じいがたけ・かしまやりがたけ
 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳
登山日: 2015年6月13日(土)   標高:2670m(爺ヶ岳)  2889m(鹿島槍ヶ岳南峰) 
    標高差:登山口から約1550m


 6月13日(土)    登山口 4:10 → 種池山荘 7:00 → 冷池山荘 8:40 → 鹿島槍ヶ岳 10:30(〜11:00)
   冷池山荘12:00 → 爺ヶ岳中峰 13:10 → 爺ヶ岳南峰 13:30 → 種池山荘 14:00
   登山口 16:00

 

 本日は鹿島槍ヶ岳に登ります。本格的な梅雨の前にもう少し登っておきたいということで、いろいろな山を考えていたのですが、まだまだ本格的な雪山装備が必要な山ばかりということで、アルプスに登るとなると選択が難しかったです。日帰りロングでということで考えていたのですが、鹿島槍ヶ岳であれば雪切りも一通りされていたようでしたので、登ることにしました。ただし、柏原新道には数多くのトラバースが残っていて、どのくらい雪切りがされているかわかりませんし、山荘のホームページでもアイゼンピッケルは持ってくださいという注意書きがあったので、ピッケルと軽アイゼンを持って行きました。

 しかし、最大の失敗は日帰り用の靴で行ったことで、これが、やや緩んだ程度の雪の上では安定せず、本当に歩きにくかったです。通常の登山では、足の防護や重い荷物を持った時の安定性などを除いた、通常の歩行機能的な面では、あまり登山靴との差は感じませんでしたが、今回の雪上歩行では結構な差を感じました。雪の残った道は登山靴でということを身をもって体験させられたような気がします。ただ、雪上での大きなロスを考えると、それなりの時間で下山できたのは日帰り用の靴のおかげでもあり、なかなか難しいところです。 

【新設されていた市営第二駐車場】
 
【登山口】
 山荘のホームページを見た時に、登山口前の道路反対側のスペース及び少し扇沢側へ歩いた場所にある広めの駐車場は、いずれも工事のため使用ができないとあり、新設された市営第二駐車場に駐車するよう書いてありました。現地入りしたところ、登山口前のスペースは駐車できそうでしたが、結局市営第二駐車場に駐車しました。ただ、この場所は下山時には埋まっていて、結局は駐車しても良かったようです。ただし、橋を渡ったところにある駐車場は確かに工事中のようでした。

 とりあえず市営第二駐車場に駐車をしたら少し仮眠を取ります。本当は3時間くらいはとりたいところでしたが、この日の長丁場を考えると結局仮眠時間を確保できず、夜が明け始めた頃に準備をして出発します。結構早い時間ですが、既に何組かの登山者が出発しているようでした。登山口からそのまま樹林帯の道を登って行きます。朝はじっとしていると寒いくらいでしたので、この風のあまりない樹林帯を歩くにはちょうど良かったでしょうか。少し登って行くと日が昇って来て、木々の合間よりモルゲンロートに染まる針ノ木岳〜蓮華岳が見えたのですが、展望のある場所に着いた時には、残念ながら既に終わってしまっていました。

【樹林帯を進む】

【イワカガミ】

【蓮華岳〜針ノ木岳の展望と麓に扇沢】

【針ノ木岳〜スバリ岳】

【蓮華岳】

【雲のたなびく様が美しく】
 
【鮮やかなツツジ】

【徐々に雪が現れて】

【途中で木に遮られている箇所が随所にあって歩きにくく】

【途中に木などがなければ比較的歩きやすい】
 
【ショウジョウバカマ】
 この日の天気は徐々に回復して行く予報でしたし、既に一部は青空が見えていたので、展望に期待しながら登って行きました。ただし、結果としては、登りでは稜線以降はあまり展望がなかったのでした。

