のりくらだけ
 乗鞍岳
登山日: 2015年2月7日(土)   標高:3026m(乗鞍岳)
    標高差:駐車場から約1440m

地図及びルートについては前回本ルートでの登山時(2014年3月29日)のものを参照

 2月7日(土)    駐車場 6:35 → リフトトップ 7:30 → 肩の小屋 10:35(〜11:05)
   乗鞍岳 12:05(〜35) → 肩の小屋 13:10(〜35) → リフトトップ 14:45
   駐車場 15:20

 

 本日は乗鞍岳に登ります。昨年の3月下旬にも登っていますが、より展望がクリアな時期に登ってみたいということで、絶好の天候に恵まれそうな予報であったこの土曜日に登ることにしました。ただし、肩の小屋から先は凍結斜面になっているという記録があったことから、斜面の状況を見ながら登るかどうかを判断することにしました。

 ちなみに、朝日岳の北東斜面は実際に凍結している箇所も多くて難儀したのですが、昨年の下りで使った朝日岳と蚕玉岳のコルにトラバースしながら登って行く道は問題なく歩けたそうです。何も考えずに凍結しているルートを登り下りしていたのは工夫が足りなかったと思いますし、実際雪山ではそのような時の状況判断が大切であることを痛感させられたのでした。ただ、アイゼンの刺さりにくい場所を歩くようなことはほとんどなかったので、このような場所を登り下りしたことは、これはこれで貴重な経験になったのではないかと思います。

【休暇村奥駐車場】
 
【ゲレンデの入口でスノーシューを装着】
 金曜日に帰宅をしたら、準備をして現地に向かいます。麓の道の駅で車中泊をするのか、駐車場まで入って車中泊をするのか迷いましたが、そこまで気温は下がらないだろうということで、準備も楽なように駐車場まで入って寝ることにしました。これが失敗で、朝は氷点下14℃まで下がっていました。いろいろ着込んでそれなりにも寝ることができたのは良かったです。

 睡眠時間を少しでも稼ぎたいというのもあったのですが、あまり早い時間に出るとずっと先行せざるを得なくなるということで、少し明るくなってからの出発としました。ただ、出発した時間はちょうど剣ヶ峰と月の組み合わせが見事でしたし、その後に乗鞍岳がモルゲンロートに染まっている様を見ては、やっぱり早く出発した方が良かったかなとも思いました。いずれもしっかり見られるような場所に着いた時には既に見えなくなっていたのでした。しかも、狙いが外れて結果としては山頂まで先行することになってしまったのでした。乗鞍岳はBCの方がリフトを使って登るパターンが多いので、どうしてもスロースタートになってしまうようです。

【高天原と肩に月が沈み行く剣ヶ峰】

【ゲレンデを登って行く】
 
【無雪期には県道の通る道】
 出発してゲレンデに入ってみると、思ったよりもふかふかの雪でした。昨年は雪が締まっていたので、アイゼンでさくさく登って行けましたが、今回は最初からスノーシューを投入します。圧雪された雪だと浮力がよく効いて、スキー場の雪面に穴を開けることもなくてちょうど良かったと思います。

 昨年はどこのゲレンデから登ればいいのか悩んだものですが、やはりこのあたりは経験が生きて来ます。はっきりとは覚えていませんでしたが、確かこのあたりを登るとという感じで何となく覚えていましたので、効率よく登って行くことができました。ゲレンデ越しの乗鞍岳の雄姿を眺めながらリフトトップを目指して歩いて行きます。最後、急斜面のコースを登り切るとリフトトップに到着です。このあたりで、ちょうど単独のボーダーの方と登山者2人組と会いました。登山者の方はヤマレコユーザーの方のようで、自分が知っている記録の話をされていましたので、それとわかったのでした。

