やけだけ
 焼岳
登山日: 2016年3月26日(土)   標高:2390m(焼岳北峰) 
    標高差:駐車場から約1240m


 3月26日(土)    登山者駐車場 7:30 → 登山口 8:20 → 中尾峠付近鞍部 11:20
   焼岳北峰 14:30(〜15:10) → 登山者駐車場 18:05

 

 本日は焼岳に登ります。中の湯からの方が入山者も多く登りやすそうでしたが、少なくとも週末は旅館の宿泊者しか駐車場にとめることができないようでしたので、今回中尾ルートから登ることにしました。登山口が新穂高温泉のすぐ手前ということで、東からアプローチする私にとっては遠いうえに、過去の記録を見ると、結構撤退している記録が多かったので悩ましいところでしたが、行けるところまで登ることにしました。なお、撤退していたのは、コースが難しいからというのではなく、ガスで展望がないなどの理由でしたが、登りやすい山であれば展望がなくても登ってしまうので、やはり登りにくい山なのではないかなと推測したのでした。

 結果としては、トレースがなくなってからは厳しい山登りとなりました。多少ラッセルを強いられながらも樹林帯の後半のトレースが残っていたのは大きかったです。

【中尾登山口駐車場】

【温泉の噴煙の彼方に本日目指すピークが見えて】
 
【林道脇に登山口】
 夜明け前に現地入りするつもりでしたが、あまりに眠くて途中で仮眠を取ったので、夜が明けた頃に新穂高温泉手前の道を上がって、中尾温泉登山口の駐車場に駐車します。看板にもここが最後の駐車場と書いてあるのでわかるでしょう。既に2台の車がとまっていて出遅れたようですが、初見のルートですので、追いかけるくらいでちょうどいいかなと思いつつ出発です。侮っていたわけではないのですが、普通に登れば充分に登れる時間だと思っていました。実際、ルートミスをしなければ、これ以上のラッセルを強いられないことが前提ですが、そこまで時間はかからなかったことでしょう。

 しばらくは、林道沿いを歩いて行きます。温泉から湧き上がる噴煙がすごかったです。しばらく歩いて行くと、右手に焼岳登山口の看板が出てきましたので、ここを入ります。この道は林道のショートカットになっているので、林道をそのまま行ってもいずれ合流しますし、実際帰路は歩きやすさを優先して林道を下っています。

【どこから登るのでしょうか】

【林道終点に再び登山口の看板】

【白水の滝】
 
【週の始めに積もった雪でトレースはうっすらとなって】
 登山道は、ほぼ雪が溶けた地面の上に、週の始めに降った雪が積もっていたようで、雪が柔らかいうえに滑りやすくて、とても歩きにくかったです。下山時には雪が溶けているか、もう少し安定していたとは思いますが、歩きにくそうでしたので、下山時には林道を通りました。

 とはいえ、部分的にトラバースするような場所はあるものの、概ね歩きやすい道で、しばらく樹林帯を進んで行くと林道と合流します。この林道を少し歩くと林道終点となっていて、再び登山口看板があります。ここからは、本格的な登山道となります。

 しばらくは、緩やかな九十九折れの道が続きます。しばらく登って行くと、積もった雪の下にアイスバーンが出てきましたので、アイゼンを装着することにしました。ちょうど先行していた2人組の方もアイゼンを装着していたようで、この2人組の方を抜いたらなんと既に先頭になっていました。

【登って来た急斜面を振り返る】
 
【さらに先に道が続いてそうですが相当な急斜面です】
 トレースを辿って道なりに歩いていると、デブリがあって急斜面が現れます。トレースを辿ってデブリの上を登って行くと相当な急斜面になっていました。これを頑張って登って行くとトレースが薄くなるものの、先はまだ登って行けそうでした。しかし、ここまで急登が続くことはないはずだということでGPSで確認してみると、随分逸れていることがわかったので、少し平らな場所を探して、ストックをピッケルに替えてトラバースしながら本ルートを探して行きました。

