あきたやけやま
 秋田焼山
登山日: 2016年6月12日(日)   標高:1366m(秋田焼山) 


 6月12日(日)    後生掛温泉登山口 5:10 → 毛せん峠 6:10 → 秋田焼山 7:35
   後生掛温泉登山口 9:25

 

 本日は秋田焼山に登ります。前々日の杁差岳、前日の焼石岳までは事前に登る山を決めていましたが、この日曜日については、当初天気予報が悪かったこともあって、登る山を決めていませんでした。そこで、岩手の安比の山人さんにお勧めの山を聞いてみたところ、この時期の秋田焼山はいいのではないかということでしたので、さっそく登ることにしました。幸いにも持っていた八幡平の地図にも載っていましたが、ネットでもいくつかの記録を参照しました。

 登山口は後生掛温泉になります。最初は近くにある道の駅に駐車してと思いましたが、下山後浸からせていただく予定でしたので、後生掛温泉の一番遠い駐車場をお借りすることにしました。近くの川から湯煙(噴煙?)が上がっていて、硫黄の臭いも立ち込めていました。温泉は後の楽しみとして、準備ができたら出発です。

【後生掛温泉】
 
【何と建物の中を通ります】
 事前の下調べで分かってはいたものの、温泉の建物の中を通過するというのは少し不思議な感じがしました。それでも、しっかり案内板もありましたので、ありがたく通過させていただいて、建物の裏手から登って行きます。すぐに樹林帯に入って、しばらくなだらかな道を進んだ後、急登で標高を稼いで行きます。

 今年は秋田で熊の襲撃事件があって、その場所からは離れていたものの、元々熊の多い地域であったにも関わらず、熊鈴を忘れてしまったのはかなりの失敗だったと思います。ちなみに、この麓の後生掛温泉の近くですら熊の目撃情報がありました。夜明けの特に気を付けなければいけない時間帯ですので、見通しの悪い所では特にホイッスルを鳴らすなどして、近くに熊がいないことを確認しながら慎重に登って行きました。気持ちの問題もあるとは思いますが、下山時と違って登っている時には時々気配を感じていました。

【鬱蒼とした樹林帯】

【ムラサキヤシオ】

【ミツバオウレン】

【ミズバショウ 熊の餌になるそうです】

【本日の主役であるイワカガミ】

【朝はまだ天気が良く】

【樹林帯を抜けると一気に別世界が広がります】

【イソツツジの群落がすごかったです イワカガミ同様に火山性地形に多いようです】
 
【毛せん峠】
 登っている途中に2回程度、大きな音がして動物が駆け下る音が聞こえました。熊とは断定できないものの、このようなことは時々あるので、怖いなとは思いつつもそこまでは深刻に考えなかったのですが、ある場所で気になってホイッスルを鳴らしたところ、1体どころではなく明らかに複数の動物がどたどたと走り回っている音がした時には何が起きたのだろうかと驚かされました。見えていないのであくまで推測ですが、起きたばかりで混乱していたのでしょうか。この時ばかりは間違って登山道に出てこないことを祈りつつしばし待ちました。最初は近づいているのか遠のいているのかわかりませんでしたが、やがて音も遠くなって離れて行ったようでした。さすがにこの時はかなり怖かったです。

 その後も樹林帯が続きましたので警戒しながら進みましたが、徐々に夜が明けて明るくなって来ると、そこまで気にしないで済む程度にはなったと思います。
 今度は徐々に暑さが応えて来ますが、頑張って登って行くと、樹林帯を抜けて景色が一変します。部分的に木々がまばらな場所もあって、火山性の地形が目立って来ます。植生もイソツツジやこの日の主役であるイワカガミが多く、いずれも火山に強い植生のため、このような地形でライバルも少なく多く咲いているようです。

 特に抜けたあたりではイソツツジが凄かったです。これは、やはり火山を抱えている北海道の十勝岳でもよく見ました。本州でも珍しい花ではないのかもしれませんが、本州の他の山ではあまり見た記憶がありません。

 やがて毛せん峠に到着です。体力的というよりも、やはり精神的に少し疲れたので、ここで少し休憩をしました。風が通り抜けて涼しかったというのもあるでしょうか。ここで少し休憩をした後、ゆっくり景色を楽しみながら進んで行きます。なお、この日は朝だけが晴れという予報でしたので、できるだけ晴れているうちに山頂近くの景色が見られるよう、とりあえず休憩は最低限にして進んで行きました。

