のうごうはくさん
 能郷白山(撤退)
登山日: 2015年2月28日(土)   標高:1617m(能郷白山) 1491m(前山)
    標高差:出発地点から前山まで約1200m


 2月28日(土)    除雪最終地点 7:45 → ゲート前 8:30 → 登山口 10:10
   前岳 12:50(〜13:15) → 撤退地点 13:55 → 前岳 14:45
   登山口 16:00 → ゲート前 17:20 → 除雪最終地点 18:00

 

 本日は能郷白山に登ります。翌日に友人の結婚式があったので、この日はどうしようかなと思っていたのですが、せっかくの好天であったことから山に登ることにしました。厳冬期真っ只中の時期に比べれば、日本海側でも晴れる機会は増えては来ると思いますが、それでもまだこの時期の晴れ間は貴重だと思います。結局2月は本当に当たり月だったように思います。

 ただし、行くかどうかも含めて迷いに迷ったので、出発がかなり遅れてしまいました。能郷白山は過去2回登ってかなり好きになった山で、もう少し雪の残っている時期にとは思っていたものの、例年より雪が多いことを考慮すると、さすがに時期が早すぎるかなというのがありました。家を出発する時点で諦めようかとも思ったのですが、行けるところまでということで、現地に向かったのでした。2月とはいえ、最近は暖かかったものの、前日に降った雨が凍結して、意外な所でスリップしたのには参りました。ただ、麓では雪にならなかったようで、その面では問題なく現地入りすることができました。

【除雪最終地点】

【中央右奥の林道へ】
 
【林道歩き 途中までは多くの踏み跡があります】
 この能郷谷からのルートはただでさえ長い林道歩きがあるのですが、この時期は林道に雪が積もっていて入れないので、さらに手前から歩く必要があります。このあたりは、記録を見てわかっていましたので、予定通り橋を渡った後のスペースに駐車をしました。準備をして出発をしたのは8時前と、ゲート前から出発したとしても遅すぎる出発となってしまいました。

 駐車場所の奥の林道を歩いて行きます。この日は2名の方が先行していたのですが、雪がそこそこ深くて歩きにくかったものの、何とか先行者の踏み跡を利用してそれなりのペースで歩いて行くことができました。この時点で前山まで行ければ御の字という感じだったでしょうか。前山付近からの能郷白山を見たかったので、前山まで行ければ充分という思いもありました。結構いいペースで歩いても、50分弱歩いてようやくゲート前に到着です。少しだけ休憩をしたら再び出発です。ちなみに過去2回は尾根に取付いて急登を上がったところまではまとまった雪がなかったので、それと比較するとやはり雪深くハードな歩きとなりました。

【白い稜線にテンションが高まって】

【雪が積もって長い林道歩きも楽ではありません】
 
【ようやくいつものゲート前】
 ちなみに大変だったのは、雪道に加えて、途中で水が流れている場所の雪が溶けて窪んでいるため一旦下って登らないといけないということもありました。特に帰路はスノーシューで歩いたので、登る時は足場をうまく作れず文字通り本当によじ登ったのでした。

 大変であった一方で広々とした場所では一面の雪原になっており、なかなか見事な景色が広がっていました。余力があれば、このあたりをスノーシューで歩きまわるのも楽しそうな感じでした。当然能郷白山に登るのにそこまでの余裕はなかなかないのですが。

 やがて、谷の奥へ奥へと進んで行って、右手に登って行く林道を見送ると登山口も近くなって来ます。ただ、このあたりは雪も深くて思ったよりも時間がかかりました。ようやく登山口付近まで来たのですが、いつもの登山口の標識は雪に埋まっていたようで、いかに積雪量が多いかを物語っています。

【水の流れている場所は一旦雪壁を下ります ここはまだ下りやすい方です】

【徐々に谷の奥へ】

【トレースを辿って】

【これから歩く尾根や稜線が見えて】

【脇の林道を見るとどっさりと雪が積もって】
  いよいよ懸案の徒渉ですが、対岸の尾根の急斜面を見ると下って来る方がいました。しばらく様子を見ていると、本来の渡渉地点より少し下った場所から降りて対岸に渡って来られました。確かにこちらからであれば、よじ登る箇所はあるものの、まだ本来の渡渉地点よりは歩きやすそうです。その方に話を聞いたところでは、気温が上がって雪質が悪くなったのでとても山頂にはいけないとういことで引き返して来たとのことでした。頑張って歩いて来たとはいえ、この時点で10時を過ぎていましたからどうしようかと思いましたが、さすがに撤退するにしても時間が早いかなということでもう少し進むことにしました。

 渡渉は先ほどの下って来た方の使ったルートを使って対岸に渡ります。少し先の本来の渡渉地点あたりにも踏み跡があったのですが、こちらはかなり急になっていて、恐らく歩いた方は最後半分飛び降りたのではないかと思うような場所でした。