 結局登ったり下ったりしながらトラバースして行って、ようやくしっかりとしたトレースを見つけることができました。ただ、合流したあたりから先こそしっかりしたトレースでしたが、その前は下山時に辿ってみると結構迷走していて、やはりわかりにくい場所のようです。ただし、ある程度トラバース気味に進んで行って、どこかで登っていけばいいという感じなので、積雪期はどれが正解というのはないのかもしれません。

【目印とトレースが現れて】

【徐々に雪が増えて】

【徐々に開けて来ました】

【ベンチではなく雪に埋まった小さな鳥居の上部です】
 トレースが現れてからは、トレースを辿って急登を上がって行きます。トレースがなくてもルートはわかりそうですが、恐らくトレースがないとラッセルを強いられることになったと思いますので助かりました。少し積もった雪があって足を捕られますが、ノートレースの場所を歩くことに比べれば随分楽なものです。

 しばらく登って行くと樹林帯の上部が開けて来ます。その後、なだらかな斜面をしばらく歩いた後、再び登って行くと樹林帯を抜けて展望が広がって来ます。だだっ広い雪原が広がっているようで、徐々に見えて来た穂高連峰や笠ヶ岳、霞沢岳の眺めが素晴らしく、テンションが上がって来ました。ただし、トレースはすっかりなくなって、部分的にひどいラッセルを強いられる場面もありました。それでも、そのような場所がずっと続くわけではないので、とりあえず着実に登って行ったのでした。

【素晴らしい青空】

【岩峰が見えて来ました】

【穂高連峰が見えて】

【霞沢岳】

【離れていても存在感のある奥穂高岳〜前穂高岳の稜線 手前は西穂山荘への縦走路】

【この時はなかなか雲が取れなかった笠ヶ岳】

【岩のごろごろした道を進む 中途半端に雪が溶けて歩きにくく 中央付近にあるトラバースが少しいやらしかったです 上部の岩峰直下が急斜面です】

【いよいよ急斜面へ この時はほぼ中央の岩峰に突っ込みましたが正解は中央とすぐ左手前の岩峰の間を通って行くルートでした】

【撤退地点から左上奥を見上げて アイスバーンを越えるのは無理と判断しました】
  雪の多い斜面を抜けると岩肌が出ているような場所に出てきます。地熱で雪が溶けている場所もあるようで、地肌が見えている場所もありました。中途半端に雪がなくてアイゼンを装着した靴では歩きにくかったです。途中、踏み抜きが怖そうなトラバースがありましたが、大きく踏み抜くことはなく問題はありませんでした。さらに斜面を登って行くとようやく急斜面が現れました。

 ここを登っている時に断念をしたり、登って行くルートを誤った記録をいくつか見ていました。実際に斜面は急で、雪の締まった場所を探しながら登って行きましたが、上部はかなり急でしたので、蹴り込みながら登って行きました。これではいくら時間があっても足りないとは思いましたが、岩場のところまで出られればと思い登って行ったのでした。しかし、その手前にひどいアイスバーンがあって、ただでさえ雪が硬くて落ちたら止まらないと思いましたので、ここで断念することにしました。そこで、足場を固めて撤退地点から写真を撮ったのでした。

【撤退地点から見下ろして 結局撤退はせず右(東側へトラバースして行きました】

【真っ白な奥穂高岳】

【笠ヶ岳もすっきり見えるようになって】

【穂高連峰と梓川】

【ここを登って行きます】
 撤退する予定でしたが、正しい道はもう少し低い位置でトラバースするかもしれないということで、そのままトラバースして様子を見てみることにしました。ここも急斜面で雪も硬かったので時間をかけてトラバースしてみました。

 トラバースしてみると、急斜面をトラバースして行けば山頂に向かうことができそうでした。一旦緩やかに下って登り返して行くようにトラバースして行きました。つまりは、もう少し手前からトラバースして行けば良かったことになります。ただし、この斜面が結構急ですので、知らないといきなりトラバースして行こうとは思わないかもしれません。このトラバースに入る前に撤退している記録が多いのは、このトラバースが険しいのとわかりにくいのがあるのかもしれません。結局、相当遠回りして、余分に時間がかかった後に焼岳北峰最後の登りに差し掛かって来ました。

