撮りました】
 展望台からは眼下を走る林道越しに、木々の合間より上河内岳、その右手には聖岳、赤石岳、そして目の前には荒川岳が見えています。とは言っても、角度的に聖岳は白蓬ノ頭から東聖岳、奥聖岳までしか見えていないと思います。赤石岳は見えていると思いますが、荒川岳は恐らく千枚岳と丸山あたりではないかと思います。それでも、これだけ見られれば十分でしょうか。

 後は二軒小屋に下るだけですので、展望台でしばらくのんびりしてから、ザックのデポ地点まで戻って行きました。展望台は分岐から北上しましたが、二軒小屋へ下る道は少しばかり林道を南に進みます。二軒小屋への案内はありますので、そこを右に折れて行きます。なお、右に折れて間もなく右手にあるスペースに前回テントを張ったのでした。その後は、二軒小屋に向かってひたすら下って行きます。

【樹林帯の芝生がのどかな感じで好きな展望台です】

【上河内岳 右は南岳】

【左手前が白蓬ノ頭 奥に東聖岳と奥聖岳あたりでしょうか】

【左の赤石岳と右の小赤石岳】

【左は千枚岳と右は丸山あたり 右手前はマンノー沢頭でしょうか】

【展望台と聖岳から荒川岳方面の眺め】

【林道越しに上河内岳から荒川岳方面の眺め】

【林道が続く ここを看板に従って右手に折れる 左奥には既に使えない公衆トイレ 縦走すると笊ヶ岳へ続きます】

【前回設営した場所】
 二軒小屋から伝付峠までの道はよく整備されていて、一定の標高ごとに看板があったりします。歩きやすい道が続きますが、途中で遊歩道との分岐があって、どちらを歩くのか迷ってしまいました。ただ、どのコースを歩いても結局二軒小屋には出られるようです。

 結局取付きから稼いだ標高分を再び下って来ると二軒小屋に到着です。峠越えとはこのようなものだということがよく分かるルートだと思います。さっそく小屋で受付をして設営をしました。前回は設営をしなかったのでどこがテント場なのかわからなかったのですが、この芝生は基本的に全てテント場だそうです。この日テントを張ったのは自分だけでしたので、好きな場所に設営をしました。小屋泊の方はぼちぼちいましたが、やはり平日だったこともあって、少なかったようです。

【道中の看板】

【気持ちの良い樹林帯 基本的には日陰になっている所が多いです】

【二軒小屋へ 建物は数多くあります】
 設営後は周囲を少し散策したり、昨年現地を確認していますが、徳右衛門岳手前の水場の位置を説明した掲示板などを確認して過ごしました。その後は自販機でビールを買って夕食としたのでした。この週末は結構冷えるということでしたが、そこまで標高が高くないせいか、寝袋に入るとちょうどいいくらいの気温でむしろ暖かく感じたくらいでした。

 このあたりは特に展望もありませんので、床に入ると初日で疲れていたこともあってすぐに寝てしまいました。翌日の行程も長くはないので、結構気楽なものだったと思います。唯一の気がかりは、きちんと蝙蝠岳でテントを張ることができるかという点だけでした。

【少し椹島寄りにある年季の入った素泊まり用登山小屋】

【安い自販機 麓よりは高いですが山中とは思えない値段です ペット500ml200円他】

【芝生のテント場とベンチ】
 

【夜が明けた頃の二軒小屋ロッジ】
 2日目の朝を迎えます。この日は蝙蝠岳山頂までと、この4日間の中では一番短い行程ですので、ゆっくり出発します。とはいえ、やはり早い時間に稜線に出た方が景色がいいでしょうし、何よりも蝙蝠岳でテントがきちんと張れるのかどうかを早く確認したいということから、すっかり明るくはなっていましたが、6時前には出発しました。

 まずは、二軒小屋近くの小さな滝を眺めた後、千枚岳方面へ続く登山道を見送って舗装された道を回り込むように進んで行きます。このあたりは、昨年蝙蝠岳に登った時の経験が生きて、ほとんど確認することなく進んで行きます。昨年真っ青な湖面に感動した湖、というよりは池でしょうか、こちらはまだ早い時間で光が当たっていなかったので、あまり鮮やかではありませんでしたが、それでもなかなかの眺めだったと思います。

【二軒小屋付近の小さな滝】
 回り込むように歩いて行くとやがてトンネルがありますので、このトンネルを通過します。暗いですが、奥が見えているので、ヘッドライトなしで歩いて行きます。この後、大井川西俣林道と東俣林道の分岐があります。一瞬登って行くように見える西俣林道が正解のように見えますが、蝙蝠岳登山口へは東俣林道を進む必要があります。なお、西俣林道を進んで行くと蝙蝠岳へ直接登ることのできるガンカク尾根を歩くルートがあるようですが、地形図にすら載っておりませんので、上級者のルートになるのでしょう。ルートが比較的明瞭であるならば、いつか歩いてみたいルートではあります。