【登山口までもう一息】

【登山口の標識は雪の下に埋もれて奥に尾根への取付き その手前に懸念していた渡渉地点があります】

【少し手前で降りた場所から 少し川を歩いて渡り左手に取り付きます】

【本来の渡渉地点 スノーブリッジになっていることもあるのですが神経を使うことには変わりなさそうです】
 
【急登を登って行く】
 さて、渡渉をしたら急登になるわけですが、この日はここまでツボ足で何も付けずに来ました。雪も重そうですし、できるだけ体力を温存するためにスノーシューを付けるのを避けたのでした。また、過去2回は既に雪が溶けていたこの急登をスノーシューで登るのは難儀だと思ったのもあります。

 しかし、急登に差し掛かったところから深くはまるところがあって、一度はクラックのような場所で腰くらいまではまって冷や冷やしましたので、仕方なくスノーシューを装着することにしました。スノーシュー自体はまだいいのですが、べたべたの雪がスノーシューに乗って本当に足を上げるのが大変でした。それでも、このあたりはまだ余力があったので、何とか登って行くことができました。しばらく登って行くと気持ちの良い尾根に出て、間もなく林道出合に到着です。いつもの登山道を示す木柱は当然雪の下でした。

【気持ちの良い尾根へ】

【登って来た道を振り返る】

【林道出合へ】
 ここまでも急登がありましたが、ここからも急登があるのでどうしようかと思いましたが、結局スノーシューでそのまま行くことにしました。登山口から続く急登は、過去登った時も日当たりがいいのか、かなり緩んで踏み抜きが大変だった覚えがあったからです。

 少し休憩をしたら登って行きます。しかし、ここでなんとザックを置いた時にピッケルを置きっぱなしにしてしまったのでした。しばらく登った後に見下ろして気付いたのですが、このペースであれば山頂には届かないだろうと、後で回収することにしました。山頂直下はかなりの急斜面になっていますので、できればピッケルが欲しい所ですが、そうでなければどうしても必要という程ではありません。この前後の急斜面の雪が締まっていてアイゼンを装着するのであれば、この付近でも必要となるかもしれません。

【林道出合からの真っ白な稜線】

【登って来たトレースを振り返る】

【写真ではわかりづらいですが結構な急登が待ち受けています】

【急登を登り切ってなだらかな尾根に 前岳の緩やかな斜面が見えています】

【やや深くなった斜面を登って行く】

【場所によっては先行者と違うルートから】

【前岳への道 見えているのはやや手前のピークです】

【稜線の雪庇】

【場所によっては雪庇に気を付けながら登る】

【このあたりの木々には残った霧氷が】

【真っ白な斜面】

【最後の登りへ】
 急登を登り切ると緩やかな斜面になります。この後は、緩やかになったりやや急になったりする斜面を登って行きます。場所によってはスノーシューでもそこそこ埋まりましたが、そこまでのラッセルを強いられることはありませんでした。ただ、所々にあるラッセルでも雪が重くて結構消耗していたのかもしれません。また、場所によってはクラックが大規模に見られる場所もあって慎重に通過しました。斜度が急になっている所に何箇所かありました。過去に訪れた3月下旬〜4月上旬に登った時にはここまではなかったように思います。

 山頂直下ではかなり疲れてきましたが、徐々に見えて来た絶景に励まされてようやく午後1時前に前岳に到着することができました。前岳の山頂はなだらかでとても広く、正確には少し東に行ったところが山頂のようです。ただ、この時期では雪に埋まってしまってよくわからないことでしょう。このあたりで、休憩を兼ねてしばらく景色を楽しんだり、写真を撮っていると山頂方面から戻って来る方が見えました。

【前岳山頂へ向けて広々とした尾根が続く】

【ようやく能郷白山の雄姿が見えて】

【白山方面の素晴らしい眺め】
 先行していた2名の方のうち1名の方は早い時間帯に下られましたので、実質この方が1人でずっと先行していたことになります。地元の方でもう何十回も登っていて、この付近のいろいろな尾根を歩き回っているとのことでした。ただ、この日は時間切れで途中で撤退することにしたということでした。もっと早い時間から登って協力して登っていたら違ったのかもしれないなあと思ったのでした。能郷白山は2回登っているので方向は基本的にわかっているのですが、ルート取りはとても助かりましたし、登山口まではツボ足でしたので、踏んでいただいたおかげで少し楽をさせていただいたのでした。

 落ちているピッケルは自分が落したもので後で回収するということを告げてお別れをしました。ちなみに、この方は自分が下山しているのか心配して後で駐車場所まで戻って来られたのでした。ただ、下山した時間は20分くらいしか変わらなかったようで、やはり下山も結構苦労されたようです。

【この日唯一先行された方と能郷白山】

【この角度からの写真を何枚撮ったでしょうか】

【前岳斜面の霧氷】
 しばらく写真を撮ったり景色を眺めていたのですが、結局山頂までは行けなくても行けるところまで行ってみようということで、能郷白山を目指すことにしました。リミットは明るいうちに登山口まで戻って来られることということで午後2時頃にしました。