【リフトトップへの最後の急斜面】

【リフトトップへ】

【きらきら輝く雪面】

【早朝の太陽と輝く雪面】

【ここからはツアーコースへ】
 
【1番から6番まであるようです】
 リフトトップで休憩をしている間にボーダーの方が先行しましたが、雪が多くて難儀しているようでした。これでは正直肩の小屋までたどり着けるのかどうかと心配になってしまったのでした。その方が途中でよけて休憩をされましたので、代わりに先頭を歩くことになります。結果としては、この後は山頂までそのまま先頭を歩くことになったのでした。

 ツアーコースは入山者も多いせいか、積雪量は膝前後で、極端に嵌るような場所はあまりなかったように思いますが、長い距離を歩くとやはり疲労が増して来ます。ちなみに、下山時にツボ足でかなり深くまで嵌った跡がちらほらありましたので、少なくともワカンがないと歩くのは厳しそうな感じです。なお、ツアーコースには1番から6番までの標識があって、現在地のいい目安になるのではないかと思います。

【徐々に近づくもまだまだ遠い高天ヶ原と剣ヶ峰】

【トレースを振り返る】

【剣ヶ峰を正面に見据えて】

【スキートレースが僅かに残った雪面】

【位ヶ原山荘分岐】
 ツアーコースはほとんど風もなく、また緩やかとはいえ登りが続きますので、途中で結構汗をかいてしまいました。位ヶ原の吹きっさらしの所まで登って行けば、雪が締まってというよりもかなり硬い雪面になっているという情報がありましたので、そこまで行けば何とかとは思っていましたが、さすがに先頭でずっとではもたないかなと思ってペースを落としたり、結構のんびり写真を撮っていたのですが、後続の方達も結構のんびりだったようです。

 やがてツアーコースを抜けて位ヶ原山荘分岐に到着です。山荘に向けてはスキートレースが付いていましたが、剣ヶ峰方面には付いていませんでした。ここは、雪が結構吹き溜まっていましたので、見事に膝上のラッセルとなりました。それと、少し手前で上がってしまったので無駄なトラバースをすることになってしまいました。こうしたノートレースの場所ではコースの見定めも重要だなと思いました。ここを登って行くと、一気に視界が開けて、剣ヶ峰や高天原も裾まで見えて来ます。風も強くなって来ますが、まだまだこの時間、この辺りは穏やかなものでした。

【山荘へのトレースはあります 肩の小屋へは中央奥の向かって登って行きます 斜度のあるラッセルでこの日では一番大変でした】

【見事なシュカブラ】

【剣ヶ峰も裾まで見えて】

【高天ヶ原】

【雪原を歩く 締まっているところと吹き溜まりになっている所が極端でした】

【今回最も楽しみにしていた奥穂高岳と前穂高岳の眺め】

【真っ白になった奥穂高岳】

【肩の小屋へは再び本格的な登りに】
 雪面には見事なシュカブラを見ることができました。さらさらの雪なのかと思うと、凹凸のあるまま凍結していて、そのまま上を歩ける場所もあれば、同じように見えても思いっきり嵌ってしまう場所もありました。スノーシューを履いているにも関わらず太ももまで嵌ってしまって、その周囲も同じように吹き溜まりになっていて抜け出すのに苦労しました。抜け出してみるとツボ足でも沈まなさそうな雪面になっていますし、難しくはないのですが結構体力は消耗しました。

 その後は肩の小屋口までは緩やかな雪原が続きます。その後は再び肩の小屋への登りとなります。登り始めは結構雪が深い場所もありましたが、上部はあまり沈むことなく登って行くことができました。正直、このあたりでは既に疲れ切っている状態でした。美しいシュカブラが広がっていて、なだらかになってからさらに歩いて行くとようやく肩の小屋へ到着です。