【トラバースを振り返って 少し低い位置にうっすらとトレースが見えています】

【岩場の脇を登って行きました】

【山頂が見えて来て 噴煙がすごいです】

【中の湯ルートと合流してトレースは明確に】
 GPSでは雪面のまん中を進んで行くようになっていましたが、急斜面の真ん中を歩くのは少し抵抗があったので、端の大岩の脇を通って登って行くことにしました。とはいえ、大岩の周りは踏み抜く場所もあって少し歩きにくい面もあります。

 登り切って山頂までもう一息というところで、中の湯ルートと合流します。こちらは、かなり明瞭なトレースが付いていましたので、それなりの人数が入っていたのかもしれません。なお、今回歩いた中尾ルートは結局樹林帯を抜けたのすら私だけだったようです。

 最後は雪のない岩場を登った後、再び雪面を登って行くとようやく焼岳北峰に到着です。既に午後2時半ということで、中の湯から登って来た登山者は中の湯ルートを見下ろしても見当たらないくらい遅い時間の到着となりました。結局7時間かかっていますが、これは雪壁の急登や樹林帯でのルートミスによるものでしょう。この日は快晴でしたので、遅い時間でも展望は素晴らしく、この素晴らしい景色を独り占めすることができたのでした。

【噴煙越しに太陽】

【焼岳北峰山頂へ 結構歩き回ったような跡があります】

【埋まった頂上碑と共に】
 既にいい時間でしたが、展望が素晴らしかったので、結局30分以上ものんびり過ごしてしまいました。名残惜しいですが、さすがに午後3時も過ぎたので下山に取り掛かります。岩場を慎重に下った後は、トラバース道まで急斜面を下って行きます。その後は、来た時の急斜面のトラバース道を戻って行きます。トレースをそのまま辿ると高い位置まで戻りすぎてしまうので、途中から緩やかに下るようにトレースを付けて行きながら下って行きました。急斜面に取り付いた後は、練習も兼ねてバックステップで下って行きました。雪も程よく緩んでいて、比較的下りやすかったと思います。

 やはり急斜面を下るのには時間がかかります。急斜面を下った後は、岩のごろごろした道を下り、雪原を下って素晴らしい展望とお別れすると間もなく樹林帯です。このあたりはトレースを忠実に辿って高度を下げて行きました。

【焼岳山頂と穂高連峰】

【乗鞍岳と焼岳南峰】

【笠ヶ岳からの稜線】

【穂高連峰】

【噴煙越しに霞沢岳】

【梓川沿いの眺め】

【迫力のある笠ヶ岳】

【槍ヶ岳からの稜線】

【奥穂高岳】

【霞沢岳】

【乗鞍岳】

【西穂山荘から西穂高岳・奥穂高岳までの稜線】

【青空を少し入れて】

【大正池】

【笠ヶ岳から抜戸岳の稜線】

【自分のトレースを辿りながら下る】

【急斜面を振り返って】

【穂高連峰の絶景も見納め】

【近くに噴煙が上がっているので登りで少しいやらしく感じたトラバースですが思った程沈まず】

【トレースが随所にあって中途半端に辿ると余計に迷いそうでした】

【すっかり日が暮れて】

【林道から笠ヶ岳を見上げて】

【登山口駐車場へ】
 樹林帯は登る途中で迷ったので強引に合流した場所があります。したがって、そこから先は本来のトレースを辿って戻ります。しかし、その本来のトレースがあちらこちらに分岐していたり、右往左往していて、結局中途半端に辿るよりは、自分で方向を見定めて下った方が速かったです。

 樹林帯を抜けて林道に出た頃にはすっかり日が沈んで来ました。すっかり暗くなる前に樹林帯を抜けられて良かったと思います。登りで歩きにくかったのと、暗くなって来ましたので、登りで使った林道をショートカットしている登山道は使わずに、林道を下って来ましたが、それほど遠回りしている感じはしませんでした。結局、日が長くなって来たこともあって、ヘッドライトを使わずに登山口駐車場まで戻って来ることができました。ルートミスや雪壁で苦労しましたが、素晴らしい景色にも恵まれて充実した山行となったと思います。何事も限度がありますので、撤退しなかったことが正解だとは思いませんが、諦めずに登って良かったと思います。
 


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