【イソツツジ】

【避難小屋と背後の稜線が続く先に秋田焼山があるようです】

【イワカガミの群落 この時点ではこのくらいであろうと思っていました】
 
【ツマトリソウ】

【マイヅルソウ】

【避難小屋と岩々の尾根】

【避難小屋 分岐でもあります】

【宿泊不可ですがトイレは使えるようになっていました ドアはありません】
 毛せん峠を過ぎるとまとまったイワカガミの群落が現れます。結構な群落が見られましたので、これが目的のイワカガミの群落だと思ったのでした。また、年季の入った避難小屋が見えていて、そこを目指して歩いて行くことになります。

 やがて避難小屋に到着です。老朽化が進んでいるため宿泊は不可になっていましたが、トイレは使えるようになっていました。ただし、ドアはなく、簡単な布で仕切ってあるだけです。また、ここは分岐になっていてベコ谷地経由で戻るルートもあるようでした。さすがに全く下調べをしていないルートですので、下山時も登って来たルートを使います。

 避難小屋からは背後の鬼ヶ城と呼ばれるやや岩の目立つピークを越えて行きます。正確にはこの山全体を指すのか、その一部だけを指すのかはわかりません。一旦登って谷沿いに下って少し歩くと火口湖が正面に出て来て、草地が一挙に少なくなります。火口の硫黄分の影響であまり植生が育たないのでしょうか。

【辛うじて草が生えているような感じでしょうか】

【火口湖】

【同じイワカガミでも随分色が違います】

【このあたりからのイワカガミの群落はスケールが違いました】

【イワカガミの大群落と火口湖】

【名残峠からは立派な尾根が続いていますがこちらは立入禁止】

【名残峠から少し登って行くと玉川温泉と秋田焼山山頂への分岐があります】

【最初は秋田駒ヶ岳だと思いましたが方角的に森吉山あたりでしょうか】

【展望もなくこじんまりとした秋田焼山山頂】
 火口湖の眺めは素晴らしかったのですが、それ以上に素晴らしかったのがイワカガミの群落で、かつて見たことのない規模で咲き誇っていました。地味なイメージのイワカガミですが、これだけの花が集まると本当にピンク色の絨毯が広がっている感じでとてもきれいでした。

 何度も写真を撮りながら進んで行くと名残峠に到着です。ここからは少し登って秋田焼山に続く道と玉川温泉に向かう道との分岐があります。せっかくですので、秋田焼山山頂に向かいますが、これまでの景色と違って、笹原に囲まれた展望のない山頂でした。一応小さい頂上碑が置かれていますので、山頂であることがわかるようにはなっています。山頂の写真を撮ったら足早に戻って行きます。

 その後は、再びイワカガミの群落と火口湖の素晴らしい眺めを楽しみながら下って行きました。このあたりから、徐々に空が雲に覆われて来ましたので、早朝のいい時間帯に登ることが出来たのだと思います。 

【火口湖もイワカガミの群落も素晴らしく】

【ピンクの絨毯が広がって】

【この日の主役を何度も撮って】

【下山時 後生掛温泉が見えて】

【青々とした森は美しく】

【下山後は温泉に浸かって】
 下山に取り掛かると、ようやく登って来る登山者とすれ違うようになります。やはり比較的短時間で登れる山ですので、ゆっくり登る方が多いのでしょう。私の場合には天気の他にも、やはり帰路が長いのと、時間があれば山人さんの所に寄りたいというのもあって早い時間に出発しました。

 下山後は予定通り後生掛温泉に浸かって、山人さんに会って長時間いろいろな話をさせていただきました。おもしろい話をいろいろと聞かせてもらって良かったです。何よりもこの日の秋田焼山を紹介してくれたのも山人さんだったわけで、本当に素晴らしい眺めを楽しむことができました。いつもはこじんまりと咲いているイワカガミですが、これほどまでにまとまって咲いている場所もそうそうないでしょう。登るまではそこまでの期待はしていなかったのですが、結果的には前々日や前日の山にも劣らない素晴らしい花と火山の山だったと思います。
 


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