 しばらく登って行くと徐々に雪が現れてきます。まだまだ雪渓となっている箇所が多く、雪切りも急斜面になっているような場所が中心で、全てがきれいに切られているわけではありません。残った雪渓の距離を考えればとても全てをやるのは無理な話で当然のことでしょう。危険は少ないが雪切りされていないところや、雪切りはされているものの、途中を突き出た木々が塞いでいるところもあって結構苦労しました。登山靴&アイゼン装備であれば回り込めば済む話なのですが、先に書いたように安定しない靴では、ピッケルは持っていたものの、やはり安全性を考えると木々の合間や藪を突破せざるを得ませんでした。それと、早朝だったのでかなり雪が硬かったこともあります。

【種池山荘への最後の登り】

【種池山荘へ】
 ちなみに、雪渓のトラバースは、すぐ下に笹薮があって問題なさそうなところから、どこまで落ちて行くかわからないような急斜面の雪渓もあって、全体的には滑落するとかなり危険です。元々柏原新道自体が斜面をトラバースするように道が付けられているので仕方がないところでしょう。

 5月にはアイゼンよりも活躍したピッケルですが、一旦しまった後再登場してまた活躍せざるを得ませんでした。ただし、下山時は雪が緩んで歩きやすくなっていた点もあるとはいえ、両手をあけて登っている方もいて驚かされました。正直、自分はまだまだ雪道歩きができていないと思います。

 苦労しながらも、何とか7時頃には種池山荘に到着すること出来ました。雪道でペースが落ちていたこともあって、思った程はまだ疲れていませんでしたので、少しだけ休憩をしたら先に進むことにしました。

【残念ながら爺ヶ岳方面はガスに覆われて】

【蓮華岳と針ノ木岳】

【種池山荘を振り返る】

【残念ながらまだまだ雲が多く そのうち雲も取れるだろうと思っていましたが・・・】

【キバナシャクナゲ】
 種池山荘から少し離れた場所に見えている夏道まではどのように行くのかがぱっと見はわからなかったので、小屋の脇から雪渓を歩いて行きました。すると、帰路にはベンゲラが巻かれていて、南側から回り込むように道が付けられていました。どちらにしても、爺ヶ岳が見えていれば迷うことはないでしょう。

 その後は基本的に登山道上に雪はありません。稜線はガスに覆われていて、特に鹿島槍ヶ岳の山頂付近は厚い雲に覆われていて、しばらくは展望が期待できそうもありませんでした。それでも、冷池山荘に着くまでには回復するのではないかと楽観的に考えていました。実際、少しずつ雲が取れているように見えていました。しかし、実際は雲が流れているだけで雲が取れて行っていたわけではなかったのでした。展望は帰路に期待することにして、爺ヶ岳は全て巻いて行きました。冷池山荘手前の鞍部に下るあたりからは、見事な鹿島槍ヶ岳を眺めることができますが、やはり山頂付近は雲に覆われたままでした。ただ、それでもなお鹿島槍ヶ岳の雄姿は見事としか言いようがありませんでした。ガスに全て覆われていることに比べれば、これだけの景色が見られただけでもと思っていました。

【爺ヶ岳中峰 往きでは巻きました】

【立山方面は雲に覆われて 左端に種池山荘】

【ガスに覆われるも堂々たる鹿島槍ヶ岳】

【赤岩尾根分岐】
 赤岩尾根分岐を経て冷池山荘に到着です。この時期は入山者が元々少ないこともあって、小屋は静かなものでした。時間帯的にも、この時間は小屋の宿泊者が出発した頃で一番静かなのかもしれませんが。喉が渇いていたらジュースでも買おうかと思っていましたが、それほどでもなかったので、帰路に寄ることにして先に進みます。少し歩くとテント場があり、後立山縦走時にみんなでわいわいと素敵な夜を過ごしたことを思い出したのでした。

 その後しばらく歩くと雪道が出てきます。このあたりは、遅い時期まで雪が残っているようです。ただ、緩やかなアップダウンが続くだけですので特に問題はありません。しばらく歩いて行くと布引山に取り付きます。ここはGWでさえ雪がありませんでしたので、この時期にはすっかり雪がありません。九十九折れの道をゆっくりゆっくり登って行きます。ペースを保つというよりは、少しでもゆっくり歩いて雲が晴れるのを待とうという気持ちからでした。