 東俣林道を進むと間もなく蝙蝠岳登山口です。ひっそりとした登山口で、看板がなければ通り過ぎてしまいそうな場所です。壊れかけの登山届ポストがあります。ここから、登山道に入って行きますが、最初から急登の連続です。ルートは明瞭で、登山道も最初の登りは岩場交じりで歩きにくいですが、それ以降は比較的歩きやすいと思います。

【千枚岳方面 ここには入らずに回り込むように歩いて行きます】

【光が当たっていませんがそれでも鮮やかな湖面です】

【光が当たると前回のような深い青色になるのでしょう】

【トンネルをくぐって】
 しばらく登っていると突然視界が開けて立派な建物が出てきます。中部電力のダム関係の施設のようです。ここにはモノレールで荷物を運べるようになっています。聳え立つように建っているいる施設ですが、階段がずっと付けられていますので特に問題なく進んで行くことができます。ここで、少し昨日通った伝付峠からの稜線を眺めることができます。

 その後はひたすら樹林帯の道を登って行きます。標高2599mの徳右衛門岳の手前の水場分岐まで、大きな変化もなく高度を稼いで行きます。

 さすがにテント装備でこの標高差は大変ですので、休憩を挟みつつ登って行くと、ようやく水場分岐が見えてきます。分岐にザックを置いて、この日と翌日の分の水を汲みに行きました。前回は、徳右衛門岳の直下に設営しましたので、設営後に水を汲みに行ったのでした。 

【大井川西俣林道東俣林道分岐 蝙蝠岳へは右の下って行く東俣林道が正解】

【ひっそりとした蝙蝠岳登山口】

【序盤のみちょっとした岩場も】

【樹林帯を進む】

【突然視界が開けて立派な施設が】

【伝付峠から続く稜線 アルプス方面は見えません】

【ヤマハハコ】

【特徴的な南アルプスの樹林帯の眺め】

【どこまでも続く森を進んで】

【水場分岐 木に「水」と書いてありますし目印がたくさんあります】
 水場の細かい説明は省略しますが、緩やかに下った所にある少し広々としたスペースのある所を踏み跡明瞭な右ではなく、左に曲がります。その後、前回はなかったのですが、ずっとトラバースしている踏み跡がありますがそれは間違いで、ザレた斜面の手前で下って行く踏み跡を探します。その後は、道は明瞭ですので、木に掴まるなどして慎重にザレた道を下って行きます。

 注意すべき点は、ザレた道の急斜面を下るので、足回りはしっかりしておくこと、容器は可能なら担ぐことと、水場が狭いので汲んで容器に移せるものを持って行った方がいいということでしょうか。自分の場合は、いつも持ってる500mlのペットボトルを補給がてら一緒に持って行っただけですが。

 2日分の水汲みが終わったら水場分岐まで戻ってザックを担ぎます。元々ある程度の水は担いでいましたので、そこまではひどくありませんでしたが、やっぱりずっしり来ますね。

【最初の広々とした場所を左に曲がる】

【ザレた急斜面を下って行くと水場 狭いので汲むものが欲しいです】

【左上の誤った方向に踏み跡 知らないとまず入ってしまいそうです】
 分岐から少し登って行くと間もなく徳右衛門岳山頂です。案内標識はありますが、肝心の山の名前が入っていなかったりします。あるいは入っていたけれども消えてしまったのかもしれません。2599mの標高がありながら展望はありません。本当に南アルプスの森林限界の標高は高いです。逆に言えば、展望はないものの、多少荒れていてもこのあたりは歩けるとも言えるかもしれません。

 その後は、しばらく緩やかなアップダウンを続けながら進んで行きます。やがて、本格的な登りにさしかかります。そろそろ稜線かなと思われた頃前方から鈴が聞こえてきます。この日初めて会う登山者だと思ったら、なんと笛を何度も鳴らして来たのでした。結局、熊がいると思ったようで鳴らしたようでした。ただ、こちらも熊鈴は鳴らしていたので、登山者が近づいていたことは分かったと思いますが。ともあれ、この日初めての登山者とすれ違った後、ようやく森林限界を越えて2721m峰に到着です。ここに出て来てようやく蝙蝠岳を望むことができます。

【徳右衛門岳山頂 ただし山の名前は見当たりません】

【昨年の設営場所 ソロテントでぎりぎり登山道を塞がずに設営できました】

【シダ植物が雰囲気を醸し出しています】

【徐々に急登へ】

【ケルンのある2721m峰】

【蝙蝠岳への稜線 ガスが多いです】

【蝙蝠岳の左奥には塩見岳】

【中央左あたりまで登ると一旦緩やかに下って登り返して行きます】

【道はできていますがうるさいハイマツ帯も】

【ガスに覆われる時間帯もありました】

【山頂までもう一息】
 やはりガスが結構多いようです。確かそれほどいい予報でもなかったので仕方のないところですが、場所的にまず風雨に曝されないことが大事でしょう。とりあえず、蝙蝠岳への稜線を眺めながら少し休憩をしました。