 前岳からは緩やかに下って行きます。徐々に近づく能郷白山は迫力があって、これだけでも山頂に向けて歩いた甲斐はあったと思います。その後は緩やかなアップダウンがあって、帰路が少し思いやられました。やがて、先ほどの方が撤退された鞍部を過ぎて山頂へ向けて登り返して行きます。トレースを付けるのはなかなか楽しいものがあります。このあたりは、急斜面がないのかクラックもほとんど見られませんでした。最後の登りに差し掛かる手前のなだらかな場所への登りとなります。ここは、吹き溜まりになっているのかやや深かったのですが、一番スノーシューが威力を発揮する場面ですので、ゆっくりとですが登って行けました。

【今回登ったのは中央左へのピーク手前付近まで】

【隣に見えている磯山】

【気持ちの良い稜線歩き】

【磯山方面も機会があれば歩きたいものです】

【緩やかに回り込んで鞍部へ下って行きます】

【美しいシュカブラ】

【トレースなき道へ】

【撤退地点にて】
 もう少し登れば一旦なだらかな斜面に出るという場所まで来ましたが、時間的に厳しいことはともかく、体力的にも厳しい状況になって来ました。標高差は150m程となり、雪のない時期であればもうひと登りという状況でしょう。ただ、能郷白山は最後に急斜面が待ち受けていて、過去2回よりは雪の多いこの時期では、かなり難儀する可能性がありました。もちろん、結果的にはあっさり登れる可能性もありますが、吹き溜まりなどでひどいラッセルを強いられたり、見えないクラックがある可能性があったりして、時間や体力に余裕がある時ならともかく、この時の状況では厳しいことでしょう。仮に登っても、その後に登り返しや長い林道歩きがあることを考えると、かなり辛い下りになることが想定されました。

 やはり未練がありましたが、しばし周囲の景色を眺めた後に撤退を決めて、下山を開始しました。鞍部に下った後のアップダウンや、前岳への緩やかな登り返しはなかなかしんどかったです。やはり、あまり体力は残っていませんでした。

【磯山とさらに続く稜線】

【緩やかに鞍部に下って来た稜線を振り返る】

【トレースを振り返って】

【前岳への緩やかな登り返しが地味にしんどかったでしょうか】

【御前峰と別山】

【今回候補の1つであった荒島岳】

【荒島岳と白山の組み合わせ】

【噴煙の続く御嶽山】

【能郷白山も見納め】

【まだ残っていた霧氷】

【雪庇の眺め】

【クラックに気を付けながらの下り】

【スノーシューで踏み抜いた跡】
 しんどいながらも、素晴らしい景色を眺めながら前岳に登り返して行きます。登り始めで随分雲が増えて来て、この日はあまり展望がないかなと思っていたのですが、むしろこの時間になっても白山や荒島岳など周囲の名だたる山々が見えていました。前岳に登り返す手前で少し立ち止まって素晴らしい景色を楽しんだのでした。

 その後は、前岳からの下りとなります。なかなかの急斜面ですので慎重に下って行きます。急斜面であることよりも、やはり気になったのはクラックで、登りで見かけたクラックのある場所は特に気を付けて下って行きます。見えているクラックは気を付けていたのですが、登りで通った道が雪で緩んだのか、自分のトレース上でスノーシューごと踏み抜いてしまいました。足元の深さはわかりませんが、慌てて脇にしがみついてしのいだのでした。能郷白山直下は4月になるかならないかの時期でもクラックがありましたので、あのまま向かっていたらどうなっていたことやらと思いやられたのでした。

【急斜面の下り】

【落したピッケルを回収して】

【右岸の誤ったトレース 雪崩の跡で途切れたため引き返して】

【薄暗くなって来た頃駐車場所へ】
 その後は、一旦緩やかな尾根道を下ると、一気に急斜面を下って行きます。最初の方は雪が締まっていてスノーシューでもよく雪を掴んで下って行くことができました。途中で、登りで落したピッケルを回収してなお下って行きます。参ったのは下部の急斜面で、雪が水気を帯びて滑るため、スノーシューでは全く刃が立たず滑りながらの下りとなりました。スノーシューを外すと日あたりの良いこのあたりは、雪も解けてさらにひどく踏み抜きそうでしたので、がんばってスノーシューで下りました。

 無事渡渉も終えて登山口付近まで戻って来ましたが、まだまだ長い林道歩きが残っています。ショートカットになっていると思った道が行き止まりになってしまって思いっきり時間をロスしてしまいましたが、最後はぐったりとしながらも薄暗い中無事駐車場所まで戻って来ることができたのでした。着替えをしていたら、先に下ったおじさんが心配して一旦戻って来られたのでした。
 ちょっとした不摂生が出発時間の遅れとなり、結果として撤退となったのは残念でした。ただ、時期が時期ですから、時間があれば登れていたのかどうかはわかりません。撤退という結果になったものの、山頂直下までは登ることができましたし、何より素晴らしい景色を眺めることができて良かったと思います。これからも残雪期の定番の山にして行きたいと思っております。


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