【冷池山荘へ】

【山荘入口】

【静かなテント場】

【布引山の取付きまでは雪の上を歩く場所も】

【布引山が見えて】

【ミヤマキンバイ】

【ハクサンイチゲ】

【布引山をトラバースして】
 登り切ると布引山の直下に出ます。まだまだガスが多そうでしたので、トラバースして行きます。と言っても、爺ヶ岳と違って山頂はほとんど目と鼻の先です。なお進んで行くと、徐々に鹿島槍ヶ岳の山頂が見えてきました。残念ながら全体が見えているわけではありませんが、山頂までの尾根道が見えているだけでもなかなかの眺めでした。むしろ、尾根にガスが押し寄せる様はなかなか見事でした。

 途中、ハクサンイチゲがまとまって咲いているところがありましたので、少し花の写真を撮りながら進んで行って、ようやく6時間以上かかって鹿島槍ヶ岳南峰に到着です。爺ヶ岳を振り返ると、少なくとも先ほどよりはガスが晴れて来ていることはわかるのですが、それでもやはりガスが多く、休憩を兼ねてしばし晴れるのを待つことにしたのでした。

【ガスに覆われていても見事な山容】

【ようやく山頂も見え始めた鹿島槍ヶ岳】

【雪渓脇のハクサンイチゲのお花畑】

【ガスの押し寄せる尾根】

【振り返ると爺ヶ岳からの稜線が見えて来て】

【ようやく鹿島槍ヶ岳南峰に到着】
 ガスが多い中でも鹿島槍ヶ岳北峰はもちろん五竜岳まで見えていたのは良かったと思います。前回のGWのもやっとした展望のリベンジはなりませんでしたが、それでも近くの主要な山々を見ることが出来て良かったと思います。もう少し粘れば晴れるかなという気もしましたが、やはり下りも長丁場ですので、名残惜しくも山頂を後にしたのでした。

 少し下って行くと何とライチョウに会うことができました。ガスの多い時は遭遇率が高いと言われていますが、すっきりと晴れなかったから会うことが出来たのでしょうか。ちょっと展望が残念だなと思っていただけにとてもうれしかったです。ライチョウがハイマツに隠れるまで見送った後、再び下り始めます。しばらく下って行くと徐々に晴れて来ましたので、布引山に寄ってみると、見事にガスが晴れていました。この先は回復するだけだと思っていましたので、冷池乗越から少し登ったところからの鹿島槍ヶ岳の眺めを楽しみに戻って行きます。

【迫力ある鹿島槍ヶ岳北峰】

【五竜岳〜鹿島槍ヶ岳北峰】

【絶景広がる山頂とはならず】

【頂上碑】

【戻って行くルートを見下ろす】

【ライチョウ】

【ライチョウ2】

【布引山と雲が取れつつある鹿島槍ヶ岳】

【鹿島槍ヶ岳南峰及び北峰】

【爺ヶ岳への稜線】

【ようやく見えた鹿島槍ヶ岳】

【雪道を歩きながら戻って行く】

【冷池乗越へ】
 途中で冷池山荘に寄ってコーラをいただきました。この日は思った程は水分を取らなかったので、手持ちのものだけでも充分でしたが、どうも山に登ると炭酸飲料が欲しくなるようで、休憩も兼ねていただいたのでした。

 その後は一旦下って冷池乗越に登り返して行きます。期待していた鹿島槍ヶ岳の眺めですが、残念ながら山頂付近は厚い雲に覆われていました。少し粘ってみましたが、すぐにはとても晴れそうになかったので、この最も鹿島槍ヶ岳がよく見える場所から見えなかったのは残念でしたが、まだ爺ヶ岳にも登りますので、そこまでには晴れていることを願って戻って行きます。このあたりになってくると、暑いこともあって登りはなかなかしんどいものがありました。朝のうちは、歩いていても寒いくらいの稜線でしたが、やはり太陽が出て来ると一気に暑くなって来ます。展望の良さそうな場所では時々振り返りながら、爺ヶ岳中峰を目指して歩いて行きました。