【肩の小屋への登り】

【スノーシューのトレースを振り返る】

【徐々に空を覆い始める雲】

【美しいシュカブラが続く】

【肩の小屋へ】
 肩の小屋の風下には吹きだまった雪がこんもりと盛り上がっています。風を避けるためにこの脇で休憩をしつつ、ストックスノーシューからアイゼンピッケルに装備を変更しました。結局30分程のんびりした後に剣ヶ峰へ向けて出発です。

 朝日岳北側斜面は凍結しているという記録がありましたので、慎重に登って行きます。離れた場所から見てもてかてか光っているのが不気味に見えました。それでも、最初は斜度が緩やかなので問題ないのですが、やはり斜度が出て来るとほとんどアイゼンの刃が刺さらないアイスバーンは怖いものがあります。登りでしたので、ある程度刺さっていればそのまま行けそうでしたが、下りのことも考えて、見た目とアイスバーンの具合を確かめながら登って行きました。アイゼンの刃は研いでいないのですが、この時ほど刃の先が丸くなって来たアイゼンに心もとなさを感じたことはなかったかもしれません。稜線の近くまで登って来るとやや緩やかな斜面になって、普通の雪面になっていますので、そのまま尾根伝いに剣ヶ峰を目指します。

【朝日岳東面を登る】

【不気味に光る雪面】

【振り返ると徐々に姿を現す北アルプスの山々】

【朝日岳山頂付近より剣ヶ峰を見据えて】

【一旦下って蚕玉岳を経て剣ヶ峰へ続く道】

【大日岳と屏風岳の間から姿を現した御嶽山】

【池のある場所には真っ白な雪面が広がって】

【蚕玉岳より剣ヶ峰を望む】

【剣ヶ峰山頂へ】

【剣ヶ峰から大日岳と左奥に噴煙を上げる御嶽山】

【凍てついた乗鞍本宮】
 朝日岳からは一旦下って蚕玉岳に登り返して行きます。所々てかっていますが、登山道あたりは特に問題なく進んで行きます。登り返して蚕玉岳に到着すると、いよいよ剣ヶ峰への最後の登りです。登山道は埋まっていて、やや急な雪面の登りとなりましたが、凍結はしておらずよくアイゼンが効きますので問題なく登って行くことが出来ました。こうしてようやく剣ヶ峰山頂に到着です。

 山頂からは見事な景色が広がっています。多少もやっとして来ましたが、昨年の3月に登った時よりもクリアな展望が広がっています。一方で風は稜線に出てから結構強くなったのですが、山頂は特に強くて、風が吹き抜けるところではあっという間に体温が奪われて行きます。風が穏やかな日でしたが、それでもやはり厳冬期の3000m峰でしょうか。ただ、お昼過ぎから風は強まる予報でしたので、やはり朝方よりは強くなっていたのかもしれません。

【歩いて来た稜線と北アルプスの山々】

【左の南アルプスと右の中央アルプス】

【右の大日岳と左奥の御嶽山】

【笠ヶ岳〜双六岳付近〜槍ヶ岳〜穂高連峰の雄大な景色】

【稜線を歩く登山者】

【セルフタイマーで】
 体はともかく指先への影響が大きかったので、早々に下山することも考えましたが、せっかくですので、自分が満足できる程度には写真を撮っていました。ただ、風に揺らされる他、体も少し震えていましたので、あまり満足には撮れていなかったかもしれません。それと、薄雲が広がっていて、空は灰色がかっていました。

 山頂にいる間にBCの方が登って来て、すぐに下って行かれました。その後、リフトトップでも会った2人組の方が登って来られたのと入れ違いに下って行きました。蚕玉岳で再び景色を楽しんだ後、下るルートの選択肢は2つあって、前回と同様に朝日岳との鞍部からトラバース気味に下って行くのと、登って来た朝日岳の北側斜面を下る選択肢です。結果としては前者が正解で、後からそのルートを下った方の話では、東側は風下で吹き溜まりになるようで、アイスバーンはなく歩きやすかったそうです。ただ、その方も自分と同じようにかつてアイスバーンで苦労した時にその事を教えてもらったということでした。ちなみにその苦労した時には、稜線手前まで行きながら、完全な氷の斜面で仕方なく下ったとのことでした。それに比べればまだまだ今回の方が良かったのでしょう。