 休憩後に出発します。昨年も歩いていますので、特に問題なく進んで行きます。目印も少なめですがありますし、視界があれば蝙蝠岳が見えているので迷うことはないでしょう。ただ、適当なザレた道などはいいのですが、ハイマツ帯などは登山道を辿らないと突破できませんので、どこが本道であるのかは確認しながら歩いた方がいいでしょう。また、ガスに覆われた時に方向がわからなくなって引き返したという話を昨年聞きましたので、今回も少しガスに覆われた時間がありましたが、最初からガスに覆われているような時は注意をした方がいいかもしれません。

【蝙蝠岳山頂と青空と雲がせめぎあう空模様】

【塩見岳方面に広がる山頂】
 最後登り切ると蝙蝠岳山頂に到着です。やはり、この日は登りが中心だったとはいえ、行程が短かったので余裕を持って山頂に到着することが出来ました。翌日の長い行程を考えると頭が痛いところですが、とりあえずは蝙蝠岳を目一杯楽しむことにします。

 山頂に到着したらまずは設営に入ります。右手に何とテント場のように整地された場所がありましたので、そこに設営させていただくことにしました。石をどければ数張は大丈夫なのではないでしょうか。この日はテントを張れるかどうかが気になっていたのでした。

 なお、この設営場所ですが、当然野営ですので水場等は一切ありません。反対側からの場合には結構下から担ぎ上げる必要があります。また、山頂の陰にある分ましであるとはいえ、恐らく風雨があればまともに来るのと、間違いなく雷は落ちて来ると思います。避難する場所は近くにありませんので、日を跨いだ天気はよく確認しておく必要があるでしょう。実際、雷雨で生きた心地がしなかったという記録もありました。

【テント場?】

【大小1張ずつ+αの広さ 場所的にお勧めできる場所ではないと思いますが】

【山頂でシェー?】
 設営が終わった後は、周囲の景色を楽しみながら写真を撮りたいところでしたが、雲が多くてあまり展望がなかったので、暇つぶしのような個人的な写真撮影になってしまいました。主要な山では塩見岳だけがよく見えていたでしょうか。夕暮れまで時間もありますので、テントに戻って作業をしたりお昼寝をして過ごしたのでした。

 夕方5時前になると、雲も随分減って来て、むしろ昼間よりも明るくなって来たようでしたので、外に出て再び景色を眺めることにしました。雲はそれなりにあったものの、主要な山々が姿を見せてくれましたので、展望を楽しむことができました。一通り撮影をした後にテントに戻り、少しのんびりした後に再び出て来て今度は夕陽を眺めていました。雲の間からではありますが、真っ赤な夕陽を見ることが出来て良かったと思います。その後は、夜起きた時に晴れていれば夜空を撮ることにして、床に就いたのでした。

【雲は多いですが絵になる山頂の景色】

【塩見岳をバックにジャンプ 合成写真のようです】

【ガスが多い中でも塩見岳は見えていました この後しばらくテントに戻ります】

【塩見岳から一番奥の仙丈ヶ岳を経て白峰三山と広河内岳の眺め 雲は随分減って来ました】

【翌日から歩く仙塩尾根と仙丈ヶ岳】

【辛うじて雲から出ている白峰三山 北岳はほとんど見えていません】

【白峰三山から白峰南嶺の山々 右の印象的なピークを持つのは山頂が広々とした白河内岳でしょうか】

【広河内岳の右に見えていた観音岳と薬師岳】

【本日歩いて来た稜線を振り返る】

【影蝙蝠岳】

【夕陽に赤く染まる蝙蝠岳山頂と影蝙蝠岳】

【小河内岳から烏帽子岳の稜線に沈む夕陽】

【この時間雲に覆われていた塩見岳】

【真っ赤に染まる夕陽】

【塩見岳の雲が流れて来たのか山頂付近は灰色の雲に覆われて】

【すっかり日が沈んで 夜そして翌日の好天を期待して】
 一旦寝て夜中に目が覚めたので、外の様子を見てみると、夕暮れでも結構残っていた雲がなくなっていたようでした。この日の夜は冷え込む予報となっていて、既に随分寒かったのですが、せっかくなので星空と夜の周囲の山の眺めを楽しむことにしました。

 この日は明るい月が出ていたので、一般的に星は撮りにくくなるようですが、自分の場合にはそこまでのこだわりはないので、返ってピントが合わせやすかったり、カメラの方向などが定めやすかったりして良かったと思います。

 寒かったですが、思った程風はなかったので、結局1時間以上も外で過ごしていたことになります。今回の行程の3泊の中で展望があるのはこの蝙蝠岳でしたので、ちょうどその日の夜に好天に恵まれて良かったと思います。本当に思い出に残る夜空となりました。こうして2日目は過ぎて行ったのでした。

【頂上碑と月と星空】

【昼間はなかなかすっきりと見えなかった荒川三山もよく見えて】

【塩見岳と星空】

【塩見岳から白峰三山を経て白峰南嶺に続く稜線の眺め】

【霜の付き始めたマイテントと満点の星空】

【星空を見上げて】
 


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