【ようやく見えて来た立山】

【山頂付近には厚い雲が】

【立山連峰の雲も晴れて来て】

【爺ヶ岳への稜線】

【左の種池山荘と右の立山】

【徐々に雲が取れて行きます】

【山頂が見えて来ています】

【青空も随分広がって来ました】

【すっきり見えた鹿島槍ヶ岳】

【すっきり見えて来た立山連峰】

【爺ヶ岳中峰】
 しばらく歩いていると、徐々に鹿島槍ヶ岳の雲が晴れて来ているようでした。そして、爺ヶ岳中峰に取り付くころにはその全容を眺めることができました。雲がかかっていても素晴らしい眺めですが、やはり雲が晴れるとさらに素晴らしいものです。ちょうど爺ヶ岳中峰に取り付いていた頃ですので、少し写真を撮ったらそのまま山頂へ向かいました。

 山頂からは素晴らしい景色が広がっています。立山連峰の雲も随分取れてきましたし、お昼を回ったので少しもやっとはしていますが、これだけクリアに見られれば充分でしょう。爺ヶ岳南峰も登るつもりでしたので、休憩もそこそこにこの日最後のピークである爺ヶ岳南峰を目指しました。一旦下って登り返そうとした時、ふと空を見上げてみると七色の虹が上空に見えていました。これは環天平アークと呼ばれる現象のようです。せっかくですので、山頂から見上げたいということで、急いで爺ヶ岳南峰に登って行きました。

【立山と種池山荘】

【爺ヶ岳南峰と奥には蓮華岳〜針ノ木岳】

【鮮やかな環天平アークを見上げて】

【爺ヶ岳南峰へ】

【蓮華岳付近から立山連峰の素晴らしい眺めと消えかかっている環天平アーク】

【種池山荘と立山連峰】

【蓮華岳〜針ノ木岳 麓には扇沢も見えて】

【爺ヶ岳南峰頂上碑と鹿島槍ヶ岳】

【青空に映える鹿島槍ヶ岳】

【鹿嶋槍ヶ岳も見納め】

【種池山荘越しの立山連峰の眺め】

【種池山荘へ】
 環天平アークは爺ヶ岳南峰に登り始めた頃が一番よく見えていたようで、山頂に着いた頃にはかなり薄くなっていました。それでも、立山連峰方面の眺めとの組み合わせはなかなか見事でした。最後の展望地点でもありますので、パノラマの景色を楽しみましたが、再び雲に覆われて来ている場所もありました。それでも、鹿島槍ヶ岳を始めとして、短い間でも素晴らしい展望を楽しむことが出来て良かったと思います。

 しばし景色を楽しんだら再び下って行きます。少し下って行くと間もなく種池山荘に到着です。トイレをお借りして、下山の準備をします。ピッケルと念のため軽アイゼンを装着しました。雪も緩み始めていたので、軽アイゼンはあっても変わらないかもしれませんが、念のため装着することにしました。

【下山開始です】

【蓮華岳〜針ノ木岳の絶景を眺めながらの下り】

【慎重にトラバース】
 雪が緩んでいたのに加えて、自分が登った後に続々と人が登って来たおかげで、しっかりトレースが付いていました。それでも、部分的には気を使う場所もありましたが、登りの時に比べれば危険な場所は少なかったと思います。いずれにしても、まだまだ注意が必要な時期であることに変わりはないでしょう。

 結構下まで雪渓のトラバースがありますが、それが終わるとようやく日帰り装備の威力を発揮します。と言っても、あまり無理はせずそれなりのペースで下って行きました。結局、まだまだ明るい夕方4時頃には駐車場に戻って来ることが出来ました。

 登りでは展望がなくて今回は残念だったなと思っていたのですが、ライチョウに会えたことに加えて、ガスが取れた鹿島槍ヶ岳や環天平アークまで見られて充実した山行となりました。

【場所によってはかなり下まで雪渓が続いています】

【登山口へ】
 


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