【御嶽山】

【槍穂の稜線と右奥には常念山脈】

【槍ヶ岳】

【左は黒部五郎岳 中央右に双六岳とその奥に連なる山々】

【コロナ観測所】
 結局、元の道を戻ることにしましたので、朝日岳に向かって登り返して行きます。このあたりまで来るとちらほら登って来る方とすれ違うようになりました。記録を見ると、リフトが稼働するのを待ってゆっくり登られる方が多いようです。ただ、こうした方はほとんどが滑って戻る予定の方だったりします。

 朝日岳から少し緩やかに下ると、いよいよアイスバーンの地帯に入って行きます。最初は登って来たやや西寄りの斜面を下って、その後は少しずつ東寄りに下って行きます。やはり部分的にはかなり硬いところもあって緊張を強いられますが、ここは下が見えていて鞍部になっている分まだ安心して下って行けるでしょうか。途中ちょっと情けないようなもたつきをしましたが、無事肩の小屋まで戻って来ることができました。とりあえず、事前に想定していた核心部は抜けることができたでしょうか。

【槍ヶ岳から穂高連峰の眺め】

【朝日岳への道 鞍部をトラバースして下るか 朝日岳を経由して戻って行くかを迷いました】

【肩の小屋付近で休憩する登山者】

【奥穂高岳と前穂高岳 真っ白になった岳沢あたりもよく見えて】

【あっという間に下って行けそうに見えますが】

【絶景も見納め】

【斜面を振り返る】
 肩の小屋で装備を戻しつつ、先に書いたように朝日岳をトラバースして下って来た方としばしお話をしました。この時期でも登れる山ということで、年に2〜3回程は登っているとのことでした。晴れていればルートが明瞭ですが、やはりガスに覆われると方向感覚がなくなるので、必ずGPSは持っているとのことでした。その方が滑るのを見送ったら下山開始です。

 残雪期と違って、この時期はさらさらの新雪が常に風に吹かれて流れているせいか、登って来た時のトレースすらほとんど消えていました。この天気では迷うことはないですが、視界の悪い時に歩いて来たトレースを辿ればなどと思っていると危ないかもしれません。気持ちよく広がる雪原を順調に下って行きます。ツアーコースに下って行く手前あたりから雪が増えて来ますが、相当BCの方が入ったのか雪面の荒れ具合は半端ではありませんでした。後でこの日の記録を見ると、苦労して滑ったという記録がありましたが、スノーシューで歩いても、荒れた雪面に足を捕られるくらいの荒れ方でした。

【てかてかに光る朝日岳を振り返って】

【シュカブラを眺めながらの下り】

【剣ヶ峰と薄雲のかかった太陽を振り返る】

【ツアーコースへの下りには無数のシュプールが】

【賑わうリフトトップへ】

【駐車場へ】
 その後は無数のシュプールの付いたツアーコースを歩いて下りますが、先ほど書いたように雪面が荒れて歩くのが大変でした。登った時に多くの方が辿ったと思われるトレースを探して下って行きます。これで幾分かは歩きやすくなりました。ただ、途中で何度も体勢を崩して足を突っ張らせてしまって、後日大事には至らなかったもののふくらはぎを痛める原因となりました。

 その後、リフトトップからはコースの先をゆっくり下って行きます。やはりスノーシューですので、急斜面の下りはやや手こずりつつも下って行くことができました。疲労もピークに達した頃、ようやく駐車場まで戻って来ることができました。今回は、ラッセルにアイスバーンと、本当に帰宅した時はぐったりするようなハードな1日となりましたが、結果としては景色も素晴らしく、充実した、そしていい経験となった1日だったと思います。
 


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